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433 晴天

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

4/10 12:00



シュワシュワシュワ



チュンチュン チュンチュンチュン



サラサラサラサラ



静かにしていると聞こえてくるのは葉の擦れる音やら鳥の声

雪解けの影響もあるのだろうが耳を澄ませば近くの沢、所謂せせらぎまでも届いて来る


人の多い場所に居た時間が長かったせいだろう、まだ聞きなれない心地の良い音色が響く



何も出来ない主人公一行が立ち往生している頃



とある森の中


「え、えええ!?昨日干してたのもう減ってるじゃん!食べちゃったのぉ?」


同じ時間軸で停滞していた大所帯が一つ


「やっべバレた」


「ちょっ後ろ!急げ」


『今日も』賑やかに昼を迎えていた




此処は主役の男が立ち上げた喫茶店ギルドから北を向くだけでも視野に入って来る場所

広大な樹海

その緑を深く深く、随分と進んだ奥地、、某エルフの姫が幼き時を過ごしたという小さな住処


魔女の小屋だ


何故かそんな場所に似合わぬ風貌のゴロツキ達が数十人

全員が全員好き放題に動き

適当な事を言いながら物語は始まる


「うお!来た  逃げろ逃げろ」


「おいバッカそっち行けって 顔、見られんなよ!」


「 え、でもー大丈夫じゃないですか? 多分あの人まだ全員の面ぁ覚えてねっすよ?」

悪党の様な顔をしつつも一人がゆっくりとした口調で話す


「あ、あぁ確かに、昨日二回目だったけど初見みたいな怒り方されたし」


「俺もそういえば誰だコイツみたいな顔された気がするわ」


「そうなんですよ、あの人多分抜けてるか鈍ちんなんで問題ねぇっすよ」


三人がコソコソ

されどゲラゲラと小屋の影に消えるのを見て


「その声!ルヒター!お前だろぉもぉおお聞こえてるんだぞ~今日も摘まみ食いしてーー」

大きな帽子を被った女性が声を上げた


「ははっ、意外に覚えられてましたわ」


「なんだよお前だけ覚えられてたのかよ」


「遊んでんなって 良いから早く行けっつの」



チンピラから始まるストーリーなんて、しょうもない始まり方ではあるのだが

この辺鄙へんぴな場所に居る団体様

森やら山に入る格好でも無い軽装の彼らが此処に居るのには理由がある



シュッとした格好の女に騙されたからだ



・・・



いや、あの表情少ない娘を悪く言っている訳では無く だな、、この『騙された』には複数の意味があるんだ


まぁ考えても見てくれよ


【コレに乗って暫く行けば森の奥地にまで進めます、目印に古いタイプのソーラーk、、って言っても分からないですよね、コレとは違う形状の機械があるので周囲を捜索してみて下さい】


なんて

軽く馬鹿にした様な言い回しをしていたくせに だ!

皆で乗っていた機械の箱は彼女の思いとは裏腹に


止まらず


恐らくの地点を超スピードで通過した


そしてそのまま

ガッチャガチャと大揺れを起こしつつ飛んで跳ねてを繰り返し


【生きて行くには十分拠点にはなる小屋があります】


とか言ってたソレを引き壊すかの様!数センチ、あと何ミリ?と思う程手前で停止したって訳だ

木々やら岩、土やらなんやらを車輪が食ったおかげでな


寝たきりの病人が居たにも関わらず誰一人として怪我をしなかったのは不幸中の幸い、、ではなく

何か仕掛けを施されていたのだろう

大箱が動きを止めた時、ほんの一瞬だけ感覚が鈍くなり 揺れ、衝撃が弱まったのを全員が感じたのだ


まるで風船を押して戻したかの様に






賢い組の考えをまとめ終えたところで次は周辺の情報収集を行おうと外に出た



タイミング



そんな丁度良いのか悪いのかのタイミングで



「きゃあああ私の家ぇぇえ! コレ!大丈夫なの?  ギ、ギリギリぃぃ?当たってなあい?」



全体的に優しい色をした女性


シャーマンが自宅へと到着したのも一カ月前の事だ


そろそろ説明回いれないとか

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