346 義気
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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「困った時の神頼みじゃあねえが、天下の巫女様でもちったぁ信仰してやっても良いって思ったわ」
「カカカ、本来形的に言えば天使は神様の使いじゃからのぉ」
二人は入れ替わる様に手を交わし
巫女は怪我人の元へ
赤鬼は
「急いどるんじゃ、キマイラだかって類なのかは分からんが始末させてもらうぞ あ~お前は端にでも行って見物しとれ」
馬の尻を叩いてから
「ヴガア˝アァァァァ!」
「返すから受けとれい」
大斧をぶん投げる
ゴウッ!
と強風が吹き
自動車程のソレは見事にミノタウロスの剛腕へと直撃した
が
手甲で叩き落とした時には既に損壊していた様子
振り払う様な体勢で当たった為か刃の部分だけが肉を抉りながら吹き飛び柄が地を滑る
すると痛みに怒りを覚えたのか
「ヴオォォォ! ヴヴオォォァァ˝!!」
地を揺るがす程の雄叫びが上がる
その姿は何処ぞのツインテールとは比にならない程に可愛げは無く
目標目掛け闘牛が如く加速する
「まさか王都まで寄こして来るとは思わんかった、まぁたジンから離れてしまったからあっしの方がも~も~なんじゃが のっ」
衝撃
激突
正に衝突事故
巨大なアフリカゾウサイズの闘牛、いや、それよりひと回り大きなマンモスだろうか
その全力疾走は初速から徐々にスピードが増した
ぶつかった辺りでは速度にして約
80キロ
簡単に言えば
大型トラックが美女を撥ねた絵面だ
「カセン殿ぉ!」
「なっ、み、巫女様、此処は危険です下がりましょう」
「動員、槍を持て!」
「弓兵も一斉射撃準備だ!!」
「グダグダと好き勝手言ってんじゃねぇっつの 良く見ろ」
怪物の速度が急激に下がり
頭部からは噴水の様に血液が噴き出している
「おぉ!」
「レ、レッドナイトに続けぇえええ」
だが
「ヴッ ヴッ!ガアァ˝!」
止まる事は無く暴走を続ける
「わあああ、た、盾持ち用意!」
「重なり、何としても耐えろ!!」
そんな周囲の慌てふためく様子を余所に
「けっ、良いからてめぇらは馬走らせて民を救いに行けってんだ」
少女?は発光を始めるが
「み、こ 様 はぁ 私の事は置いて はぁ どうかお逃げ 下さい」
門番は力無い手を上げる
言わずもがな、勿論
「黙れ喋るな殺すぞ」
これである
いつも通りの悪態を吐き、まだ明るいにも関わらず眩しい程に光り輝く
(!? オーブの効果か? 矢もそうだがやはり向上してんな 注意しねぇと)
あっという間だ
プレートアーマーの甲斐あって蟷螂からの深手は無かったものの強打による全身打撲と骨折、及び内臓への負荷
その痛み全てが一瞬で消えた
「え、お おぉ!凄い ですが、、いや身を粉にしてでもお守り致します」
回復早々に騎士は巫女の前へと立つ
「ぁ? 必要無ぇ てめぇはさっさと新しい馬でも探して来い」
そう言うと少女?は別の詠唱を唱え始める
「「「 え? 」」」
巫女の言葉に反応した訳では無い
一同は
影のかかった空を仰ぐ
「お~お~その状態でも走り続けるんか」
高い位置へと舞い上がった赤鬼は撥ねられた訳では無い
その片手には毟り取られた
巨大な
角
重さを利用し、くるりと反転
軌道を整え
「そっちには行かせんぞ! っと」
ぶん投げる
本日二度目の剛速球
ボッ!
とだけ音を立て急降下
速度の落ちた怪物へと見る見るうちに接近しもう一度同じ様な音が聞こえた
致命傷
鋭利な側では無い為、突き刺さる事は無かったソレは
首から上を破壊した
「ふぃ~ナイスコントロールじゃろ?」
「はっ、脳筋が もう少し戦い方覚えろっつぅんだ」
飛び散った肉片と石畳の破片が大雨の様に騎士達を襲うがタイミングを見計らう様に巫女が障壁を張った
怪我人はゼロ
城側としても再度修繕費がかさむ程度で済んだのは万々歳と言った所だろう
「さて」
「急ぐぞ、てめぇらは言った通り馬掻き集めて全域、、いや、南地区以外を捜索! 討伐は遅れても隊長格連中に任せて良い、一番に住民の救助を優先しろ!」
身勝手な貴族や状況の読めていない上司なんかよりもこの上無い指示命令
小さな少女?からの檄にその場の騎士達は一斉に動き出した
二人は利口に戻って来た早馬へと飛び乗り
「またんか~小娘ぇえ~」
追って来る初老の男を引き連れ?
聖堂へと向かう
やっぱり強いぞヒロインズ




