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407 忘憂

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

3/8 3:50


シュッとしていた筈の、、

いや、姿形が変わった訳では無い為、言い回しとして正しくは無いのかもしれないのだが


イメージの崩壊は今も続いている


「昼を過ぎた頃でしょうかね 一週間程前からちょっかい、、じゃなくて、鬱陶し、、でも無くて  えっと あの」


台詞的にも『ここまでは』ギリギリスマートではあったのだが



「しぇいふのイッヌ」



とか言うパワーワードが零れてしまったので限界なのかもしれない


急にポンのコツとなった二十歳そこそこの女性は目をグルグルと回し

歪んだ表情筋でまだ何かを伝えようとしている


・・・


少しの間放置、もとい、様子見をしたものの

一人祭りが終わらなそうなので

「え~とよぉ、急ぎ何だろうけど落ち着いてくんないと先に進まないから水でも飲もうぜ? なっ!俺らも欲しいしさ」

適当な事を言って肩を叩く


赤面した顔色を隠すつもりなんて無いのだろうが

「そ、そうですね  お水、えぇ必要ですよね 分かりました少々お待ち下さい」

大きく身振り手振りした後に



ガッ!



と鈍い音を鳴らし


開き切っていない壁に両肩を擦った



今この場に居る者達が気なんて使える筈も無く、躊躇無く笑うのだからよっぽどやり場に困ったのだろう



「し、し しちゅれいしまっ」



なんてトドメの一言を残し、赤面しながらもそそくさと部屋を去った


しょうがない


そのギャップと一連の流れ、オチ的に辺りは大爆笑

残念ながら完全防音でも無い限り響く追い打ちからは逃れられないであろう



暫くすると代表の男はゆっくりと呼吸を整える


「あ~笑った笑ったぁ にしてもおめぇら声デカ過ぎだろ?あの子ちゃんと戻ってくっかなぁ?」

ニヤケながらも此処最近、何処かで見た様な情景を思い出し

「、、はぁ、眩しいったらねぇっつの」

小さな本音を口遊んだ








変わらず、と言うよりもしっかり真っ赤に染まった彼女は小さな台車?の様な手押しぶつに大量のお冷を並べ

「み、水なので美味しくはないかもしれませんがどうぞ、おかわりもいっぱいあります、、あ、いっぱいは一杯じゃないですよ?」

イントネーショングチャグチャのまま早口に進める



その後も



「パパッパのオキバ」やら

「モ、モモモ、モリモリ、モリにしゅてるしゅ」と言う感じな意味不明染みた発言を繰り返し

口を開く毎に爆笑が生まれた


その雑音や雰囲気に掻き消された部分もあったのだが


「し、し、失礼しました、あの 見張っていた王国側の方々が本日になり狙ったかの様な強硬手段きょうこうしゅだんに出て来た為、、私も賭けに出まして」


やっとこさっとこ進行

肝心の青年も重症状態ではあるものの回復に向かっている為、余計な事をしなければ命に別状は無いらしく

奴ら政府の犬、、じゃなく騎士達が場を掻き混ぜてくれるだけでも一つの障害物になると踏んだからこそ今回勝負に出たんだとか


「確かに毎日の様にはっぱかけられたんじゃ治療なんてままならねぇだろうしなぁ」

「移す機会を待ってたってとこか?」

なんて声も上がる中


「今回みたいな特殊ケースであれば逃がせるって舵を切ったか、、はっ、常に気ぃ張って探り入れてるとか火事場泥棒と変わんねぇな?」


嫌な台詞も上がる



のだが



「えぇ、だから言いましたよね?」



出来る女ってのは




「『お待ちしておりました』 と」




「一生懸命アンテナ張って待ってたんです、チャンスが来るのを ずっと待ってたんです、本当はこんな未来の見えない、馬鹿みたいなやり方なんて嫌いなんです」


「あ?」

「おいおい、後半よ」

「喧嘩売ってんのk」

「ですが!!」



コレだから



「幻覚の中で足を止めなかったアナタ達を信じたから、今しかないと思ったから!」






「もうアナタ達に全て賭けちゃってるんだす!」






助けたくなっちまうっつの


文字縛りってやっぱ鍛えられるなぁ

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