122話 ラブピースとの決着 その4
「で、あんたらは誘拐犯なのね? 間違いないわよね?」
「おい、アンバート……この娘は」
「ああ、非常に可愛いね。惚れてしまいそうだ」
「そういうことじゃねぇだろ」
「まあ、そうなんだが……ネオトレジャーの最後の一人でエース格のリッカ・マクマホンだな」
既にリッカの名前はバレていた。ネオトレジャーの最後のメンバーだということも知られているわけだ。それだけに、ミーティアとナーベルの二人が捕まっている可能性も増しているということだ。
「ミーティアやナーベルは生きているの? 殺したりしていたら、全滅させるけど」
「ふふ、なかなか面白い発言だね。まあ、今のところは無事だよ。彼女達を殺すのはラブピースとしてもマイナスになるからね」
ラブピースがミーティアやナーベルをどういうところに売るのか、リッカは容易に想像がついた。下衆め……同時に出て来た感想だ。
「許さないわ……どこかに売ったりするなんて。私が来た以上は好きに出来ると思わないことね!」
「なかなか好戦的なお嬢さんだ。確か年齢は17歳だったかな? 君も誘拐すればラブピースとしてはかなりの儲けになるだろうね」
「下衆め……!」
リッカは歯を食いしばらせた。アンバートとカイエルの二人を許せない気持ちはさらに増したと言えるだろう。人間を殺すというのに多少の疑問が出ているリッカではあるが、二人の実力を考えた場合に、決して手加減出来ないことは分かっていた。
「中に入った奴は確かアインザーよね? 賞金首の……」
「おや、流石にバレているか。そういうことになるな」
「なら、あんた達も殺して問題なさそうね! 死ね!」
「過激なお嬢さんだ。見た目通り勝気な性格みたいだね」
リッカの髪の刃はまず、アンバートに向かって行った。彼はそのスピードに驚きながらも骨を外し、軟体運動で避ける。
「平気か、アンバート?」
「問題はない、カイエル。かなりの速度だが、アインザー様と同じ攻撃だ。あの人の速度に慣れていれば、躱すのはそこまで難しくないさ!」
「くっ、なんて奴……」
「ほら、隙を見せている余裕はないはずだぜ!」
「うっ!」
カイエルの軟体運動からの刃攻撃がリッカを襲った。彼女は何とか防御態勢に形を変えた髪でガードする。その後も何度か攻防を繰り返したが、互角の撃ち合いになった。2対1という状況から、ややリッカが不利な状況だが……。
「くっ! やはり簡単にはいかないわね……」
「リッカ・マクマホンか。どうやら、ネオトレジャー最強の戦力であることは間違いないようだ。俺達と言えども1対1では勝つのは難しい」
「アンバートの言う通りだ。では、確実に倒すために二人で行こうか」
「出来るだけ殺すなよ、カイエル。極上の商品になりそうだからな」
「確かに。巷の変態どもの間で相当な値が付きそうだしな」
二人の会話に辟易しているリッカだった。彼女はアーカーシャ内でも相当な美人として評判だ。売ればかなりの額で売れることは間違いがなかった。その話を二人はしているのだ。
「マズいわね……絶対に負けたくないけど、このままじゃ……」
リッカは負ける気など微塵もない。しかし、単純にレベル差を考えた場合、現状では勝つのは難しかった。レベル80程度のリッカとレベル70程度のカイエルとアンバートでの戦いだ。後者に軍配が上がる可能性はどうしても高かった。
遠くで観察しているタナトスレーグは動く気配がない。彼に頼ることは出来なかった。と、そんな時……。
「リッカ・マクマホンともあろう奴が随分と手こずっているな」
「なんだよ。以前は俺に偉そうにしてたくせに」
「なっ、あんたらは……」
リッカの前に現れたのはヘルグや悟たち「フェアリーブースト」のメンバーだった。




