『妻への怒りが爆発した夜』
――この章では『なつ』ではなく『猫』と表記しています。理由はep2に書いてあります――
その夜妻が会社から帰ってきた。自分は喜んですぐに報告した。
「大家さんが猫飼ってもいいよって言ってくれたんだ。ペット禁止だけど猫飼えるんだよ!」
ただ妻の返事は予想外の言葉だった……
「あんた、何考えているの!?里親に渡したんでしょ!
里子に出すって言うのは猫を1ヶ月育てて里親に渡す事が仕事なの!
それにどう言って返してもらうつもりなの?
それって無責任でしょ、おばさんは好意で猫を……」
(この後の言葉は、今でも記憶にない……)
自分は妻の言葉を遮り、大きな声で言った
「うるさい!自分の気持の何が分かるんだ!
そして、あなたは何をしたっていうんだ!
猫を育てたのは自分、おしっこやうんちの世話をしたのも自分、
毎日3時間おきに起きてミルクあげたのも自分、
それなのにあなたは『里親にあげるんだから名前付けないで』とか
『あんまり情が移らないようにしてね、あげるんだから』とか
情が移らないように???いい加減にしろよ!!
これだけ可愛いくて、これだけ世話しているんだ。情が移るに決まっているだろ!
じゃーもう一度聞くけどあなたは何をしたんだ!猫と遊んでいただけだろ!」
黙り込む妻……
堰を切ったように泣き出す自分……
「無責任だと!それはあんただよ!
勝手に拾ってきて、それを自分に渡して育てさせて!
里親を探したのも自分で、その親戚に顔合わせや引き渡しをしたのは自分だ!
猫を引き渡すという悲しいことを全く付き添ってもくれず、
自分に任せきりで、何にもしてない!そっちが無責任だ!
だったら、俺をこんな気持にさせた責任をとれよ!!
じゃー世話もしないのに、なんで猫なんて拾ってきたんだ!
無責任にも程がある!だったら拾ってくんな!
だって、だって、自分は猫がいてくれたから毎日寂しくなかったんだ。
それを取り上げる権利は、あなたにはあるの?ここは俺の家だ!俺が決める!」
・・・・・それ以降、何を言ったか、どうやって夜を過ごしたか覚えてない……
翌朝、妻が親戚の叔母さんに電話をかけて猫を返してもらうようお願いしたらしい。
自分は涙を流してしゃべるって本当に珍しいんです。そもそもあまり泣かない。
この後に涙を流してしゃべったのは、この猫が亡くなった時である(最終章に描きます)
晴れて(全然晴れてないような気がするけど)「猫は家族になる」事が決まった。
これで一生後悔しないで済むと思ったのは覚えています。(続く)
第2章は『猫を拾って育てる』『猫を里親に出す』『猫取り戻し作戦計画⇒実行⇒決定⇒家族になる』といった感じですが、このep5がこの章のクライマックスです。