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56 逃走

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

8/20 13:00


「はぁ はぁ  あ˝ぁの、クソエルフ! はぁ いきなり爆薬とか はぁ アタマ  オカシイだろ」

魔族の男はもぞもぞと


散らばった自らの臓物を、掴んでは口へと押し込む


「むぐ、急いで 再生 ぐっはぁ してコロス、コロス   アイツラァァ!!」

破裂したハズの腹部は雑ではあるが再生されている


だが、鈍い動作でまだ自由に動ける訳では無い



カツ カツ カツ カツ



大袋を持った一人の男が遺跡へと入って来る



!?


「おぉ! あんたは!! はぁ はぁ」 

遺跡の入り口から響く足音に魔族は首だけを向ける


「ふぅ、また失敗ですか あれ程言ったのに  今回はあの女もいなかったハズですが?」


「はぁ いや、これは 違う 今回は!いや、今からやって来るから  はぁ はぁ ちょっとだけ、へへ 手助けしてもらえない?」

ゆっくりと這いずりながら男の足元へ向かう


「、、滑稽ですね、貴方本当に賢いと呼ばれる魔族ですか? そもそも前回貴方があの女を港に向かわせなければ巫女はもうこの世にいなかったんですよ?  本当にそちらの陣営さんだけはイマイチですね~」


「違う違う! はぁ 違うんだって、だってよ、あんなクソエルフの事なんて  聞いてね~し」

まるで駄々っ子の様に拳で床を叩く



・・・



「最後の通達です、せっかく大穴も開けてしまった様なので グングニルの回収だけよろしくお願いしますね?」

男は大袋を魔族へと放り投げる


「ああああありがてえええええ 任せとけ、ついでに探してくるからあああああ」

魔族は慌てながら袋を開けると中身を貪る



「はぁ、吸血鬼といい魔族といい便利な身体ですね~  まったく、、気色悪い」

男はそう吐き捨てると遺跡を後にする











8/20 16:00


「も~ 何体くんのよ~」


先頭を物凄い速さで駆けるのは両足が機械の少女だ


「アル! 次の扉に一度入ろう」

すぐ後ろにエルフが走る


「あの人型の持ってる飛び道具、直線にいちゃダメだ!」

バルは最後尾で後ろの様子を見ながら叫ぶ



アルが次の部屋の扉に手をやり



ガチャン



開けたと同時に表情の無い機械人形が顔を出す


「い~~~~~~やああああああああ」

悲鳴をあげながらも



ガッ!ゴジャァア!



上手い事顔面に足を上げ、かかと部分から蹴り倒す


「ナイスだアル!」

ラフィがそのまま扉を押す


「すぐ中にもいるかもだから注意して!」

バルが転がる様に中へ入ると急いで扉をしめる


バタン!

ガィン ガィン ガィン

ガキンガキン!


閉めた扉の向こうで金属音が高鳴る



「うむ、大丈夫そうだ、この中にはいないな」

エルフはバルと場所を変わると背負っていた大剣をかんぬき代わりに仕掛ける


「も~いや~」

そう言いながらも扉の方へバリケードになりそうな機械を押す


「ふぅ~本当に死ぬかと思った  あの武器は何だったんだろう ってかラフィのその剣も何で出来てるの?当たった時弾いてたけど」



今三人に襲い掛かって来ているのは

完全自立式機械人形、要は  人型のロボットだ

様々なサイズがいるのだが全て無機質で表情が無く、関節等の繋ぎ目からは配線の様な物が見え隠れしている者が多い

強度としてはアルの足程の強度は無い、、がバルの持つ鉄の剣は関節部にしか通らない

彼ら?が手に持つ筒状の武器からは大きな音と共に何かが飛んで来る

運良くラフィの背中、背負った大剣に当たり弾いたのだが本来直撃したのなら恐らく命を落とすであろう



「いたた、まだ背中がジンジンするぞ?  この剣は魔剣と言われてるな、受け継いだ物で素材は私も分からないんだ」

背中を擦りながらラフィもバルの横に腰を下ろす


「またコデブ相手にしてた時みたいに爆発させちゃってよ~」


「むぅそれが、服を着る前に落とした様でな」


「、、ア、ア~、アレネ」

ツインテールの頬が赤くなる

のだがそんな事は気にもせず

「あの武器でも扉は貫通しないみたいだからしばらくは大丈夫かな? でも、どうしたものか」

バルは部屋の周りを見回し別からの出口が無いかを探す


「あうぅ、あたしのせいで ごめんなさい」


「うむ、大丈夫だ!アル  しばらく待ってみて数が固まったら私が何とかしてみよう」


「、、また水攻め?」


「いや」


エルフは装備していた矢筒を外し

弓と腰袋等をまとめてアルに手渡す













「叩き切る」


ロボットの持つ筒状の武器は拳銃とかとは別なイメージです。

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