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76 探求

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

8/26 10:00


コン コン


「キーロ、ちょっと良いかしら」

毛先にパーマのかかった白衣姿の美女が扉を開ける


この施設の代表 キドナだ


「あ、はい」

青年は一度強く目を瞑ってから振り向いた


「、、はぁ、アナタはのめりこみ過ぎてしまうみたいだから  一旦パソコンは取り上げます」


「え!そんな!?」

そうは言うものの


目の下のクマが酷い




ここはキドナ総合ラボ地下3階

研究員やキーロの宿泊している一個室

大規模な研究施設は別にある為、彼女が地下に来る事は滅多に無い




「、、ふぅ、アナタは賢いから新しい事を覚えるのが楽しいのは分かるわ? けれど食事や睡眠もロクに取っていないでしょう?」


キーロはここに来て10日間 知識の宝庫を与えられるや否や食事や寝る間を惜しんでひたすらに知識を蓄えていた


「全然大丈夫ですよ~! あの! そんな事よりも色々と聞きたい事が!! 山の様にあるのですが」

「ダメです」

キーロはキラキラとした目でキドナを見るがその探求心は即座に拒否される


「アナタに期待はしています、けど身体を壊したら何にもならないの 分かるわね?」


「す、すみません」


「今日明日、いえ明後日まで しっかりと食べて休息を取りなさい  その後ここに書いてある場所に来て頂戴、正式なアナタの住まいになる所よ」


キドナは一枚の紙をキーロに渡すと白衣をなびかせ立ち去る



(う~! 残念だな~、もっと沢山調べたい事があったのに、、、あと1時間だけなら、、、)

再び椅子に腰をかけるが

「あ!」

パソコンの電源が落ちている、どうやら部屋の電気を止められた様だ



む無くキーロはシャワー室へと向かい身なりを整えると1階のブースへ向かう



(う~ん、軽食で良いかな~)

「すいません、この室長サンドってなんですか?」


「それは代表が研究部屋でも気軽に食べれる様にと考案されたサンドイッチだね」


「あ、じゃあコレとコーヒーお願いします」


「席までお持ちしますのでお好きな所へどうぞ~」


先に渡されたコーヒーを受け取り席を見渡すと一人の青年と目が合う



「おやおや、これはキーロさんじゃないですか! 最近よく合いますね~」

茶髪の青年がにこやかに軽く会釈をする


「あ、どうもリッツさんこの間ぶりですね お隣良いですか?」

キーロも軽く会釈をすると隣の席へと腰かける


「顔色が宜しくないですよ? 大丈夫ですか?」


「お見苦しくてすいません 寝不足が祟りまして」


「ははぁ~、流石キドナ研究所に抜擢されるだけありますね~、やっぱり色々大変ですか!?」


(まだ仕事と言う仕事してないなんて言えない)

「あ、はははは」

キーロは乾いた笑いでお茶を濁す



「しっかし聞きましたか? 物騒な物でまた国内で行方不明者が出たようですよ」


「え? すいません、全然籠り切りでして」

掘り起こされそうで少し目線を逸らす


「そうでしたそうでした いえね、実はここ最近頻繁に子供がいなくなるらしくて 誘拐なんじゃないかと噂されているんですけど」


「誘拐、、ですか」


「今日も仕事でレイ様とお話する機会があったんで少しお聞きしたんですけどね~、中々お国の方も動けないとかで」


「レイ様?」

キーロは小首を傾げる


「あれ? 知らないです? この前私と話していた軍師様ですよ、あの眼鏡かけた金髪ロングの 賢そうな」


「あ~、お偉い方だったんですか」


「大王の右腕ですよ! 賢いだけでは無く戦ったら戦ったでお強いんだとかすっごいですよね~」


「はぁ、、、しかしそうなると困りましたね~?」

キーロには興味が無く上手い事話を戻す


「あぁ、話がズレちゃいましたね そうなんですよ~頼りになりそうな人達は知ってるんですけどね~」


「へぇ~」


「三日前ですかね、王都で大規模な魔物討伐がありましてバッタバッタと! ただね~今回は報酬が出る訳でも無いですしね~う~ん」


「報酬、そうですよね~ 無報酬でやったらそれこそ英雄の様ですけどね」

(流石に無報酬じゃジンさん怒るだろうしな~)


!?


リッツは驚いたようにキーロを見つめている

「ど? どうしました?」


「お待たせしました、室長サンドで~す」

「ソレだ!」






キーロを指差すリッツの指がサンドイッチに突き刺さる


室長サンドの具材は大豆ミートのバーグにチーズレタス、トマト増し増しでかなりボリューミーで汚れない様に厚手に包装されてます。


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