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307 推理

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

2/26 15:30


「あ~まだまだ隠してる事があるんか?  それとも聞かれた事しか喋れんのか」

赤鬼はまだ無様に転がっている包帯男の首根っこを掴み、地べたに座らせると目の前を陣取り

「とりあえずこの状況、今どうなってるんか説明してみぃ」


その目を潰すかの様にジッと瞳を合わせる


「え、あ うぅいや、昨日連絡していた人達が確認しに来た のかも?  ほら、こうやって拘束されてたから連絡取れて無いし」

すぐに目線を逸らし口元をモゴモゴと動かす


「それだと龍を殺った理由と繋がらんじゃろうが、爆弾と龍で挟み撃ちして逃げてく先にそやつらが待ち伏せしてる、、って作戦だったんじゃろ? 言うならば味方側 筋が通らんぞ」


「知らないよ  さ、作戦失敗だから土産に黄金でも持って帰ったんじゃない?」


「お~?そいつは可笑しいのぉ、黄金はお前さんが欲しがってたんじゃろ? わざわざお宝の場所を教えたんか?」


「ぁ あぁ、そっか教えてない かも」


「そっかって、、お前さんアホじゃろ?」

(って事は本当に分からんのか? 初見の反応も意外とでもいう様な驚きかたじゃった)

「はぁ、しゃあないのぉ  シエルー! そっちはどうじゃ?」


「、、ん、もうちょい待ってろ」


一応は聖職者の筈なのだが


巫女は不謹慎にも、もう動かない、横たわったドラゴンの上に居る

靴なども脱ぐハズ無く、ズカズカと大きな体をあっちへこっちへと歩き回り



思考している



掻っかっさばかれてるのは首から胸部分、前足も片方無い

本当に黄金狙いなんだとするなら腹を開けるんじゃないか? そもそも、龍の鱗をこうも切断出来るものなのか?


今も零れ出る血液を念の為避け、切り裂かれた部分を探る


スパっと真っ二つって訳では無い訳か、、これは、溶けてる のか? 摩擦熱まさつねつ? 焼き切った?

所々に貫通痕もある って事はもう片方の得物は例の銃ってやつか、、だが火薬臭やら痕跡が無い


シエルはドラゴンから飛び降りると次に周囲の壁、岩場を松明たいまつで照らして周る


「  あった、貫通した後のくせに深ぇな」

ドラゴンを貫通した先

弾痕だんこんを発見すると今一度



感知魔法を試す



(微かに魔力の残り、、魔法使いか  っつか感知出来るじゃねーか、龍脈りゅうみゃく的なもんかと思ったが)




・・・




いや



単純に




毒龍コイツがもう弱り切ってたって事か




感知出来ない程に




「けっ、只の死にたがりってだけじゃなかったってか  しょうもねぇ」


「お~お~独り言が始まったって事は整理着いたんか~?」


「まだ不充分だが、、ん?」



! !!?



巫女は大きな瞳をいつものひとまわり程大きく見開くと直ちに詠唱を止めカセンの元へと一気に下がった


「なんじゃなんじゃ?珍しい なんか怖いもんでも来るんか?」


「てめぇと同格だ!さっきまでは一切感じなかった、、から魔族 いや、違う、魔力自体がある訳じゃない、のか?  良く分からんがてめぇに似たのがこっちに向かって来てる」

(ドラゴンや弾痕に残ってたモノとも別格  クソ  一気に仕留めに来たのか!?)


「あっしに似たの? んじゃ~妖力だか魔力だかが強いんか? 火の?」


「ぁ? あぁ、火、、そうだなこの感じは火だ 良いから構えろボケ!私も一気に大魔法飛ばすからニ分弱なんとかしろ」


軽口の様に言い終わるが表情は真剣そのものだ

詠唱へと入る前に手を胸に置き、小さく深呼吸をした後に喉元を擦る

魔宝具は来る時に取り上げられた、、からこその今までに使った事の無い


禁忌きんき  魔の法


自分の身体が持つのかなど考えない

出来れば赤鬼だけは巻き込まない程度に、とだけ念頭に






ワードを口にする






一気に空気が変わり大気上に歪みが現れ


足元の砂は舞い、地盤が激しく揺れる






事は無く






「ちにょ むふぁ!?」

「ダーメーじゃっちゅ~たろぉに」

赤鬼が巫女の小さな口を片手で塞ぎ

「そんな危なそうなん使ったらシエルが死ぬじゃろが ほんっとそ~ゆ~んがアホじゃっちゅうんじゃ」

子猫の様にバタバタと藻掻く少女?が噛み付く前にミイラ男の方へと放り投げる


「うぎゃっ」

「っだっ! てめぇ何して、、」

両足で無事、柔らかい腹辺りに着地するとカセンに食って掛かろうとするが






「同格なんじゃろ? いい加減仲間を信用せぇ   駄目巫女よ」






準備運動をしながらカカカと笑う赤鬼の背中には


重量感のあるドワーフの荷物がぶん投げられた



巫女の大技は不発ばかり

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