表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/145

123話 ラブピースとの決着 その5


「フェアリーブースト? なんでこんなところに……」



 リッカは戦いに集中していた為、彼らの接近に気付いていなかった。それはカイエルとアンバートの二人も同じだ。


「おいおい、以前に逃げたフェアリーブーストじゃないか! ネオトレジャーの二人を生贄にして逃げられたというのに……また戻って来るとはな!」


「アンバートの言う通りだ。わざわざ、死にに来るとはな」


「えっ、意味が分からないんだけど……」



 リッカは意味が分かっていない。確かにナーベルとミーティアは彼らを助けたという事実はあるが、生贄にしたというのは間違いだ。その辺りは敵の発言なので、リッカも本気にはしていない。


「俺達ではとても戦える相手ではないが……煙幕を張れるからな。少しは役に立てるかと思う」


「あっそ、なら、相手に気付かれる前にさっさとしてくれない?」


「お前……俺達が助けてやろうってのに……!」


 ヘルグへの言葉遣いで悟は怒っているようだった。しかし、現状はそんなことを言っている状況ではない。


「早くして!」


 悟の憎まれ口は普段であれば冷静に対処するところだが、今は反論などしている状況ではない。一歩間違えれば、フェアリーブーストの面子が死ぬかもしれないのだ。リッカはその辺りも懸念していた。彼らのレベルはカイエルとアンバートにはるかに及ばないのだから。リッカであれば闘気によるガードで防げたとしても、彼ははとても無理だ。


「行くぞ!」


「ぬっ!?」


「しまった……この状況は……! マズイ……!」



 フェアリーブーストが現れたことによる一瞬の隙と言えるだろうか。ヘルグが出した煙幕は二人を慌てさせた。単独では勝ち目のないリッカがいるからの反応と言えるだろう。フェアリーブーストだけならば、こんな煙幕などどうと言うことはないはずだからだ。



「今がチャンス!」


 リッカは戸惑ったカイエルとアンバートの反応を見逃さなかった。まずは一人に集中するとばかりに、アンバートを集中攻撃する。


「ぬう……! マズイ……!」


「てやあああああ!」


「がはっ!」


 リッカの髪の刃による一撃はアンバートの腹を貫通した。致命傷というほどではないが、重傷を与えたのは間違いない。アンバートはその場に倒れ伏し、その後、動かなくなった。


「アンバート! 大丈夫か!?」


「自分の心配をした方がいいんじゃない?」


「く、くそう……!」


 1対1ならば負ける相手ではない……その事実をこの煙幕の間で感じ取り、リッカは一人の攻撃に集中することにしたのだ。それは見事に成功し、残りはカイエルのみとなった。アンバートは死んだわけではないが、最早、戦うことは出来ないはずだ。


「助かったわ。とりあえず、すぐにこの場から離れてくれる? 人質とかになったら困るし」


「はあ? なに言ってんだよ、残りは一人だろ?」



 リッカの言葉に反論したのは周りが見えていない悟だった。リッカは軽く溜息を吐く。


「あんたらを守りながら戦うのが難しいのよ! 言う通りにして!」


「おい、悟。離れるぞ」


「わ、わかりました……くそっ」



 悟はヘルグに促され、不満気にしながらもその場から離れた。



「はあ、やっと行ってくれたわ。でさ、あんた……覚悟は出来ているわよね?」


「貴様……アンバートをよくも! 許さん!」


「こっちのセリフよ、この悪党!」



 リッカは本気でキレている。自分の仲間が危険に晒されたのだから当然だ。アンバートへの攻撃も本来なら殺しても問題なかった。偶然、致命傷を逃れたに過ぎない。そして、二人の攻防はしばらく続き、カイエルの敗北に終わった。


「がふ……こんな……!」



 カイエルも致命傷ではないが、重傷でその場に倒れ伏した。アンバートと違い意識はあるようだが、もうどうしようもないだろう。リッカは勝ちを確信する。他の雑魚達は洞窟内に逃げて行ったが、今は無視することになった。


「……」


 それは何故か……同じ洞窟内から強力な闘気が流れ込んで来たからだ。そして現れたのは……アインザーだった。


「まさか、アンバートとカイエルがやられるとは。娘、君は警戒に値するね」


「うっ!?」



 アインザーより繰り出されるは、リッカと同系統の髪の刃。しかし、その速度は予想以上に速く……リッカはとても避けることが出来なかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ