437 救命
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
2/12 23:35
音が 聞こえた気がした
「う うぅ」
体中が痛い
特に頭痛と目の奥が ズキズキ、沸々と 熱い のか?
とにかく繋がっている脳やら神経部分?が正常では無い事だけは分かった
(でも、体温的には寒い様な)
ぼんやりとした感覚を徐々に取り戻しつつ、とりあえずとばかりに周囲へ目を向けた
、、雷 でも落ちたのか?
周囲の設備、機械関係が壊れたらしく今もバチバチと連動した部分が火花を散らしている
事態に伴っての事なのだろうか
頑丈な筈の出入り扉も割れ、自らを拘束していた枷が外れている事に気が付いた
それに、少しだけゴロゴロとした余韻?の様な
いや
場所が場所なんだ雷なんて届く筈が無い
大地震でも起きたのか?感覚的にも余震の方が正しいのかもしれない
そんな事よりも
辛うじて繋がった意識を飛ばさないよう
『今しかないのではないのか?』と
無理矢理に脳へと楔を打つ様に信号を送り
懸命に状況の把握を始めた
今は、何時で 何日が過ぎたんだ?
場所は何処、、あ、ぁ施設 地下 か
もしかしたら数年とか、夢とか、そういう次元なのかもしれない
そんな事すらも分からなくなった身体に
(、、いや、ありえない 考えろ どれくらいで途切れてしまうのかも分からないんだ)
強引に鞭を打つ為
(フェリスの声がして、夢では無いのなら何度目かの目覚めの筈だ とにかく此処から出ないと)
寝かされていたベッドから這う様に落ち、転がり
「はぁ はぁ はぁ はぁ」
掴める箇所を頼りに扉へと向かう
寒い なぁ
ほんの数分もしないうちに文字通り、身体全体が血を欲しがっているのだろう
上手く力が入らない
めまいや立ちくらみのレベルでは無く呼吸さえも思い通りに出来なくて
「 ぅ ぁ はっ はっ はっ 」
眼鏡を取られなかったのは幸いか?
でも
おかしいな
「 はっ はっ は は 」
前が 見えないな
騒ぎに応じてでも
巫女様に ジンさん達に
しらせないと
わたさないと
いけない の に
朦朧とする意識の中
限界を迎え無意識に倒れ込んだその先
義足の青年を受け止めたのは
元上司の女だ
力強く抱き
「ごめんなさい、もう少し早く到着出来ていたら良かったのだけれど」
諦めの様な言葉を吐きながらも直ぐに触診を行う
その後ろでは
「まずは造血剤、いや、血液自体が足りないか 輸血パック、、も駄目だ!検査なんて間に合う訳が無い O型赤血ky・・・」
医療担当の男が眉間に皺を寄せ、ぶつぶつと呟き
手持ちの道具を漁っている
その間も意識が無い筈の青年は懸命に
「 」
口だけを動かす
だが、その言葉は届かない
だから
見かねたのか
もう一人の助手 カチッとした姿の女が
「いえ!検査なんていらないんです、持って来たパックは全て彼用で!バイタルは全て異常です ぁ、あぁ測る必要も無い もう!退いて!貸して下さい」
男を跳ね除け、口 いや、手を出し始めた
しかし
「 ぇ 絶対 足りない 明らかに血液量が不足しています なんで?多めに持って来たのに これ程なんて聞いてない」
テキパキと応急処置を行っていた女の声が徐々に小さくなる
「いたたた え じゃ、じゃあ、急いで戻りましょう」
跳ね除け、、基、突き飛ばされた医療班の男も立ち上がった
一方で
室長は一連の流れ
それと
青年の握る板をも軽く流し見終えると
「そう、やっぱり そういう事なのね」
徐に男の荷物からアンプルを取り出す
これには男も
「え、室長 それは造血剤ですが、というより飲ませるにも一苦労しそうな」
不思議そうな表情を浮かべながらも急ぎ
残りの荷物を詰め直す
「良いのよ、気休めにはなるでしょう?」
二人が特別聞く程の言葉では無い
そんな独り言を呟き
一気に飲み干した
やっとの回収です




