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308 隠者

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

2/26 15:45


「どうしよっかなぁ   あ そうだ   にゃ、にゃあ うな~ん  ごろごろにゃ~ん」


「あ~なんじゃ猫か」



・・・



「とはならんって「どうしよっかなぁ」から聞こえとるからの?  良いからはよ出てこんか、後ろの巫女は気が短いんじゃからちゃちゃっと」

「知ってる」


「、、ぁ?」

赤鬼の後ろで少女?は返答に対し顔を歪ませ


片手を前に出す


「お~待て待て、今の今言うたのにもう手ぇ出そうとするのは流石に本当の駄目巫女じゃぞ?」


「けっ、何様だっつの   だが気を付けろよ?あ~ゆ~気の抜けてそうな相手の方が危険視するべきだ、、どけ邪魔だボケ」


元の位置へと戻るついでに包帯男が躊躇ちゅうちょ無く蹴られた

まぁ止めておけば良いものをわざわざ野次馬の様に近づいて来た本人が悪いのだが



カセンがシエルを放り投げてからまだ数秒も経っていない状況

赤鬼は到着と同時に奇襲を仕掛ける様な事はせず

とりあえずとばかりに手頃な岩をぎ取り、足元へと並べてその姿を待った


カラカラカラカラ


いや


ガリガリ ガランガランッ! と雑に何かを引きる様な音が聞こえ始め



影が見えた



っと思った矢先にその影は即座に岩陰へと身を隠した

相手の位置、向こう側からは灯りの影響で確認が取れたのか気まずそうな声だけが聞こえる


だが

考えをまとめてから喋る気が無いのか


「うわぁ面倒臭いのに会っちゃったなぁ  まだやんなきゃいけない事あるからバレたくないんだけど、、ちょっとどっか行っててくれない? 仕事はしてかなきゃいけないから邪魔なんだよね」


心の声が駄々だだもれである


「拍子抜けじゃのぉ、その言い回しじゃあ知り合いっちゅう事なんか?」


「そうだよ! でもあんたらには用無いし、直ぐ終わるからさ せめてあっち向いててくれないかな?その大きさなら一分も掛からないから」


「ん~? んんんん? ぜんっぜん分からんのぉ、、聞いた事無い声じゃし言ってる事もちんぷんかんぷんで訳が分からん   何処関係じゃ?」


「何処?  何処って、、あそこでしょ?」


「どそこじゃ?」

「っだあぁ!てめぇらの会話の温度でやってたらキリねぇっつぅんだ!  バレたくないっつってんだからどっちみち敵側だろが正体見せろコラ」

グダグダ具合に痺れを切らし巫女が声を上げ、そのまま


(この距離なら詳しく読めるか?)


感覚を研ぎ澄まし小さく詠唱を始める


(、、やはりカセンと同じだ、巨大な魔力持ち 魔族のソレと何が違うんだ?)




   いや   




違わなかったら?




コイツらも


もしや



「アイツラとは違うからね?  ってか魔力だけで判別してたらその内痛い目見るぞ?」



岩陰から透かされたかの様に






「シエル」






的確な声が上がった



「なっ!? てっめ、、」


見透かされた事、己の名を呼ぶ知らない声に駆け寄るがやはり赤鬼が前に出る


「何者なんじゃ? 敵対してないんならこっちに来たら良いじゃないか」


「だから~姿を見られたくないんだってば! もうちょっと後じゃないと色々面倒なんだ、勘弁してよ」


「ん~らちが明かんのぉ 力尽くで引きずり出しても良」

「それは止めといた方が身の為だよ?  あんたもどっかの神なんだろうけどこっちは規定もあるからさぁアレコレ加減とかも出来ないし」







「殺しちゃうよ?」







何を知っているのか



だが少ない台詞からでも分かる



自分達よりも自分達の事を把握している存在



ソレから流す様な言い回しで溢された殺害予告




そんな事など気にもせず




包帯男だけが間の抜けた表情でドラゴンの腹部を見つめている



大物っぽくは無い

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