373 強者
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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カラン
コロン
カラン
いや
今回の場合は
ジャッジャッジャッ
サク サク
といった
軽やかと言うよりは小気味良い、いつもとは違った意味で風情のある足音を鳴らす
近々で雨が降ったという訳では無い
場所が場所、前方を見る首を軽く動かし、右を見ようが左を見ようが同一の風景
木、木 しかないので 林
目が可笑しくなりそうなのを誤魔化そうと来た道を確認しようと後ろを振り返る、、が意味など無い
木だ
月明かりを覗く様に天を仰ぐもこれまたしょうがない
木、木、木 しかないので森である
周囲の様子は静寂
だがその中での気配、生命をやたらと感じる為、繋げて文字のままに『森林』の方が正しいのだろう
地元の山と違い、この場所が緑を失う事なんてのはまず無い
なんせエルフと呼ばれる生真面目な一族が生物の監視から保護、木々の処置すらも施している
何度も別種の者達が営利的な伐採を行おうが関係無いとばかりに
馬鹿みたいに
只々直向きに
森を活かす
(まぁ捕って食べるからこそ、なんだろうけど)
冬でも湿度が残る空間
自然が深呼吸を繰り返す暗闇の中
「 はぁ 真似なんか出来やしないねぇ」
大柄の男が一人
白い息を吐きながら下駄を鳴らす
彼は早朝の二時を目途に某ギルドを出ると依頼主の元へと向かった
待ち合わせはエルフの森の東側、ディーン大国の見える位置へと抜けた付近
丁度
どこぞのツインテールが身を隠していた掘っ立て小屋
はたまた
義足の青年が狼と共に空を仰いだ周辺
一人の老紳士が一分と待たせずに現れた
先に口を開いたのは烏天狗だ
「どうも、直接会うのいつぶりか分からんですが、俺が思うでも神父さんは勿体なかったんじゃないの?」
「えぇ、そうですね ですがゼブラ殿は自ら望んでいました故」
「あぁ、そっ、、すか」
天狗は思惑をくゆらせる様、軽く顔を掻いた
「申し訳御座いませんが、今は急ぐ理由があります 力がある者だからこそ、正しさn」「分かってる、分かってんよ めんどくせぇな~アレと契約なんかするんじゃなかったわあああ」
「、、ふふ、いつも通り余裕がありそうですね、ですが大丈夫でしょうか? 部下を置いて来たにせよ誰が聞いているともしれませんよ?」
「ははっ!ナイナイ、今は誰も居ないよ! はぁ、なんっつぅか?皆さん変な事考えるもんっスねー 俺だけならほっぽり出しちゃうもんなんだけど」
「ふむ、今回も本当に損な役回りをされている事は承知ですが 貴方は契約者の様な」
「あーはいはいはいやめてくれ、分かったから!行ってきますよぉ」
「アンタらは さ」
「はい」
「 何でもねっス」
「隠さなくても良いのですよ?」
「 うん、いや、また 何処かで」
「そうですか 痛み入ります」
悪くない
人等の筈だ
湿気多めの霜張る土
踏み散らすのは派手に目を引く白装束
「やっぱ足で稼いだ情報ってだけあったっつぅ訳だわなぁ!」
一気に羽搏き
背負った矛を高く掲げる
「ぁん 」
溜息同様
小言の様
「 ぁ 」
吐息が漏れたと同時に周囲がざわついた
「え」
「なッ!!」
「どこから!?」
「貴様ぁ!」
「ははっ、こんなもんかいっ!」
真っ二つにした後の骸を払い
「あぁっ!おっせぇおせぇ」
近場の者へと横蹴りを入れ
違和感に気付いた
(遅かったか?)
「一人、、足りないな?何処行ったよ?」
長物を背へと納め
周囲を見渡した天狗が首を鳴らす
急にプライベートで稼げ過ぎちゃって、、こっちで稼げりゃ良いのになぁ(笑




