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367 脱帽

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

3/7 2:30


「あいだだだ、う~でも凄いですよね~ まさか薬学にも精通していらっしゃるとは~流石 なん ですね~」

流石に限界なのだろう

魔女は緊張の糸が切れたかの様に手足を投げ出し

かわいた誰の血痕なのかも分からない汚れた床へと横たわる


「いや、いやはや、そんな 口にするのもお恥ずかしい、昔とった杵柄ってやつですな、、そもそも貴女程の薬師が何故?何処へも士官されていないという事の方が驚きですとも」

手を振り、言葉遣いまで変わった老将

こちらもまたお疲れらしく綺麗目な椅子に腰を掛ける


だがそれは最後の患者の前


「なるほど、なるほどなるほど?」


テーブルに腕を突っ伏すエルフの様子を伺う


「うぅ」


「これなら変に曲がってない分お前さんは切開しなくて良さそうだ」

折れた細い手首を少し強引に掴むとその辺の破片を添え木代わりにし

店内にあった布で強めに縛ると

「ほれ、終了っ」

癖なのかトドメの様にペシンと叩く


「いい˝ぃ ぐぅ  っ  はぁ あの カエ、、いや、皆の様子は どう ですか?」

白いエルフは涙目で姉妹の方を見た後に姫、大男の順に視線を移す


「む、あぁ正直期待を持たせる様な事は言えない状況ではあるがやれる事はやったとしか言えんな 吾輩から言える事と言ったら本人らの体力次第t」

「モミジ!」


大きめな声で言葉を遮った  ものの


「だいじょ ぅ ぁ あぁっ」

一気に上体を起こしきれず

「よっ、んしょんしょっと  ふぅ、大丈夫だから! 貴女も少しお休み?」

右へ左へと腕を揺らし



困り顔で微笑む



「、、でも」


「良いから   寝なさい?」


優しい声


それでも


苦い顔のまま動けないエルフ



そのどうしょうも無い状況に軽く鼻を鳴らし


「ふむ、まぁ話の続きではあるのですがな? 王都に息子が二人おりまして、ソイツらに今後は武力では無くこういった方向で時代を生きて行く様に教え込んでる訳なんですわ」

空気を読んでなのか

「小さな店をさせていたんですが少し前に提供元でもあった友人らを亡くしましてなぁ」

それとも素で読めないのか


違う意味でも空気を変えるかの様に老将は入口の扉を開く


「此処に村がありましてね  丁度あの辺、、彼女の薬もまた一級品でして、それを思い出しました」

強く目頭を擦り


少しだけ間をおいた後


勢い良く振り返り魔女の方を見る

「はははっ! またも小娘如きに突き飛ばされた時はどうしてくれようとも思いましたがな」


「え、あ あは、急だったし必死だったから~え~と」

こちらも空気を読まずに高い声で言訳を並べる


「いや!中々に重要な場に居合わせてしまった事もこれまた運命、この身をていしてでも貴殿らを一晩守ると誓おう! お前さんらはゆっくり休むと良い」



・・・



「あ~え~、あ~ 突き飛ばした件は本当にごめんなさい、そしてありがとうございます  ほら、モミジも」

(小娘では無いけど黙っておこう)


「え あ、はぁ ありがとう、ございます」

(途中良い事言ってたのかも知れないんだけど、、兎に角)




(( 無駄に長かった気がする ))











ムラサは身の周りを片付け終えると手持ち用の薬関係を分け、一礼をしてからモミジと共に座敷へと向かった


ぼやっと意識を戻していた大男と少しだけ対話し

首から脈を取り直し、包帯を変え、飲み薬を与える


次に

座らせる様、仰向けに寝かせていたラフィの手を握り

、、、気絶するかの如く意識を飛ばした


それに白いエルフが片手で毛布を掛け

隣で眠る姉妹の髪を撫で、額に口を付けてからチャラ男の腕を掴み


寒空の下へと出た


「いてぇ いってぇって、モミちゃ~ん 皆に比べりゃ軽症だけどよぉ、俺も怪我人なんだぜぇ?」



返答の無い空間



観念した様に


「ケイちゃん、すぐ巫女様に会えてると良いな?」

声のトーンを変える




そう

湯を沸かし終えたもう片方の双子

ツインテールをしていない姉は今、主を失った早馬を使い王都へと向かっている


薬で熱や痛みを止め

消毒から止血、縫合ほうごうを施そうが

まず





オルカの腕は間に合わなかった





複雑に折れた指、割れた骨からはみ出た筋肉と神経

例え優れた医者が居たとして、ソコだけに時間を掛けられないと判断された事もあるのだが


それだけじゃない



・・・



「すまん なんも 言えない」



・・・



「カエデは、、カエデを 囮にしたのは俺だ し っ なぶっ  !」


『何をされても』と

言い過ぎでもなく、字のまま、何をされても良いと吐き出そうとした所

胸倉を捕まれ


前歯付近に額が入った


「びいぁ なっぐっ!  も み 」




覚悟はしていた




だけど




これだけ


ただの一発、これだけだ


いつも冷静な方の双子は赤くなったデコを擦りもせず

なじる事すらしないまま寝床へと帰って行った




「、、逆につれぇっつの」

上がらない頭の中


零れた雫の為、願うばかりだ


二話くらいにする予定だったのでちょっと長め

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