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431 快晴

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

4/10 11:00


「もぉ、もぅ!このままだと朝ご飯とお昼ご飯が一緒になっちゃうのよ? あぁ忙しい忙しい、忙しいったらないのだわぁ」

今となっては少し懐かしく思える牛の声


、、いや、子牛とでも言っておこうか


そこまで忙しくもないのに幼女が口を尖らせている


「あーあぁうん、だからごめんて でもさ?聞いて?俺の体力的に言うなら結構頑張ってる方なのよ?」

三十路はひたすらに芋の皮をむきながら軽口を溢す


(でもマジで、言うなら関東から北海道行ったとかってレベルの寒さじゃないし、半端無いんだっつの)


「大体さ~転生者なのに能力どころか補正も無いんだぜ?一般人としてはソコソコ頑張ってるとはおーもいませんかぁー? 登山とか好きだったからギリギリついていけてるだけだしよー」


分かってもらえない事は承知の上

多少ワザとらしく本音をこねくり回し、みっともない駄々を続けた



しかし、他からしたら、んな事知るかってな感じなのだろう



「ッズズ  うん、良い味、でも何言ってるのか半分近く分からないんですけど?ロゼちゃんとお兄さんの関係って何なんです? 人買い、とかそういうのですか?」

オタマから直接味見をする鬼の子から嫌な言葉が零れた


日頃なら「衛生的に」とか言っちゃうのだが、どうやら此処でもあまりそういった所は気にされないらしい


だが念の為


「違うしロリコンとかでもないからね!?」


先手必勝

勘違いされそうないつもの訂正を投げ

俺は俺で目の前のドデカイ寸胴を掻き回す


こっちもあとちょっとで完成するってところまで来ているんだ


もうちょいで



カレーになるところなんだ






此処は一番中央付近にあたる場所

分かり易く『中央広場』と呼ばれているエリアだ

飯とか関係無しに様々な事に使う為の火を焚く所なんだとか


毎日全力でボンボコ焚いてエネルギー源にし、近場で共有するって流れ

まぁ俺の知る火力発電とかそういう規模ではなく、単純に暖かい集まり処の様なイメージだ

灯を絶やさないと言うこの行い自体は王都に向けての信号でもあるらしく、少し神格的な見てくれにもなっている


日本でも良く神社巡りをしていた身としては嫌いじゃない

むしろ延々と煮物をしても燃料代掛からないのは、、って ケチ臭いどころか罰当たりか?


独り言の様に


皮肉の様に


ともしび ねぇ」

ぼそっと呟いた


悪気はないんだが、神なんてモノを信用していないせいだろう

神社巡りだって自然が豊かだったり、その建物周辺の空気感が好きなだけ

今でも対カセンに対してそういった目線でなんて見ていない



腰を伸ばし煙の上がる空を見て



ふと、気付いた





(電気が 無いからか?)





エバの居た懐かしの遺跡はハイテクな物だらけだった


キドナのラボでもそうだ

じゃないとシエルを治す事も不可能だった筈だ


ヴェヌだって、連絡を寄こして来てるんだし何かしらの端末を所持している訳だろう?



じゃあ   なんだ?



もしかして




元の世界と何ら変わらないんじゃないのか?




確認するかの様に周囲をキョロキョロと見渡した



簡単な話だったんだ



俺は聞いた話ばかりで王都とディーン国しか知らなかったから、異世界に何処かしっくり来てたんだ


此処の文化が分かり易い


元の世界だって電気の繋がっていない国はある



全部じゃないって事だ



こっちの世界には




明らかな






文明の偏りがあるんじゃないのか?






生活で精一杯だったのもあるのだが

今更ながら己の思考、至らなさに歯痒くなる


引っかかっていた何かが取れたのを感じ


「な、なぁ 電気とかガスとかって存在さ? 何処までの人が周知してんの?」

思っていた事が半分消化されないまま零れた


俺的には重要事項の整理整頓中 だったのだが


「お~ん?」


うちの子が鬼の少女から酒を注いでもらっているのを見てしまい


「っつかなんでこんな状況なのにカセンってちやほやされてんの!?」


メインの話そっちのけで大人げない言葉が出た


あらかた身の回り片付いたと思ったらお仕事の話が来たりして、、充実しております

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