69 中継
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
8/20 17:40
ゴシャアアア! ガチャンガシャア
カセンの振り回す砲台の様な物に人形達は次々と破壊されていく
「それ! 金棒じゃないけどな!?」
ジンが走りながらもツッコミを欠かさない
「ジンさん! そういうの良いから早く走って」
従者が大荷物と巫女をおぶりながらジンの後ろを駆ける
「わ、私も! 加勢するぞ?」
エルフが床に刺さった魔剣を引き抜く、が
「人形相手じゃま~た変になっちゃうんでしょ~ なんで懲りないのよ~」
その手を掴み先頭を走るのはアル
(なんで人形達は飛び道具を使って来ないんだ?)
バルは冷静に人形が手に持っている筒状の武器の角度を確認していた
(さっきもそうだ、、部屋へ入る前に撃たれていたらカセンさんでも重症だったはず、なのに誰も撃たれた跡が無い)
何本か回収した筒状の物を人形に向けボタンを押すが反応は無い
「ア、アル! ソコの左の ボタン! はぁ 押して~」
ギルドのマスターは早速息を切らしながら大分距離が離れた少女に声を上げる
「え~!? ボタン? ボタンボタン?」
エルフの手を引く少女は一度足を止めエレベーターのボタンを探す
「あ、コレじゃないか?」
ラフィが壁に備え付けられた赤いボタンを強く押す
ウー ウー ウー ウー
いつの間にか鳴りやんでいたはずの警報が再び鳴り響く
「そ、それじゃない はぁ はぁ 扉の 前の~」
「も~! ラフィはちょっとジッとしてて!」
アルがエレベーターのボタンを押す
「す、すまん」
・・・
「で?」
カセン以外がエレベーターの前まで来たのだが稼働している音すらしない
「ぜぇ、はぁ あっれぇ?」
ジンは何度かボタンを押しながら扉の奥を確認するが動く気配が全く無い
「、、あ、もしかして アレ 押したのか」
ラフィの押した赤いボタン
火災報知器である
「みんな~階段で一番下まで~」
ジンは一番最初に走り出すが
「む! やはり私も戦うか?」
「あ~んも~ バカラフィー」
すぐにエルフの手を引くアルに追い抜かれる
「こんなんばっかりじゃないですか~」
シフもいい加減フォローをしない
「アル! 先頭行くのは良いけど気をつけて~」
バルは後ろの様子を伺いながらも皆に聞こえる大きさの声で呼びかける
「、、、で!?」
B9F
大きな扉が閉まっている
・・・
「え~ シフさんさ~、、さっきの紙切れとか持ってたりとか~せぇへんのん?」
何弁なのかも分からない口調でジンがシフに顔を向ける
「確か、パスはカセンさんが音読してたので持っててもカセンさんじゃないですかね?」
「デスヨネー」
一同は扉の前で少しの間フリーズする
「も~、あたし! カセンのトコ行って加勢して来る~」
「それなら私が」
「いや! カセンさんを待ってた方が一番安全だと思うから動かない方が」
ウィーン ウィーン ウィーン ウィーン
そんなやり取りをしていると4枚の扉が次々と開いていく
「おおお! 良かった 向かい入れてくれてるじゃん」
ジンが向こう側の影を確認する
「ハァ」
カツ カツ カツ カツ
「アナタ達本当に何者なのかしら、理解に苦しむのだけれど」
無表情だが呆れている様な口調で例の女が扉の近くまで歩いて来る
一度だけ鳴らしたことがあります




