第二章 「劣等遺伝子」 14
かくして、俺たちはネコエリアの動物たちを仲間にすることが出来た。
ボス――オスライオンの前に並ぶネコ科の面々。トラ、ヒョウ、ジャガー、チーター。それぞれがたくましく、凛々しい顔をしている。中には絶滅危惧種に指定されている種も見える。
「みんなよく集まってくれた。みなの命、オレが預かった。ここからは個としてではなく、種としての誇りをかけて自由を勝ち取りにいくぞ」
ボスの鼓舞に一同が高らかに咆哮で応える。みんな気合十分といった感じだ。
「そろそろイクのか?」
黒猫を抱いたナナコに俺はうなずいて見せる。オヤジとの合流時間を考えると、出発にはちょうどいい時間だ。
ナナコは黒猫を地面に離してやる。と、黒猫は森の奥へと駆け出し、別の猫と合流した。
「あの子たちは、ここに残るそうだ」
名残惜しそうに2匹の猫を見つめるナナコ。
「ここに、残る?」
そう言えば、集まった動物は大型種ばかりだ。辺りをよく見ると、小型でどこか人懐っこいネコ科の動物たちが俺たちを見つめていた。
「みながみな、オレと同じ考えではないということだ」
いつの間に来たのか、オスライオンが俺の隣にいた。
「ここにいれば、餓死しない程度の食料は与えられるので、無理に反抗することもないのさ。例え捨てられたとしても、それでも人を頼みに生きるものもいる。オレには、彼らの意見を変えることは出来ない。何がいいかとか悪いかじゃないんだ。だから、ここに置いていく。分かってくれるか?」
諭すように告げるオスライオンに、
「けど、この島を出る時はみんな一緒に、だろ?」
「そうだ。オレたちは仲間を見捨てない」
それだけ聞ければ十分だと、俺は新しい仲間たちと共にその場を後にした。
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