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351 禊祓

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

3/6 15:35


飲み屋とは別の商売

単純な話、目的から逆算した結果 『金』 何をするにも稼ぎがいるってだけ

とにかくそれだけを考えて動いていた時期に繋がったのが嫌っていた筈の伝手であり、始まったのが外交で携わった人間から紐づく複雑な関係

ソレを辿ったら自然とこうなってた訳で、簡単に言っちゃえば昔取った杵柄きねづかってやつだ


武器や火薬の横流しなんかを一人で出来る筈も無い

それこそ何の商売だって人が必要なんだが、まず何処までをありとするのか、果たして管理が行き届くのか

その辺が危う過ぎて根っことする事は出来なかった


・・・


いや、商売なんて言ったら烏滸おこがまし過ぎる様な『お遊び』なんだろう

きっと今も悪い遊びの延長、、とでも言った方がまだ理解されやすいのかもしれない

それくらいにはバグってる  だが、確かにそこで生きている連中が居る現実


浸かり過ぎない様に

あくまで別の町で羽目を外して飲むついで  遊びの遊び


時にズボラな管理をする為、月に一度はこっちの国にも足を運んでたし勿論だがしっかりとした『仕事』も細々と二、三本は走らせている


近々の話では暴動が起きたって聞いてからは大きな利益が出そうな話も幾つか飛んで来た

あからさまにヤバそうな話から子供が聞いても分かりそうな程おめでたい噂話

かと言えば裏も読めないレベルの大物印が付いた手紙が届いたり、わざわざ王都の店にまで使いをよこすモノだってあった


大抵



殆どが罠だ



騙し合い、潰し合い、当たり前の話


逆に言えば吹けば飛ぶ様な組織なんぞは逃がさず叩き潰すだけで丸儲けも出来る

人数さえいれば利だけを求める事は割と簡単な事なんだ


だが まぁ  情が移ったんだろうな


コイツ等の事も嫌いじゃないから、今更まともな事以外は動く気になれない訳で


だからこそ




天下の巫女様には頭が上がらないってもんだ




(全く、危ない目に合ったくせにそこまで考えてんだから一石何鳥狙ってんだか分かりゃしね~)


「コウちゃんはとりあえずその辺座ってな、ほんっと数人だけど紹介出来そうな奴、、ってあん? ちょっと待ってて  おい!いつもカウンターに居たz、、、」

共に店、とは言えない部屋へと入った男は咥え煙草のまま奥へと向かう


「うええおいおい、流石に換気しろよー くせぇだけじゃなくボヤ騒ぎだぞこりゃ」

衛生的にどうかとも思う程劣悪な環境に思わず口を塞ぎ

べた付いた窓に手を掛けるが

「くっそ! 固まって開きやしねぇ、次来るまでに掃除しとけよ?お前らっ」

手の平を嗅ぎ、ズボンのもも辺りで拭いながら周囲を見る


きったない 狭苦しい空間の中


可愛げの無い「にしし」やら「へへへ」と薄ら笑いを浮かべる者

擦れた声で「すいやせん」と声に出しながら酒を飲む者

少し遠くでは指を差し、言葉にならない声で「ガッ˝グァ」と笑う者


その者達の視線を嫌な表情のまま確認を終え



「次もこんなだったらおしりペンっすっからな!」



大きく素振りをしてから眉を下げ

呆れ顔へと変わった辺りで入口に置きっぱなしの木箱を指差す


中身は勿論


「おおおお、さっすが」「まともな酒なんて久々だ」

「配れ配れぇ!」「来といて良かったわ」

「ツマミもあったら良かったんだけどなー」


整列なんてせず

だが、しっかり行き渡る様に無秩序な誘導が始まる



「った~く、好き勝手言いやがって  何でも良いから俺にも一本」

と言い終わる前

場に合わない綺麗なグラスが提供された


「あ、コレ一応みんなで金出し合ったやつらしいから、酔ってぶん投げない様にね」

共に店?に入った、、此処を任せている男だ

「綺麗な姉ちゃんなんか付けらんないけど勘弁してくれな!  んで?あの爺さん何処行ったか知ってる奴いねぇの?」


照れ隠し   っとでも取っておこう


目線の先で何人かの挙手が上がる


「朝にはいたよ」「世話になったとか言って丁寧に菓子折り置いてったぜ」


「菓子折りぃ?」


「と言う名の酒だよ! がはは、しっかり分かってるよなぁ」


「は?っざけんな!そしたら物わ!?」


「居た連中で飲んだ」


「だああよなあああ! クソ野郎どもが、俺らの分も残して置きやがれってんだよ なぁ?」


「なぁ、って言われてもなぁ  で?その爺さんってのは?」

コウはグラスを鳴らし前を見る


「ん、あぁ二週間くらい前だったか ふらっと現れてさ、情報が欲しいからって色んな仕事漁ってたモノ好きが居たんだよ  あの人結構何でもやるから期待してたんだけどな~」


その言葉に


「はっ、暴動騒ぎで少し変わったのも最近流れて来るけどよぉ? あんな物乞い今じゃ珍しくも無いだろ」


絡み酒が入るのだが


「馬鹿言え? あんなのわざとだっつの、溶け込む為にみすぼらしい格好してたに違いねぇ テメェらももうちょい眼ぇ磨けってんだ」



任せているだけはある



「へぇ、良く見てんだ?   店は汚ぇけど」


「この辺の連中とは対応も大分違ったしな、聞いた話じゃ元はどっかの軍人だとか言ってたけどあれはよくいる傭兵崩れとは別物だ 誤魔化すのに適当な事言ったに違いねぇ」


「それは勿体無いな   店は汚ぇけど」


「そうなんだよ、、いや、ごめんだけど掃除したって切りねぇんだってこいつ等の汚れ!! 勘弁してくれよぉ」  


「へっ、違ぇねぇ」


言われている当人らも含め、豪快な笑い声が響く別の『飲み屋』


知りもしない人間を救う為


金で動く組織の会合が始まった



分かりにくいかな?  ってか


ありなんかな?

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