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妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります  作者: すみ 小桜
僕は嘘をつき通す

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第35話

 何となくしーんと静まり返ってしまった。

 助け出したけど、問題は山積み。

 お金はあるから暮らしてはいけるけど、僕と一緒だとお兄ちゃんが生きているのがバレる。けど、お兄ちゃんには行く場所がなくて……。


 『スラゼ、弟だと名乗らなくていいの?』


 僕は、静かに首を横に振った。


 この様子だと、弟がいた事すら覚えてないだろう。兄弟を襲ったという事実は、知らせたくない。


 「君には世話になったね。アーズの事だけど、彼も追われるかもしれない」

 「うん……僕と逃げている事になっていると思う」

 「やっぱりそうなのか。彼にも悪い事をした。お金もないと言っていたから少しお金を稼いだらクラウンから抜けさせるつもりでいたんだ」

 「よく、カリルがいいって言ったね」

 「あ、誤解しているようだけど、裏で何かやっているのはカリルさんだけ。それと俺か。後は、普通の冒険者だよ」


 え? あのごつい人がそういう人だとは知らないって事? この口ぶりだとラミュランは、同じクラウンではなさそうだ。


 「そうなんだ……。これからの事は、明日から話そうか」

 「そうだな。もう寝ようか」


 僕達は、予備として作ってあったシートを木の下に敷き座った。兄弟仲良く木にもたれ掛かる。



 『スラゼ、起きて……』


 うん? あ、ラス?


 「あ!?」


 隣にいたはずのお兄ちゃんがいない。うっすらと明るい。これならランプが無くても歩けるだろう。


 「どこ行ったの?」

 『さっき起きてどこかへ行ったわ』

 「追いかけよう」

 『えぇ。ツエルに近づく者がいるわ。確実に彼を追っている』


 僕は頷いて、ラスの後を追う。


 「どういう事? 追尾の剣は大丈夫じゃなかったの?」

 『失念していたわ。もう一本あったのよ!』

 「え? もう一本!?」

 『ツエル本人が持っている剣よ! それは、ツエルもわかっていたから去ったのよ。マズイわ。彼が生きているってわかったら、あなたは本当に追われるわ。放っておけない人物になる!』

 「え? どういう事?」

 『飛んで行くわよ!』


 ふわっと浮き上がり、凄いスピードで移動する。大丈夫だとわかっていても怖い!


 あ、いた! お兄ちゃんだ!

 離れた場所に人影が見える。


 『あの距離だと、まだばれてないわね!』


 って、急降下!


 「ちょっとラス! こ、こわんだけど~」

 『大丈夫だから! 剣を奪うわよ!』

 「え? はぁ? 奪うって何!?」


 僕は、お兄ちゃんの前に降り立った。ハッとして止まり驚いている。


 『ごめんね』


 そして、ドサッと崩れ落ちる様に倒れた。


 「ちょっとラス!?」

 『いいから! 剣を抜いてこっちに走って!』

 「おにいちゃん、もらうよ!」


 剣を抜いて、僕はラスを追いかけ走り出す。


 「ねえ、ラス。これどういう状況?」

 『剣を見てみて。チェック』


********************************

 ロングソード【認証の剣:Sランク】

 【ターゲット:リュゼラ】

 【製作者:アラーダルダ】

********************************


 え? 何これ?


 『これを持っていれば、これを追って来るはずよ。あなたが持ち歩いていれば、ツエルが生きているとばれないわ』


 見えてきたはのは谷だ。


 『あっちに放り投げて!』


 そっか! 気がついて投げ捨てたって事にするんだ!

 僕は、思いっきり投げ捨てた。

 剣は、谷に落ちて行った。


 『男が見ているけど、襲って来ないわね。あ、振り向ていはだめよ』


 う。怖いんだけど……。

 でもどうして襲ってこないんだろう?


 『どうやらツエルが本当に死んだのか見に来たようね。去ったわ』

 「な、なんで、襲わないの?」


 へなへなと僕は、その場に座り込んだ。


 『たぶんだけど、ツエルが本当にあそこで死んだのであれば、あなたは人殺しなのよ』

 「え!?」

 『そう言ったでしょ。カリルが。どんな理由があれ、人を殺したのだから誰かに言う事はないわ。と思っているのね』


 そっか。ラミュランも一応死体は見た。でも身代わりかもしれないと疑っていたんだ。それは、剣が動いていたから。

 それを僕が奪っていって、剣の異変に気がついて捨てた。って事になったんだ。


 「でも、僕が剣の異変に気がついた事になって大丈夫なの?」

 『そうね。召喚師はそんなにいないって事でしょうね』

 「え?」


 『あなたは他の人より冒険者として名が通っているのよ。だから剣で斬られて見つかってもまずいのよ。例えば、袋強奪にあったのかもしれないと、調べが入るかもしれないでしょう?』

 「あ、なるほど」


 そう言う事を避ける為、わざと見逃したって事か。


 「監視はつけないのかな?」

 『付けずともあなたのクラウンを調べれば、居場所がわかるんじゃないの?』


 そういうもんなのか。


 あ、そうだ。お兄ちゃんの所に戻らないと……。

 急いで戻るとまだ寝ていた。


 「おにい……ツエルさん」


 揺り起こすと、目を覚ました。


 「あれ? っは! 俺に何をした!?」

 「え? あ、すみません。剣を捨てました」

 「………」


 剣があった腰を見ておにいちゃんは驚いている。


 「そっか。捨てたか。俺もすぐに気がつかなくてな。ふと気がついたから捨てにきたんだけど……」

 「うん。すみません。戻りましょう。皆の所に」

 「本当にいいのか? 俺はお荷物だろう?」

 「お荷物だなんて! 聞きました! アーズラッドの命の恩人だと。次は僕達が助ける番です」

 「そっか。ありがとう」


 今はこう言っておくしかない。

 僕達は、三人が待つリアカーへ戻った。


 「もういないからびっくりした」


 アーズラッドが僕達を見て安堵していた。


 「よかった。戻ってきた!」


 レンカも安堵したようだ。


 「ごめんごめん。あ、そうだ。アーズラッドちょと」

 「うん? 何?」

 「じ、実はさ。ツエルさんは、お兄ちゃんじゃなかったみたい」

 「は?」

 「よくよく聞いたら違った」

 「まあ、あれだ。元気だせ」


 ぽんとアーズラッドは、僕の肩を叩いた。


 「うん。ありがとう」


 またアーズラッドを騙してしまった……。


 「もう朝ごはん、食べられるよ。フルーツサラダ作った」

 「ありがとう。レンカ、サツナ」


 僕がいなくてもちゃんと作ってる。


 「びっくりだよ。前は端っこで二人しているだけだったのに」

 「その子達が、一緒のクラウンの子?」


 お兄ちゃんは、驚いていた。まだ未成年の冒険者だからね。


 「ところでこれからどうするんだ」


 朝食を食べ終わり、アーズラッドが聞いた。


 「一旦故郷の村に戻って、このリアカーのお金をちゃんと払って譲り受けて来るよ」

 「あ、リアカーね。なあ、あのリアカー変じゃない?」

 「何が?」

 「いや、何がって……容量?」

 「え!?」


 そうだった。慣れちゃっていたから忘れていたけど、色んな物を出したり入れたりしたんだった。物理的に入らないって思ったんだ。


 「く、工夫して入れているからぎりぎり入ってるんだ」

 「ふーん。そうか」


 一瞬眉をひそめるもアーズラッドはそれ以上何も聞いて来なかった。

 ほっと安堵するも何となくばれている気もする。


 食べ終わった僕らは、森から出た。直ぐ近くで泊まっていたので、すぐに村に到着だ。


 「懐かしいな。もう少しで一年か」

 「うん。予定より早く来ちゃったからね~」


 本当は、配ってない街もある。逃げて来たからね。

 この村は変わってないな。


 冒険者協会についた。リアカーはそのままに、お兄ちゃんに留守番をしてもらって四人で中に入った。


 「こんにちは!」

 「うん? あぁ! 君達は! チラシはもう配り終わったのか!?」

 「あ、えっと。ちょっと近くに来たのでお願いをしにきました」

 「うん? お願い?」

 「はい。あのリアカーを売ってほしいんです。僕達勝手に改造しちゃったし……」

 「あははは。いいよ。あんなボロリアカー」

 「あ、じゃこれ……」


 僕は、ミミミラス保存袋をカウンターに置いた。街の冒険者協会だけでいいけど、お礼のつもりだ。


 「これは?」

 「ミミミラス保存って言います。使ってください」

 「おぉ。噂には聞いていたが、君が作っていたのか!」

 「はい。それとアーズラッドをクラウンに入れたいので、手続きをしたいんですけど」

 「おぉ。わかったよ……あ、少し待ってくれるか? 手続き用の用紙が切れている。取りに行ってくるから」

 「あ、はい」


 そう言って奥へと入って行って戻って来たんだけど、なぜかカウンターの奥から出てきた。しかも数人で。

 そして、僕達四人は羽交い絞めにされた!


 『スラゼ!?』

 「うわぁ。なんだよ!」

 「きゃ」

 「え? なんで!」

 「すまないな。アーズラッドと少女二人が森に火をつけた容疑が掛けられているんでな」


 え~!? まさかそんな容疑を掛けるなんて!!

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