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妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります  作者: すみ 小桜
もう一つの仕事を模索した結果

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第24話

 ニョロガラ領土の最後の街に僕達は辿り着いた。

 まず最初に、商業協会に袋を納品して冒険者協会へ向かう。


 「あ、クラウンラスです。街に来ました」

 「はい。記録しておきますね」


 さてと依頼を受けて森に行くかな。


 「ねえ、スラゼお兄ちゃん、これ凄く高いよ」


 サツナに言われ見てみると、Eランクに関わらず銀貨一枚だ。ハッコウの実を10個ランクBまで。

 ほぼ採れたてじゃないとダメって事か……。


 『これ万能薬の材料ね。これにねじり樹の樹液を混ぜると万能薬になるわ。もちろんランクがいい方が効能も上がる』

 「へえ。自分で作れないかな? ねじり樹ってどこにあるの?」

 『さあ? たぶんEランクの森にはないでしょうね。ハッコウの実はつるになる実で、木と木の高い場所に絡みついているの。発見できても採取するのが難しいけど、スラゼ達なら見つければ余裕でしょう』


 確かに。ラスのお蔭で浮けるからね。


 「これにしてみようか?」

 「うん」


 僕達は、依頼を受けるとリアカーを引き森へと向かった。

 ラスのお蔭で、ハッコウの実はすぐに見つかった。


 「じゃ袋に摘んで直ぐに入れてね。10個だけど、いっぱいあるから摘んでおこう」

 「「はーい」」


 二人もまた浮けるとあって、喜んでいる。それぞれ、ラスのマークが入った袋とナイフを持ち採取する。

 ハッコウの実は、青紫色だった。直径1センチと小さい。

 ラスの話によると、熟すると赤っぽくなっていくらしく、その色になると万能薬の材料としては使えないらしい。だからランクBまでなんだろう。


 「いてぇ!」

 「うわぁ!」


 突然下から声が聞こえ見ると、冒険者だと思われる二人組を紅葉が襲っていた!


 「紅葉!?」


 サツナが驚いて声を上げる。


 「紅葉、ちょっと何やってるの! す、すみません。紅葉こっちおいで」


 慌てて僕は、下に降りた。


 『人が居たとはね。人までは感知かけていなかったわ。紅葉は感知をかけていたようね』


 紅葉が僕の元へ戻って来て、頭の上に着地した。紅葉を頭から降ろす。


 「もう何やってるの!」

 『ずっとちゅけてたんだよ』


 ちゅけてた? うん? つけていたって事?


 「へえ。加護持ちってすげぇな。宙に浮く事も出来るんだ。聞けば錬金術も出来るらしいじゃないか」


 うん? 冒険者だよね? なんか、ガラが悪いような気が……もしかして、紅葉に攻撃されて怒っているのかな?


 『冒険者崩れね』

 「うん? 冒険者崩れ?」


 レンカとサツナが僕の後ろに隠れた。何せ目つきが怖いからね。


 「ご、ごめんなさい。紅葉も反省してますから……」


 サツナが言うけど、その小さな声だと届いてないかも。


 『わるくないもん。ミ、ぬすみゅっていってたもん』

 「実を盗む? え? そんな話していたの?」

 「へえ。それが妖精なのか?」


 この人達、オウギモンガを知らないの?


 「え? 泥棒なの?」


 レンカが後ろで驚いている。


 『ここで、事を起こすのはまずいわね。逃げるわよ』


 ってラスが言った途端、目の前の冒険者の二人が倒れた!


 「ラス! 何したの?」

 『大丈夫。眠らせただけだから。今のうちに逃げるわよ』


 僕は頷く。


 「あいつらが起きる前に、二人共逃げるよ。片付けよう」

 「うん!」


 二人は頷くと、採取したハッコウの実が入った袋をラスの加護がかかった袋に入れ、リアカーに乗り込んだ。


 『報酬をもらったらすぐに街を出ましょう』

 「うん。僕もそれに賛成だよ」

 「紅葉、教えてくれてありがとう」


 サツナが紅葉にすりすりしている。

 しかし、冒険者の中にコソ泥みたいな連中がいるんだな。気を付けないとね。


 紅葉の話によると、リアカーに乗り込むところからずっとついて来ていたらしい。

 次からは、気がついたらその時に教えてもらう様に言っておいた。


 「スラゼくん!」


 食料を買いこみ、街を出ようとした時に声を掛けられ驚いて振り向いた。

 思った通りルイテットさんだ。


 「なんで、この街に!?」

 「君達を追ってね。いやぁいつの間にか街を出てるから驚いたよ」


 わざわざ追いかけて来て何の用だろう?


 「もしかして警戒してる? 冒険者にも変なのがいるから用心した方がいいからいい心構えだよ。でも、僕が訪ねたのはこれを渡そうと思ってね」


 うん。今体験したばかりだ。

 ルイテットさんは、小瓶を二つ手に持っていた。


 「これは、あの幻の芋が材料の塗料」

 「塗料?」

 「そう。連絡用に使えるんだ。成分が微妙に違うからマッチしたこの二つの成分じゃないと見えない。書いた文字は一分もすると消える。けど、もう一つの液でなぞると浮き出るんだ」

 「はあ……」


 お礼にくれるって事なんだろうけど、僕達が使う事はなさそうだ。でもいらないと断るのもなぁ。追いかけて持って来てくれたんだし……。


 「ありあとうございます」


 凄く興味ありそうに見ている二人に小瓶を渡す。

 貰いっぱなしもなぁ。あ、そうだ。


 「これ、保存袋です」

 「くれるのかい?」

 「はい。あ、でも保存袋持ってましたよね」


 必要なかったかも。


 「これが噂の……欲しかったんだ」

 「噂?」

 「これ、冒険者協会で売っているんだ。凄く高いんだよね。銀貨10枚」

 「え!? 銀貨10枚? なんでそんな値段で」

 『冒険者協会もやるわね』

 「いやぁ。それぐらいの価値はあるでしょう。この大きさだし」


 その大きさなのは、ナテコロの実を10個入れなくちゃいけなかったからで。


 「でもルイテットさん自身で作ったやつの方が、ランクSだしいいですよね?」

 「やっぱり鑑定も出来るんだね」


 しまったぁ。


 「確かにね。でもあれ作るのにお金も時間も費やして、あの大きさ一個しか作れてないよ。それに逆に良すぎると、高すぎて売れない。俺はまだ調整できないからさ」

 「え?」

 「あれは、袋自体を作ったものだからね。材料も高額で、だから錬金術師の資格は持っているけど、冒険者もやっているんだ。自分で材料を取りに行くために。モンスターも材料集めのために倒せるのは、冒険者だけなんだ。君が羨ましいよ。錬金術師をするならサーチとか鑑定とかある方が有利だから」


 そういうものなのか。


 「あの、錬金術で鑑定の道具って作れないんですか?」

 「俺が作れたのは、品質を鑑定する道具かな。それ以外の情報は鑑定できないんだ。だから自分が作った物もいちいち鑑定してもらっている状態だよ」

 「そうですか……」


 なるほどね。自分で鑑定できないと、作っても鑑定してもらわないといけないのか。


 「だから信頼における鑑定師を見つけて依頼してるんだ。それで遅くなっちゃった」

 「あ、鑑定してもらったのか」


 僕が呟くと、そう言う事と頷いた。


 ラスがいなかったら作れないのもあるけど、鑑定も頼まないと行けないって事か。ラスって凄かったんだ!

 いや凄いのはわかっていたけど、本当の意味で凄さがわかったかも。


 「ルイテットさん。ありがとう」

 「いや。そういうのも結局あまり売れないからね。趣味みたいなもんだから」

 「あ、いえ。それもなんですけど、僕、冒険者をやめて錬金術師になろうと思っていたんだけど、このまま冒険者続ける事にしました。お話が聞けてよかった」

 「そうなんだ! 君なら審査通ると思うよ。また会おう」


 ルイテットさんが、手を出して来た。その手を僕は握り握手を交わす。


 「あ、そうだ。これもどうぞ」


 チラシを渡した。


 「僕達、これを配って移動しているんです。その日には、領土に戻りますので、もしよかったら来て下さい」

 「君のふるさとか。ではこの日に会える事を楽しみにしているよ。気を付けて」

 「はい!」


 そう言うと、僕達より先に馬に乗って街を出て行った。

 結構、謎の人だよね。


 『彼、スラゼに興味深々みたいね』

 「え!?」

 『彼からしたらスラゼは謎多き人物なんでしょうね』


 僕の方が、謎の人なのか。

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