330 平穏
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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「ね~、ね~ぇ~ケイは自分で言ってたけどさ~ラフィ達は留守番って、、なんか可哀そうじゃなかった? 買い物くらいは一緒に来ても良かったんじゃないの~?」
ツインテールの少女が露店を眺めながら隣へ問いかける
「ぁ?別に? 来たら駄目とは言ってねぇんだが」
銀髪の少女?も並べられた飾り物を適当に取り
興味無さそうな表情を浮かべている
「え? あ、そうなの? え? 嘘!?多分みんな! てっきり そうだと思ってるんじゃないの?」
予想外の反応に上手い事台詞が出て来ない
その場しのぎのリアクションすら出来ずに二度三度繰り返し瞬きをする
「え~シエルちゃんそれは流石に分かりづらいよ~、あ~あ、ラフィも来たがってたのにな~」
そのまた隣のシャーマンも分かり易い意地悪顔で巫女の顔を覗き込む
「けっ、知るかよ っつか最後は当人が決めたんだろが」
そう、巫女の言う通り
決めたのはエルフの長であるラフィ自身なのだ
「うむ、任せろ! しっかり気合を入れて、毎日集中して!目を見開いてだな!! 絶対にこの店を守ってみせるぞ?」
から始まり
「留守を任されたんだ、オルカ、スティル!防衛策として何か良い案は無いか? モミジ、カエデ!出来るだけ森での戦いが出来る様陣営を組みたいのだが、偵察や伏兵などは必要だと思うか? それと・・・」
と息巻き始めたあたりで
「姫様落ち着いて」
「念の為と思い、空とあっち方向の見張りは日々行ってますよ」
「気を付けつつ作業進めていくくらいで良いって巫女様も言ってましたから」
「今作っている施設もいざって時は雲隠れにはなるかも知れないですし」
しっかりと抑えが入った
そして
出発前には
「あぅあう やっぱり、買い物の付きそいだけでも 駄目かな? 駄目だよな どうかなぁ?」
出発時には
「うえあああ、私もぉお行きたいなああ」
と壊れ気味だった
が
「いや!私がしっかりせねばだ 大丈夫、ちっかりするから大丈夫だ!」
って時の顔は凛々しいものだった
(噛んでたけど)
「だが実際、アイツが居てくれるだけでも大分違うだろ?」
「え? ん~ あ~まぁ他のエルフさん達の心持ちは違うか 一応姫様だもんね」
「今となっちゃ森の皆からモテモテだからね~ ラフィも頑張ったんだよ~」
「正直アホっぽいし何考えてるのかシエルより分かんない、ですけどね」
(戦闘能力の話だったんだがな)
「、、ん、まぁ馬鹿ではねぇし、良いリーダーではあるんじゃねぇのか?」
「めっずらしぃ~シエルが褒めた!」
「あっはっは、あの子はしっかり周りにも頼るしね」
「ぁ? 喧嘩なら買うz」
「あ~あ~すいませ~ん コレ下さ~い」
ツインテールが巫女の手から髪飾りを奪い会計へと向かう
「ちっ、んなもんいらね~からな?」
「い~の~、ケイにお土産~」
「けっ、適当な、私に食いもんを寄こせっつう、、」
ふと目についた
ブローチを手に取る
「お? シエルちゃんも欲しいの見つけたのかな~?」
「お待たせ~ って!?え? 今シエルちょっと笑って無かった?」
「なんだろうね? 気に入ったのか聞いたんだけどうんともすんとも、、細工が無様だとかのそういう笑みだったのかな?」
「カカカ、辛辣じゃのぉ なんじゃ? 同じの付けてる人でも見たんじゃないんか」
面白そうにでも思ったのか遠目で見ていた赤鬼が寄って来た
「「「 あ 」」」
小馬鹿にしていた三人は目を疑った
「おい、コレくれ」
「買ったーーーー!?」
「シエルが!? 食べ物以外を!?」
「いや!?まさか キャンディと勘違いしてたりしないかな?」
「オーブが思いのほか美味かったんかのぉ?」
「シエル!? 流石にソレは駄目だからね!?」
「てめぇら、本当に人を何だと思ってんだ、、」
しっかりと紙袋を仕舞い
彼女らは次の目的地へと向かう
王都来て早々なので後ろには亭主も吸血鬼もいます




