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妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります  作者: すみ 小桜
策士の完璧なプランニング

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第37話

 どうしたらいいんだろう。

 サツナが火を放ってはいないけど、遠くから見ていた。そして僕と一緒に逃げたんだ。このままだと僕達は捕まる!


 「少し二人で話そうか」

 「え?」


 フロラドルさんが言った。なぜ僕と二人っきりで?

 商業協会の人がドアを開けると、兵士が来てお兄ちゃんを連れて行く。


 「待って! ツエルさんをどうする気?」

 「悪いが、ツエルが山火事で死んでいないと確証を得ない限り、彼の言葉は偽証と言う事になる。君達と同じくその間は牢にいてもらう」


 そんな……。でもツエルさんだと言う事になっても牢行きなんだろうな……。

 八方ふさがりだ。


 「君の資料に目を通させてもらった。君は随分と成長したようだな。施設を出る時の資料を見る限り別人だ」

 「え!?」


 別人ってそんなに変わってないよね?

 確かにアーズラッドにには、強くなったとは言われたけど。


 「資料には、利他的で大人しく、命令で動くタイプと分析されているが、今は逆にリーダーシップを取っているようだな」


 う。よく分析しているよ。あっていると思う。他の人から見たら僕が考えて動いている様に見えるだろうけど、実際はラスに言われて動いている……。


 「君は、ミミミラス保存袋やリアカー改造など物作りが得な様だな」

 「え? あ、はい。得意と言うか好きですけど」

 「だがこの二つ、あきらかに違う物だ」

 「え……違う物?」

 『………』

 「作ったのは君かも知れないが、加護を与えた者は違うのではないか? 袋の方は製作者は君になっている。効力もほどほどだ。しかしリアカーは、不思議な事に凄く軽く、板になっている蓋が開かないらしい。鑑定しても加護があるという結果はでていない。さっきの開けられない保存瓶に関しても同じだ」

 「………」


 この人、勘がいい。というか、観察眼があるって言う方が正しいのかな? どうしたらいいんだろう?

 僕は、チラッとラスを見た。


 『仕方ないわね。私が……』

 「やはりな。そこにいるのだろう? 妖精が」

 「え!?」

 「資料によれば、妖精が見えると言う訴えから魔導士の魔法により妖精との意思の疎通が行えるようになったと記載がある。そして、その時から妖精の加護がついたともな」


 知っていて、色々言っていたんだ……。


 『誘導されちゃったようね』

 「誘導?」

 『彼が言った事に対してどういう行動をとるか、発言がどうなのか揺さぶったりしていたって事よ』

 「そう。誘導したとも言えるな。君は、その妖精の指示に従って動いていた。そういう事だね?」


 そうだけど……。まさか、ラスが火をつけたと思っているんじゃないだろうね?


 「あの……もしかして、ラスに命令されて僕が火をつけたと思っているんですか?」

 「まあ、その可能性もあるとは思ってはいたが……今の君を見る限りそれはなさそうだ」

 「え……」

 「だが、山火事の原因は知っているのではないか? 彼を助けたのだろう?」

 「はい……」


 ここまでばれていては、誤魔化しても無駄だよね。


 「ごめんなさい。火を消さずに逃げ出しました……」

 「ちゃんと経緯を話してほしい」


 ジッと僕の目を見つめ、フロラドルさんが言った。

 その視線を外し僕は俯く。


 「僕が妖精の加護持ちだと知ったシャドウのマスターのカリルは、僕を殺すと言ったらしいです。でもツエルさんが、殺さないでと頼み込んでくれたみたいで、クラウンに引き込めば殺さないと約束してくれたようだったけど……実際は、僕事ツエルさんも始末するつもりだった。ツエルさんは抗うも奴隷リングがあり従わされ、僕を襲ってきました。奴隷リングに気づいた僕は、カリルの死角に入って奴隷リングを外し、ツエルさんを殺したように見せた。カリルさんはツエルが死んだと思ってくれた。そこへ二人の男が現れカリルさんを殺害後、火を放ったんです。火を消せば、一部始終見ていた事がばれると思い、そのまま逃げました……」

 「よく話してくれた」

 「え? 信じてくれるんですか?」

 「半々だがな。更に問いに答えてくれれば、自ずとわかる。なぜツエルをカリルが殺そうとしたとわかった? またはどうしてそう思ったのだ?」

 「そ、それは……」


 あの時、お兄ちゃんだと気づかなければ、それもまた気づいていない。


 「奴隷リングを着け従わせていたのなら意思があったとしても、逃げ出す事も誰かに助けを求める事も出来ないはずだ」

 「………」

 「さっき鑑定した彼は、能力はSランクなのだよ」


 うん? いきなり何?


 『もうすでに、答えを持っている様ね』


 え? どういう事?


 「その彼が、妖精の加護を見破れないという事は、それ以上の能力を持った妖精って事だろう。……私はある事件を追っている。だからこの領主になる事を決断した」


 え? なぜ突然そんな事を僕に言うの? 一体、何を聞きだしたいんだ。


 「召喚師の家族が殺された事件だ」

 「それって……」


 もしかして僕の家族の事?


 「彼は優秀だった。その彼が殺された。ただの盗賊にな……」


 え? ただの盗賊? 確かにそんな感じだった。


 「さて、召喚師も魔法使いの様な者だ。そんな召喚師を彼らが殺せると思うかね?」


 今ならわかる。ただの盗賊が、召喚師に勝てるわけがない!


 「勝てないですよね? じゃあの人達は、盗賊じゃないの?」

 「見たのか?」

 「え?」

 「書類には、君は寝ていて気付かれなかった様だと書かれていた。だから何も知らないと」


 え? あれ? 僕そう言ったっけ? 確か、男達が部屋に来たって話したような?


 『おかしいわね。あなたは、直接前の領主に男達が部屋に来たと話していたわ』

 「え? 領主に?」

 「なるほど。君は覚えてなくても妖精が覚えている様だな」


 あ、しまった……。


 『なんかやりづらい相手ね』

 「では、その妖精に聞いてほしい。君の兄はあの時、健在だったか。書類には、三人は殺害されていた事になっている」

 「え! 何で? お兄ちゃんはあの時、あの場所にはいなかった! なんで殺された事になってるの?」

 「やはりな」


 え? やはり?


 「どうやら前領主は、施設の者に仕事を回しその報酬を回収して私腹を肥やしていたらしい」


 うん。それは聞いた。


 「君は、不思議だと思った事がないか?」

 「何をですか?」

 「ランクが高い場所へ行ってもモンスターに出会わなかった事をだ」


 そう言われればそうだ。あの時は、そんな事よくわからないから考えも及ばなかったけど、今ならそれがおかしいのがわかる。ラスに教えてもらって移動していたわけじゃない。


 「じゃ、感知できる人がいたって事?」

 「いいや。他の冒険者にモンスターの討伐をさせた場所へ施設の子を向かわせていたらしい。つまりモンスターがいない場所で採取させていた」

 「そっか。それでモンスターに出会わなかったのか……」

 「しかし、採取した一部のお金を巻き上げた所で彼にしたら雀の涙だろう」

 「え? じゃなんでそんな事をしたの?」

 「そのお金はほぼ、冒険者協会の者達の懐に入ったようだ。ではなぜそれをしていたか。お金を渡せば、共犯者だからだ」


 言っている意味がわからない。確かに共犯者だけど、そこに領主のメリットがないんだけど?


 「前領主は、やはりその盗賊達に加担していたんだろう」

 「え!? 仲間?」

 「実際は、その者達のバックにいる者とだろうが。それは、誰も口を割らないらしい」

 『いい? 何を頼まれても断るのよ!』


 え? それって、ラスにはフロラドルさんの意図がわかったって事?


 「君は、奴隷リングで操られている彼の本当の正体を知ったから助けたのではないか? 普通は命を掛けて他人をそこまでして助けはしない。しかも相手は、君を殺そうとしてきた相手だ」


 それって、お兄ちゃんだとわかったから助けたのではないかって聞いているって事?


 『やっぱりね。気づいているみたいね。あなたから確証を得たいのよ』


 なんの確証を得たいの?

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