383 信条
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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ここは半壊になったしがない喫茶店
店名は「ギルド」
軽く直されたカウンターの端には可愛らしいクマと兎のぬいぐるみが仲良く並んでおり、その他、棚等は後回しにされている為ファンタジーな本と物騒な名前の日記帳はこの子らの座布団代わりとなっている
とても風通しの良い物件となったにも関わらず
律儀に正式な扉を開けたのは絵に描いた様な美女だ
渇いた空気に吹かれる金色の糸、その綺麗な髪で反射する光が横へと靡くだけで周囲の者は慄き
にじみ出る凛とした美しさはまるで聖女か勇者
奇跡を起こし、そのまま全ての問題を解決してしまうかの様、、
にはいかず
「っぐえ!」
破損していない箇所、いつも通りに出入りしている高さの枠で引っ掛けた
「 嘘でしょ、、なんで毎回背負ってる事忘れちゃうの?」
「うん、多分重さの感覚が無いんじゃないの?」
「いや!お馬鹿さんみたいに言うなって!姫様結構考えt「ちょ、流石に空気読んで格好良く行って~」
ってな具合に双子とギャル男、を掻き消した魔女の声が主に響いたのだが本人は至って真面目だ
苦笑いで「うへへへ」と頭を掻き、手を振り直す訳でも無く
天然エルフは近くの馬小屋へと急いだ
昨夜の件が大事だった為、誰もが気にもしていないと思いきや
「傷の方は大分良いみたいで何より」
治療以外の仕事をこなしている者と鉢合わせた
「にぇっ!ジぇ ゾジ ジィジルバ 殿!」
「、、えぇ、ジジィで御座いますよ? 馬なら全て無事、一切手を付けられておりませんが」
老紳士は軽くラフィの身形を確認すると道を空け
「『王都』へお出掛けで御座いますか?」
念の為にと確認を取る
「あぁ、ケイを 探さないと」
押し出す様なこの言葉に嘘は無い
心の中は今も悲しいやら悔しいやら
それこそ、自分への失望感で一杯だ
だがその瞳、そんな状況化であっても素の部分等は変わる事無く
少し?抜けた所があるのも事実で
この娘
決して愚者では無い
なのでその分
(少し)
(厄介ですね)
「お気持ちは十分に理解出来ます、ですがラフィ様単騎でディーン国へと向かうつもりである場合 私も止めざるを得ません」
忠告
いや
警告か
・・・
数秒だけして思惑を読んだのか
それとも説明不足だと理解したのか
エルフの少女は震える唇を噛み 言葉を並べる
「 ぃ 、、巫女殿、それとシフ殿が此処の情報を知っていた、と言う事は ケイは一度でも!少なからず王都に足を踏み入れている筈!到着している筈なんだ!!」
「そうですね、えぇ、でs「だから!!」
「だと してもだ!!だとしてもぉ 私わ ぅぁ わ˝たしわぁぁ˝」
逃げたくなる様な
少女の嘆き
歯を食いしばりたくもなる
涙を流さない怒号
勝てる筈も無い
「、、例の、バミーを名乗る者は現在手負い故、仮に出会ってしまったとしてもラフィ様であれば問題無いでしょう」
知った事
瞳を合わす事無く
「ですが彼が今の状態で王都へ向うとは考えにくい、ですので恐らくは別の者だと考えられます」
だが、だからこそ
「一度、王都へと向かいなさい」
居るのは愛馬と言う訳でも無い、ギルド用にと連れて来た言わば乗用馬
普通の、何処にでもいる筈の馬 が
「ベロン」
と
強引に
前のめりに首を伸ばし
顔を上げた
ソレを撫で終え 声を掛け
涎塗れになってから調子の良さそうな者へと跨り
「 うぅ あぁ、うん、 行こう」
風のように飛ばした
歯が折れる程
鳴きながら
見直す毎に 「あ!」 ってなる




