374 決事
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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「あはっ!あっははははは!? はぁ~ ふふ、滑稽だよねぇ警戒態勢?なんか敷いた所で何の意味も無いのに ね そう思わない?」
子供が機嫌良さそうに手を叩き
何の惑い無く両手を広げ
硬い床へと倒れ込む
ゴン とか
ゴチンなんて可愛い音ではない
ソノ躊躇無い打身は万人なら軽く失神している程の衝撃
だが、そんな少女から聞こえた鈍めの音を気にもせず
「愚かだとは思えませんね 正直、これ程まで早急に陣形を整えられるとは、、」
近くにいた騎士が返事をした
続けて
「単純にそういったポジションであった訳でも無いのに『確定』させて事を進めるなど、不自然でしかない だが、まだ理解などしていない筈だ」
青年はあまり触れた事すら無いモニターと呼ばれる板を睨み付け
鎮座する
「ん、あーそお そういう意味だけならまぁ~あの巫女も賢い方なのかもね ふ、ふふ 分かった振りして周りを巻き込むとか、なんだろう バカリスマ? ふふふ、曲者って呼び方のほうがしっくり来るよね ねぇ?」
白衣の少女はケタケタと笑い
薄いソノ板の画面を黒に染めてから這い寄る
「へへ?そうだよね、確かに王様の判断じゃなさそうだしさ、多分あのコだよっ! でも逆に残念でしかないと思わない!?勿体無いよね?周りに無駄な事させちゃってさぁ!?」
だらしない態度で寝そべり
傍の機械を指でなぞる、その理由は分からない
だが
「僕なら はぁ はぁ はぁ 」
きっと
「もっと はぁ もっと もっとさぁ ボクナラ」
この悪魔は
「みんなを幸せにする方法を選ぶのにね」
壊れている
「よっ ぅぉ! っっほおぉっと」
迫り来る凶器をいなし
まるで煽る様な台詞を吐きながら攻撃を躱した
烏天狗はそのまま
「へっ、吸血鬼の身体能力なんてのも おわっと 大した事無くねぇかぁ?」
近場の大木裏へと回り
心の中でも(おわ)っと声を上げる
そして
(硬ッテーー)
某香港映画の様に飛び跳ねつつも勢い良く擦りたい衝動に駆られるのだが
勿論
そんな暇なんて微塵も無く
「死ねぇ」
豆腐、いや
錆て脆くなった銅の様 ボゴンッ! と背にしていた頑丈な広葉樹が破裂した
「のわっと」
前へと飛んだ拍子、衝撃も加わったのでそのまま空へと舞い上がり
「流石っつぅか ヒュゥー あっぶねぇな~」
脂汗を拭う
それもその筈だ
決して余裕がある訳では無い そういう性分ってだけ
着地後に調子付いて近くの者を蹴り飛ばした左足の甲と呼べる部分がかなり腫れている
多分、身体的な強度に耐え切れなかったのだろう
恐らく骨にヒビ、もしくは
折れている
(くっそっ、こんなんたまったもんじゃねぇっつの)
足を潰せれば と
右膝裏を目掛けて強打し、靭帯の破損を狙った挙句自爆とか、、洒落にならん
(生身じゃこっちが喰らうかよ、お~イテェ んで、奴さんら再生すんだっけか 流石に真っ二つは即死してろよ~)
今一度 高速で羽ばたき、急反転してから目を細める
(残りは四人か 奇襲で一人ヤれたのは儲けもん、力技じゃ無理だ、、ろ?)
咄嗟に迫り来るモノから体をズラしたが
バスンッ!
と良い音がした
「ぃぃい!ってええなあぁ クッソぉ」
自慢なのかどうかは分からないソノ羽
数か所を勢い良く貫通したのは名刺サイズも無い程に薄い
鉄板だ
「いぃっつぅ、、デケェ的っつぅ訳かよ?」
当人に投げかけた訳では無い
目立つ白装束
そんな形をした大男は
「はぁ、結局手伝う感じになっちまったってか?」
何処か機嫌良さそうに
「まっ どうでも良いけどさ」
(神なんかに縋らなかった)
(人の良い神父様に手向けみたいなもんだ)
「ハッ、『テメェらくらい』なら何とでもなるからよぉ こいやこいやぁ!」
何処か生き急ぐ様に
背の羽を動かす
メバチコってこんな色々支障出るんだ、、って思ってるこの頃ッス




