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緑髪の少女と醜い巨人

「ふわぁ〜」

僕は瞼を擦り、目を覚まさせる。


まだ眠い…でも、起きなくちゃ!!


ベットに垂れかかった、白いベールを手で退かし地面へと足を付ける。

僕、龍渓一蘭門はベットで伸びをして、白い壁に刻み込まれた青いラインに手を掛けすこしヨタヨタしながら、別室へと向かう。


洗面台についた僕。

窓の一切付いてない壁。


人口の光が僕の目を覚ませ、水道の水を勢いよく出し手に器を作って水を注ぐ。

水を顔にぶつけ、氷のように冷たいものが顔の皮膚を覆った。


「冷たっ…」

タオルを取って顔を拭くと、今度は冷めた皮膚が外のすこし冷たい空気との温度差であったかいように感じた。


「コノハを起こさないと…」

僕は思い、今日のいるメンバーの部屋へと駆け込む。

メタルガールズは神の出撃に備えて当番を二人決める。


今日はコノハ。基本的に二人の内、1人は僕で、僕は家が無いので、このメタルガールズの支部を家としている。


別室の寝室に移動し、そして、ベットで寝ているであろうコノハを起こすべく、ベットに近づく。

この部屋はコノハ専用の部屋で、入った時に少し店の一部にピンク色が目に付く。

それ以外は基本的に白い壁や青い壁のラインが見える。


そして、ベットの上にはペンギンと亀のぬいぐるみ。

コノハお気に入りのぬいぐるみの2つ。


「はいはい!起きてー!!」


僕はベットの毛布を掴み、ゆっくりと毛布を退かす。

すると、毛布の下にコノハ…って…


「こ、コノハ…」


コノハはまだ目を瞑っていて、しかしながら、お腹や腰部など、すこし露出がひどく、もうすこしすれば、上半身と下半身の女の子の大事な所が見えそうだ。


僕は、踵を返して後ろを向く。


「こ…コノハ!」

言っても反応しない。


「コノハ!!!!!起きてるんでしょ!!!!!」


僕がすこし大きな声でいうと、

「あれれ?ばれちゃった?」


「こ、コノハのことだし…起きてると思ってたよ…」


「ふーん…えい!」

そういうと、コノハ僕の股を握りしめる。


「ひゃあ!?!?」

少し小さな手の棒を握りしめる感覚が股に広がる。


「うわ〜!固〜い!!」

僕は赤く顔を染めて振り返り、コノ…!!!!!


ほぼ素っ裸のコノハ…

僕は振り返るのをやめた。


一応…ブラはつけていたけど…


「リュウ、同級生で発情してる〜!!!」


「し…仕方ないでしょ!!!僕だって…ちゃんと男なんだから…!!」

そう大きな声で言うと、扉を開けて、廊下に出る。


「ふーん…思春期なのに、襲ってはくれないんだ…ざこだなぁ〜」





僕は朝ごはんを調理し、目玉焼き二つを2枚のパンに乗せると、皿に盛って中央の白い大きな丸机に置く。


と、ここで制服姿のコノハが中央の部屋の扉から出てきた。

「おはよ〜!お兄ちゃん!」


「僕たち…ど、同級生でしょ!!!!」


「ふふふ…そうだったね〜!!!!リュウ、でも本当は嬉しい?」


はははははは…!?!?

「はぁ!?!?!?な、な、な訳ないでしょ!!!!!馬鹿言ってると遅刻しちゃうよ!!!!」


「はいはい〜ふふ…そうだね〜リュウめっちゃ顔赤いよ?」


「え!?」

僕は、遠くの方にある鏡を見る。

写っていたのは顔をリンゴのように赤く染まらせた僕の姿。


「やっぱり意識してたんだぁ〜?」


ニヤニヤと笑うコノハ。

「っつううう!!!!!!!!」


「ご馳走さま!!!行ってきまーす!!!」

そう言うと、コノハは後味しかない僕を置いて、メタルガールズ支部の真上にある学校の教室に向かった。


メタルガールズ支部は学校の下に存在する。

だからゆっくりと寝れるという点でメタルガールズの当番は意外と人気だ。


まあ、女子達は他の目的があるって言ってる人もいるんだけどね。


他の目的ってなんだろう…?


まあ、そんなことはいいんだ!


「はぁ…全く…みんなが帰ってくるまで何しようかな…まずはスーツの洗濯か…」


僕は、二人分の食器を片付けて洗面台にて皿を洗った。


高校1年生…と言っても普段から学校に行かない僕は、メタルガールズの基本的な装備の点検などを務めている。


そのため基本的な1日の業務はこんな感じ。

9時から10時、神経接続パワードスーツの全員分の洗濯。


9時から10時、洗濯の間に弾丸などの確認。身につける装甲の強度確認。


10時から12時、エネルギー変換器であるマスターコアの点検。


12時から1時、昼休憩


1時から2時、装備点検、異常があれば業者に武器の注文


2時から3時、みんなが帰ってくる前に掃除をする。みんなが帰ってきて出撃する時があれば、サポートに回るため戦場へ。


3時から5時、みんなと戯れあったり、メタルガールズの現状報告書のレポート作成。


6時から7時、夕飯の支度。


7時から8時、お風呂に入り、着用した服を洗濯。


8時から10時、テレビを見る。大スクリーンで見るテレビは最高!


10時、就寝。


とこんな感じである。


もしかしたらつまんないなぁ〜って感じる人も居るだろうけど、僕は案外これでも楽しいんだ!


と、いうわけで、まずは洗濯から!


僕は廊下に出て、更衣室へと向かう。

更衣室のロッカーには基本的にみんなの着た神経接続パワードスーツが入っているからそれを回収して洗濯機にぶち込む!


このパワードスーツは、きている間、筋力を倍増させる効果と胸の緑色の宝石、マスターコアから色々なところにエネルギーを循環させる効果を与えるんだ!


僕は、一人一人のパワードスーツからそのマスターコアを取り出し、回収すると、ロッカーの中にマスターコアを置く。


マスターコアとは神の頭部に埋まっている宝石で、これが人間の精神エネルギーを糧として大量のエネルギーを生み出すんだ!


これこそメタルガールズの核のようなもの!


「って、あれ?」


すると、藍のロッカーの中に一枚の紙があった。


「なんだろう…」


僕はそれを読んでみる。


リュウちゃんへ。

ウチらのスーツをいつも洗濯してくれてありがと!

お菓子あげるね!


お菓子…?

僕は、ロッカーの奥の方に目を向けると、そこにはクッキーのような物が紙袋の中に入っていた。


「お、おいしそー!!!!」

僕は、そのクッキーを手に取り、「後で食べとこ。」とつぶやいて、更衣室を出た。


パワードスーツを洗濯機に入れ、そして洗濯機を回す。

その間に僕は装備の強度を確認しないとだね!!


僕は地下2階に向かい、みんなの装備の置いてある格納庫へと向かった。


6畳ほどの作業場が8部屋収まった格納庫。

まあ、実際に出撃するときは地下3階から出撃するんだけど。


僕は第4プラントに格納されている、コノハの装備。

緑色にペイントされたコノハの装甲。


見てみると、肩のアーマーや、胸、腰部部分の装甲が少しだけ傷ついている。

僕は、ボルトを緩めてその装甲を外した。


「装備は…また後ででいっか!」






「ま、また今日も来てしまった…」

ピンク色の髪を揺らし、そして、メガネの向こうに広がる景色。

同級生らがワイワイと騒いでいる。


私には友達も居ないから、入るのが少し気まずい…


やっぱり来なければよかったな…


「こんなところでお主は何をしとるのじゃ?」


「ひぇ!?!?」


私は、ビクン!と肩を揺らして、後ろを振り返る。

って誰も居ない…?


「下じゃよ。」


「え…え?」

下を少しみると、そこには昨日メタルガールズに居た白い銀髪の身長の小さい人が居た。


胸だけは大きく、なんなら私以上だ…


「確か…凛音?とかいっとったのう。もしかしてじゃが、其方もここの教室なのじゃ?」


「え…ええ…そうです…」


か、顔が見れない…

結局私は…


「ほれ、さっさと行くぞ。授業に遅れてしまう。」

そういうと、白銀の神の少女、良子さんは私の手を引っ張った。


「え!?」


私が、何かを言う隙も見せず、良子さんはまるで既に知っていたかのように私の席へと案内した。


「其方の席じゃ。妾はもう自分の席へと戻るが、決して暴れるなど、せんようにな。」


なぜかお姉ちゃんみたいだったな…


でも、なんだろう…この、込み上げてくるものは…

「それじゃあ、授業を始めたいと思います!」


だめだ…授業中に泣いたら…絶対変な奴に思われる…

でも…でも!!!!


「うあぁ…」

顔を伏せて、涙を流す…

誰にも気付かれないようにして…


高校で初めての授業は、そうやって幕を閉じた。







「暇だなー」


案外、諸々の作業がすぐに終わった僕。


装備の点検、確認。

うーん…全部やった…


と、その時、

ヴー!!ヴー!!ヴー!!ヴー!!


「5m級!?」

僕は、寝転んでいたソファから起き上がる。


「うーん…どうしよう…と、とりあえず今日の当番であるコノハに連絡しないと!!!!」





一方、授業中のコノハは…


「ということで、物体の運動は、物体の位置の変化と、時間との関係で、書き表すことができ…」


あー…暇だなぁ…


今頃リュウくんは何してんだろ…


私のベットに仕込んで置いたクラッカー発動するかなぁ…


と、僕が窓の外を見ながらそんなことを考えていると、突然

ヴー!ヴー!


薬指にはめていた指輪が紫色に染まる。


これは、メタルガールズ特有のメッセージで、紫色だと…5m級?

の神の出現に当てはまる。


やった…!


私はいきなり立ち上がり、手を挙げた。

「せんせー、なんか神が出現したんで僕行ってきますね!」


「え!?か、神!?そ、それは…」

「大丈夫!5m級なんで!そんじゃ!!!」


僕は、それからゆっくりとメタルガールズ本部へと向かった。


「あ!来たねコノハ!!」


「へへ…それで?どこに神は居るの?」


「えっとね!!!32の58!!公園の真ん中に現れるって!!!!」

現れるというのは、神は次元の向こうからやってくる存在なので、次元の歪みが発生した所が神の出現ポイントだ。


ちなみにその次元の歪みを直すことのできる装置は設計図すら出来上がっていないらしい。


「さてと〜行きますか〜!!」

私はセラよりもゆっくりと歩きながら移動する。


「ううううううう…!!!!お、遅いよ!!!!!」


すると、リュウくんは僕のことをお姫様抱っこして更衣室まで運び、目を瞑ったまま、僕の服を脱がしてパワードスーツを着用させ、そして、階段を降りて地下室に移動。第4プラントにある僕の中距離型パワードスーツ、アトロポスを装着させる。


「行ってらっしゃい!!!!」


「帰ってきたらご褒美ね!!!」


「ああああああ!!!!仕方ないなぁ!!!!」


やった…!


僕は、第4プラントごと、地下3階に落下する。


3階は第二格納庫で、僕たちメタルガールズはここから出撃する。

手足のロックが解除され、鉄で出来た二の腕のアーマーが自由に動くようになった。


そして地下3階の天井が開き、地下室の格納庫に青空の光が差し込む。


「感度良好〜気持ちよくなっちゃいそ〜!」


『え!?な、何言ってるの!?!?!?』

リュウくんの声が、耳に装着した通信&撃発音制限装置から聞こえてくる。


「冗談だよ〜!リュウくんは変態さんだね〜!」


『も、もう!!!!いい加減にしてよ!!!!』

「はいは〜い!」

僕は慌てるリュウくんの声に笑みを隠せられず、一度、深呼吸をする。


「ふぅ〜。ナンバー04!柊木小葉!出撃します!!!!!」


言った途端に、パワードスーツにエネルギーを垂れ流し、背中にある大型エネルギー収束ブースターが緑色の光を吹き上げる。


「ロック解除!!!!」


そして、ついに、足裏と床の接続部分が離れ、一気に背中のブースターに押されて、空へと飛び出す。


一瞬で格納庫から飛び出し、空中を舞う。


僕は緑色のディスプレイゴーグルを下げる。

ディプレイゴーグルは、照準や、相手の居場所などのわかる、要はゴーグルの形をしたスマホ…?というところなのかな?


「リュウくん!目的地はどこ?」


『今送ったよ!!討伐対象はポリュフェモス!ちょっとした巨人だね!』


「巨人?それって前に僕たちも倒したよね?あの、夜の奴。」


『巨人っていうか、キュクロプスっていう巨人なんだけど、いっぱい数がいるからね。この前倒したのは、キュクロプスの中のステロペース!』


「ふーん。で?32の58ってどこ?」


『絶対にわかってないじゃん…今、情報出すから…』


すると、ディスプレイゴーグルの端に地図が映る。

そして、僕が居る場所を緑色の点で現し、対象のいる場所を赤い矢印で表す。


『矢印の方向に行けばいいんだよ!』


「はいはーい。」


僕は呟くと、少しだけ体を回転させて方向を変える。


すると、

ドーン!!!!!!

と、轟音が空にまで舞い上がってきた。


何かがある。

絶対に何かがあると確信した僕は、一気にスピードを上げて急接近する。


「あ、あれは…」


それまたこの前に見たような人型の巨人がいた。

しかし、巨人は暴れてはいなかった。


いや、正確には暴れていた。

でも、その巨人は、床に倒れ、まるで赤ん坊のように手足をジタバタさせているだけで、なんとも言えない神だ。


『見つけた?って…何この神…』


僕はゴーグルを上げて、目を擦る。

うん。別にこういう神もいるのか…


「障害ではあるから、殺すけど…いいよね?」


『ちょ、ちょっと待って!!!』

と、リュウくんはここぞとばかりに口を出す。


「な、何?」


『神がなんでどこから現れるのかに関しては謎が多い…』


「も、もしかして生捕にするの!?こんな奴を!?」


『えっと…コノハ…できる?』


「はぁ…わかった…じゃあ、ご褒美増やしてね!」


『ゑ』


「わかった殺す」

僕は、エネルギーを両肩に集中させ、小型30mmエネルギー収束砲にパワー溜める。この距離で、この二つのエネルギー砲なら、5m級はワンパンでだ。


『わ、わ、わかりました!!!!!わかりましたから!!!!!ご褒美増やしますから!!!!』


「お兄ちゃん意外と押しに弱いね〜!」


『お、お前にお兄ちゃんって呼ばれる筋合いはない!!!』


「はっきり言えるんだぁ〜えらいね〜」


『う、うるさい!!!それよりも早く帰ってきて!』


「この子を運べたらね〜」


さてと…どうやってこの子を持ち帰ればいいのやら…


とりあえず接近するか…

僕はエネルギーの出力量を少しずつ弱くし、ホバリング状態から、巨人の所為で揺れる地面に着地する。


「ねえ、ちょっと君良いかな?」


]*@「?


脳みそに直接くる感じ…気持ち悪…


「あのさ!ここで暴れられるの、正直ちょっと困るんだよね!気持ち悪いからさ…一旦静かにしてくれない?」


〜」@*…


「え?なんて言った?」


〜」@*!

〜」@*!

〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!!!!


すると、顔を真っ赤にしながら、僕にその巨人は責め寄ってきた。

「っつ!!!!!」


僕は、両肩のエネルギー砲を最大限に溜める。

すると、その神は、怯えついたように、その場で足を止めた。


開かれた一眼。

君が悪い。


「とりあえず、じっとしててくれるかな?じゃないと殺すから。」


;%!;%!


巨人は両手を前に掲げて抵抗するポーズを取った。


それじゃあ、あとは寝てもらおうか…

僕は、巨人の首あたりに特殊弾を撃った。


すると、巨人の一眼はゆっくりと落ちる。







そして、唐突に巨人は目が覚めた。


^「*。*?


鉄のカゴの中にいた巨人。

鉄のカゴの外にも白い壁が広がっており、地面には小さい段差が9刻まれている。


巨人は、カゴの外に出たいと思い、とりあえず、縦に設置されたそのカゴの棒と棒の間をすり抜けようとする。


しかし、案外スペースが狭く、腕一本ほどしか通らない。


どうすれば良いか悩んだ果てに、その棒の隙間を通り抜けれるくらいにまで自身を小さくした。


そして、カゴのすぐ側に階段があった。

階段は、上へと続いているらしく、巨人は、小さくなった自分の体を、再び大きくし、大体1mほどまで身長を伸ばした。


そして、階段を登る。そしてその先に道があったので、その道をたどり、またもや階段を登り続けた。


「んぁ…もっと…しよ…」


そして、途中まで行ったところで、巨人の耳にある声が聞こえた。

それは先ほどの少女のとろける様な甘い声。


かすかにだが、先ほどの少女の匂いも風に乗って流れてくるのを感じた。


〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!〜」@*!


巨人は、一気に階段を駆け上がり、そして、その少女の匂いのする方向へと辿った。


「リュウくん…ざっこぉ♡また私に発情してんの…♡」

「う、うるせぇ……こ、これはお前が攻めすぎなんだよ…」


そして、廊下の様な場所に出ると、その少女のとろける様な声がした。


「あ、ちょっと待ってて、今あれ持ってくる…」


そういう風な声が聞こえると、しばらく経ってから、廊下に少女が出てきた。


「は?なんでアンタがここにいるの?」


巨人は、顔を赤くする。

「え?どうしたんだ?」


すると、次に男が現れた。


「キュクロプス!?な、なんでこんなところに!?」

「りゅ、リュウくん!!!!!」


すると、少女は、その男と手を繋いだ。


「僕…こ、怖い…!!!!」

何故かその少女の頬も赤らめている。


巨人は一瞬で悟った。


「これは僕の責任だ…僕が殺すからコノハは僕の後ろに。」


「うん…!!!」


%」〜〜…


「ん…?」


%」〜〜!!!%」〜〜!!!!!!!%」〜〜!!!!!!!!


すると巨人は自分の姿を大きくし、手のひらを男に向けて襲いかかる。

しかし。


バァン!!!!!!


男は、片手に金属でできたものを持っており、巨人の手のひらを無きものにし、一眼をも無きものへとさせた。


そして巨人は目と手のひらがぽっかりと穴の空いたまま、その場に倒れる。


そして、涙のように、巨人のぽっかりと空いた一眼から血が溢れ出した。






「なんじゃ今の音は…?」

そこへ帰ったばかりのリョウコさんが駆けつける。


「な、なんじゃ此奴は…!!!」


「リュウくんが連れてこいって言った神の一種。ま、今死んじゃったんだけどね〜」


「え…えっと…よろしくお願いします…」

と、リョウコさんの後に凛音ちゃんが後追いで階段から降りてきた。


「これ…なんですか…?って!!!!!なんで龍渓さんは全裸なんですか!?!?!?」


と、凛音ちゃんは、階段の方を向く…


「あ…こ、これはちょっとした事象があってですね…」


「まあ、メタルガールズでは日常茶飯事じゃ。気にするでない。」


「き、気になりますよぉ…!!!!」


「あ…あははは…」


と、僕が苦笑いを浮かべた後、巨人のぽっかり空いた頭部から宝石の様なものが現れた。


「こ、これって…マスターコア?」


「はて?しかしながらこのマスターコア。少し他のと色合いが違う様じゃが?」


すると、その浮いたマスターコアは、キュクロプスの死体を一度、黄金の粉の様なものに変換させた。


「え!?な、何これ!?」


吹き上がった血すらも黄金の粉に変わると、その黄金の粉はブラックホールに吸い込まれる様にマスターコアに吸引されていった。


「き、消えた…!!!」


そしてマスターコアは天井を通り抜け、どこかへと消えてしまう。


「い、今のは一体…」


ウィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!


そして鳴り響く警報。


鼓膜に深く響くほどの音。

この嫌な感じは滅多に味わうことがない。


「こ、この警報って…!!!!!!」


「30m級以上…ということじゃのう…」


「そ、それってどういうことですか…良子さん…」

凛音ちゃんが良子さんに聞くと良子さんは、真剣な顔つきで、

「少なくとも40mはあるということじゃ。」


「す、少なくとも40m以上!?!?」


「もしかしてさっきのキュクロプス…!!!!」


「みなさんお集まりですの!?」

「40m級だよ!!!ヤバいよやばいよ!!!!どうするの!?!?」

「早く出撃しないと!!!!」

と、ここで他の現在いなかったメンバー。


エリカ、セラ、ランが帰ってくる。


「と、とりあえずみんな戦闘体制に!!!!」


「「「「「了解!!!!」」」」」


「わ、私はどうすれば…!!!!」

すると凛音ちゃんが、手をモジモジとさせながら僕に聞いてきた。


「凛音ちゃんは、僕的にはあんまり出さない方が良いと思うんだけど…凛音ちゃんはどうしたいの?」


「わ、私は…」


凛音ちゃんは、斜め下を向いた。

そして、しばらくして僕の目を見た。


「私は…みんなと一緒に戦いたいです…!!!い、いつまでも新人扱いされるのは…も、申し訳ないし!!!!」


僕は、少し微笑み、そして、一つの鍵を渡した。


「それじゃあこれ!更衣室にある凛音っていうロッカーの鍵ね!凛音ちゃん用の神経接続パワードスーツと、第7プラントのパスコードがあるから!それじゃ!僕はオペレーター室に行くね!!今回は生で見守ってあげれないけど…頑張って!!!オペレーター室から応援するから!!!」


凛音ちゃんは、顔を明るくして「あ、ありがとうございます!!!」と答えた。


そして僕は廊下の奥にあるいつもはみんなの部屋であるリビングへと向かった。


「さてと…お仕事だよ!ケイ!」


『ナンバー01。龍渓一蘭門様。確認しました。対象は40m級、巨人キュクロプス、ポリュフェモスです。』









私はピンク色の髪色と同じ色のパワードスーツを着ると、ロッカーの中に置いてあったカードを取る。


ラインの浮き彫りになったパワードスーツは少し恥ずかしいが、それでも、これは自分のため。それと守りたいもののために着用しなければならないんだ。


「行かないと…!!!!」

私は更衣室を飛び出し、階段を降りる。


階段を降りた先はリビングへと続く廊下の様に、奥に扉があった。

私は扉まで走り、扉を開く。


そこには、たれ壁がいくつかと、左側に二つ、たれ壁になっていない箱の様な小さなカラオケよりは小さく公衆電話よりは大きい個室の様な場所があった。


私はその個室の様な場所の二つのうち、地面に07と書かれている方を選び、カードを、その07と書かれた部屋の前の黒いディスプレイに当てる。


すると、個室の壁はどんどんと、下に鎮まっていき、壁の中からプレゼントを開けるように、アーマーの様なものが出てきた。


アーマーの様なものは、一つ一つが別々に分離していて、特に全て一つにくっつくというよりは、少しだけパワードスーツの部分も見えるという感じだ。


「そ、装着準備!!」

私がそういうと、胸アーマーと、腰部アーマー、両前腕アーマー、両足アーマーがそれぞれ二つに開く。


そして、私は両前足アーマ〜に乗り込み、背中を胸アーマーに合わせる。


「しゅ、出撃準備!!!」


私がそういうと、アーマーたちは、二つに割れた状態から、一つにくっつき、アーマーとして機能するようになり、今度は、細かな部分である。


確かエネルギー収束ブースターなどが取り付けられていく。

そして、最後に。

耳に銃声やブースターの音などを減らし、オペレーターとの通信を可能にする耳当てと、頭のアーマーを装着した。


そして、全ての装着が完了するころには、地下3階の格納庫へと着く。

格納庫の天井は徐々に開き、その青く、大きな空を映した。


「えっと…ナンバー07!!!梓沢凛音!!!出撃します!!!!」


私は背中にエネルギーを流し、そして、足のロックが解除されるとどう|に、空に打ち上げられた。


しかし、空に打ち上げられても、すぐ学校の近くに巨人はのしのしと歩いており、探さなくても、目標は見つかった。


「え…えっと…」


私は前腕にパワーを巡らせて、前腕からエネルギーのブレードを走らせる。


『凛音ちゃん!!!』


そして、手を伸ばし、私を蝶の様に捕まえようとする大きな巨人。

私は手首をエネルギー収束ブレードで二つに割った。


「ほう。なかなかやるのぉ。」

そして、私の影から飛び出してきたのは、小さい体ながら精密かつ、目にも止まらぬ速さで、巨人の伸びた腕を走り、エネルギーの走った刀を構えて、背中からいくつものエネルギーを放出しながら刀で巨人の腕を切り落とす良子さんの姿。


「りょ、良子さん!!!!!」


次に巨人の皮膚にワイヤーが刺さり、そのワイヤーに引っ張られて、巨人へとたどり着き、両手に持ったメイスをぶつけるランさんの姿。

両手に持ったメイスは、青く光り輝いており、電撃を発しながら、巨人の背中に叩き込まれ、巨人は背中を押されたように地面に倒れた。

「やっほー!凛音ちゃん!」


「ランさん!!!」


「ヒィコ!!!今だよ!!!!!」


『了解!!!!!』


そして、太陽と重なり、腰部から生えた白い翼と、大型エネルギー収束ブースターによる細かな動きをしたコノハさんが、肩に装備された2本の長さ40センチほどの大砲からエネルギーを放ち、巨人の皮膚を焦がした。


そして巨人の皮膚は焼ける様に爆発し、背中から大量の血が流れ出る。


「こ、コノハさん!!!」


「よそ見してら死んじゃうよ〜!!」


「え?」

すると、いつの間にか起き上がっていた巨人の単眼に睨まれ、ホバリングしてその場に止まっていた私を、腕を切られてない方の右腕を使って伸ばす。


「ひゃっっ!!!!!!!!!!!」


バアアアン!!!!!!!


しかし、私にその腕が伸びるよりも早く、何かが巨人に着弾した。


『危なかったわね。凛音さん。』


その高らかで、上品な声の主…

それは…


「エリナさん!?」


遠くのビルに大きな大砲を背負った機体が見え、多分、レーザーの様なものが、そこから飛んできた。


巨人の腹部に突き刺さったそのレーザーは、お腹に穴を開け、もはや人間であれば即死レベルの怪我を負っていた。


『みんな!!!このキュクロプスの損傷率は79%!!!もう少しだよ!!!!!』


「すごい生命力だね〜!!!」

そう言いながらセラさんは私たちから少し離れた場所に立っていた。


「凛音ちゃん。少し危ないよ。」


私は、すぐに、背中からエネルギーを放出し、横に回避。

と、次の瞬間、弾丸の波が巨人を襲う。


それはセラさんの放った、ガトリングガンの攻撃だった。

もはや原型を止めるのがやっとだというその巨人は、文字通りの血の涙を流す。


そして単眼を動かして、右手に力を入れ、巨人は飛び回っているコノハさんを凄い速さで捕まえた。


「「「うわぁぁぁぁ!!!!!!」」」

そして、その影響で周りに風圧が生じ、私たちは一斉に吹っ飛ばされてしまう。





『だ、大丈夫みんな!?そ、それにコノハも。』


「ぼ、僕は大丈夫…今この巨人と横になって睨み合いしてる…」

僕は今、手のひらの中に捕まってる。


なぜかは知らない。

でも、こいつが最後の力で僕を捕まえたからこいつに力がないのはわかりきってる。


「あんた…なんで僕だけを狙ったの?」


巨人は単眼をこちらに向けたまま、少し息を荒くする。

戦い際だからか知らないけど、でも少しだけ顔全体がほんのりと赤みを帯びている。


それでよくわかった。


「キモ…私に発情してんじゃん…」


僕は軽蔑の目を向ける。


」 〜;&* ];£…


「何言ってんの?キモ。」


僕はニヤリと笑って言った。

そして通信システムを一度オフにする。


「私に発情していいのはリュウくんだけだからね」

言うと同時に小型30mmエネルギー収束砲を目の前の怪物に向かって放った。


エネルギー収束砲は怪物の単眼を貫き、そして、派手に血を撒き散らす。

まるでりんごが果汁を撒き散らして砕け散るように、その頭は潰れた。


道路に真っ赤な赤が広がる。


手の僕を捕まえる力が完全に抜け僕は地面に着地する。


そして真っ赤な頭に上り、頭の中に埋まっていた緑色のマスターコアを握りしめ、そして脳細胞から引きちぎる。


僕は通信システムをONにする。

「ま『コノハっ!?!?!?!?!?!』スター…」


『こ、コノハ無事だったんだね!?!?!?』


「ったく…うん。僕は無事だったよ。」


『はぁ…よかったぁ…ほんと…死んじゃったらどうしようかと思ったよぉ…』


「それよりも、マスターコア、とったよ。またご褒美追加ね!」


『ゑ…』


「あ!居た居た!!!よ、よかったぁ…ヒィコ生きてて…」


「ラン…」

ランは走ってきたのか、少しだけ息を切らしている。


「みんなー!!!ヒィコいたよー!!!!!」









メタルガールズの私のベットの上。


時計の針が6時を向いている。


とき、そのベットの上には二人の女の子と男の子が座っていた。


「はぁ…ご褒美やってるとほんと長くなるねー僕たちが始めたのって大大4時くらいだよね…?」


「え…?うん…多分…」

なんでか、少し頬が熱い…


「そういえば、最初にベットにきたらなんかクラッカーみたいな音がしたけど、あれなんだっ_」


「あのさ!!!!!僕…」


いきなり声を出したせいか、少しだけリュウくんは驚いている。

しかも、少し可愛い顔をしながら。


「どう…したの…?」


「あ…僕ってウザイ奴…とかじゃないの…?いっつも惑わしてイタズラばっかりしてさ…」


「え?急に…?僕は、全然大丈夫だけど…?それに悪戯とかってある程度の距離が近くない人しかできないでしょ?これが僕たちの絆てことでこういう悪戯も僕は嬉しかったりするよ?」


なんで…リュウくんはいっつもこう…真っ直ぐと…

「はぁ…」

僕はため息を吐く…


そして、服を先ほど着たばかりのリュウくんを僕は「えい!」っと言いながら押し倒した。


「え…?待って…もう終わりだよね…?」


無言で私はリュウくんの大きな体にしがいついた。


「いい匂いがする…私を落ち着かせてくれる匂い…」


「え…?急にどうしたの…?」


「私疲れた…2回も戦った…」

私はリュウくんの胸に顔を埋め込む。


「えっと…つまり?」


「今日はメスでいさせて…」

今回、元となった神話はギリシャ神話のキュクロプスという怪物のお話です。

オディロン・ルドン作のキュクロプスの絵画から影響を受けてこの話を作ってみました。

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