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382 緩急

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

3/7 16:00


「なんで~~?え!わざわざ来てくれたの? 一人で?  あ、今日聞いたんだけど王都中大変だったんでしょ?」

見慣れたツインテールの少女が紙袋を受け取り

思いつく限りの台詞を加減もせず

「皆大丈夫?平気ぃー、、ぁ  だったからこうやって来てくれてるんだよね   ありがとぉ!」

何処ぞのエルフの様、いつもより派手目に喜んでいる様に見える


その対応に分かり易く


「ふふふん! でもね、まだまだこれだけじゃあ  じゃなくて、これだけでは無いのだ のよ」

噛み倒してからドヤ顔を決め終えると先程入って来た入口へと向かった


「ん、えぇ ロゼちゃん?」

その姿を軽く目で辿り、渡された袋を作業台へと置いてから後に続く



やたらちょこまかと足早な幼女は逸早く工房の扉へと到着した

スキップモドキのまま軽々と全開まで押し開け、閉まらぬ様にと足でストッパーを利かせたいらしいのだが


何分通常よりも足が短い


「あ~あ~あ~」

とリアクションするツインテールが駆け寄るよりも先


「あうっ」


元の方へと戻る木製ドアが幼女の横尻を挟んだ



少しだけ遅れ


「だ、大丈夫? あざとかにならなきゃ良いけど~」

少女が扉を開け直し、小さな尻を撫でる


勿論、ダッシュで馬車に突っ込んだ所で転んだ程度の感覚

吸血鬼が気にする訳も無く


「ねぇそんな事よりほら、見て?こっち エバの分なのよ」

挟まれて直ぐ

何故自分で開け直さなかったのか

「お菓子は食べれないかもだからいろどりで元気付けてあげようと思ったのよ」



合点がいった



「植木 鉢?」


両手で大事そうに抱える幼女


「あ!花か!  凄っ、ロゼちゃんが選んだの?」」


「そうなのよ? 薄紫色で綺麗でしょうぅむ むぐ」


そのセンスに何故か負けた気がしたので


「、、うん、可愛い  しなんか」

(大人だなぁって思って)


つい 「何か?」とでも言いたげな半開きの小さな口に



手持ちの菓子を突っ込んだ







「ごめんなさい アルもお花の方が良かったとは思わなくて」


「ち、違うの!そういう意味じゃなくて ね?」


「う~、アルはいつもお菓子食べてるでしょう?」


「ぐh」


「だからジンはお菓子を持たせてくれたのだと思ったのよ」


「あんの野郎   ん~でもね、あの、違くてー そう!偉いなぁって思って!だからご褒美的な意味合いのカウンターみたいな!?」

殆ど間違っちゃいないのだが

「偉い? え?カウンt「ロゼちゃん」

話が違う方向に行ってしまう為


「エバに渡しに行かないと!」


強引に舵を取った















「あっれ~ロゼちゃんもう次に向かっちゃったのかな~」



「でもまぁ自分で道選んで来てたしあれだけ賢かったら迷子にはならないかな~   は~あぁ、じゃあ一人先に帰っちゃいますよーだ」

そんな長い独り言を吐き初老が店を出る


まぁ、店といってもコンビニエンスストアやらスーパーマーケットの様な便利店では無く

単純にこの世界の薬屋が花屋と共に手広くやっているだけの雑貨屋だ

生花だけでは無く、乾燥させたハーブの類から調味料

それとホームセンターなんぞに比べたら爪程も無い程度の小道具や家庭用備品

後はちょっとした薬と煙草なんかがあるくらい


とあるメモの通り手荷物一杯の買物を終えた男はたった今小分けの袋を一つの紙袋へとまとめ終えた


そんな普通の風景なのだが



共に行動していた幼女が居ない訳で、、



本来責任感を問われたら非常に薄い


残念な事に良い人としては紙一重



そんなモブかと思われている初老なのだが



「あうぅ、あ  あの」





「そこ行く爺様よ」





またしても重要な人物の手助けをする事になる


あっちもこっちも書きたいな~ってなって来ると情景書くの忘れるんすよね

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