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269 魔物

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

2/25 15:50


ん、ううん?あれ?

どうなったんだっけ、なんか気持ちの良い感じで、、たしk


さっむ!


「って、ええ!?えっ!」

もちろんびっくりした、本当はまず口とかその辺りを拭いたかったのだが、目を見開き早々に

「降りゅろ、降ろせ おい!」

少し不細工な顔をしながら腕に力を入れる


「ちっ、目を覚ましたか」


「暴れんな!この高さだ、落ちたらどっちみち死ぬぞ」


「なっふっ!ざけんなてめぇ、、ら!?」


びゅうびゅうと冷たい風が頬、だけでは無く全身に強く当たる


ふと意識を戻した喫茶店のマスターは咄嗟にバタバタと暴れてみた

だが足元の踏ん張りが効かない事にまず気が付いた

気付いたと言うよりもその部分しか動かないので不思議な感覚だ


両脇を固められ両腕を抱えられ、上空を足掻くだけ

正に無駄足、無駄な足掻きと言うやつである


(どおりで寒い訳だ、、じゃない!なんだっけ  ロゼ、そうだロゼはどうなった!?)


大人しくぶらりと力を抜き

一旦左右を強く睨み付けてから思考する



俺、えっと、何されたんだっけか

飛んで来たこいつらに体当たりされて?頭打ったとか?衝突事故みたいなもんか?

、、いや、体当たりじゃないな確か、突進と共に首を持たれたんだ、首を持たれてそのまま飛んだのか?


頸動脈けいどうみゃくを一気に圧迫され血液の循環障害じゅんかんしょうがいが起こった

所謂いわゆる失神、気絶である


くっそ、まだそう暗くは無い、何分?どれくらいの時間気絶してたんだ?ってっか!

(マジくっそさみぃっつうの!これ寒さで目覚めたんじゃね?)


痺れる様に鳥肌を立て、ガタガタと自然に震えが来る


だがそれでも


つい先程の残虐な、、幼子の倒れ行く姿が脳裏に残り頭の中は皮肉にも冷静さの方が勝っている

決して慣れた訳じゃない、悲観する前に動けるのならそうしたい、それだけだ


目だけで辺りを見回し


(何か手がかりは、何か戻るすべは無いか、何か 何  か!!?)



思考だけでは無く、美的センスに関しても普通の人間だ



ジンは  目を疑う



「ぇ  え?」

リアクションをしようとした訳では無いのだが、間抜けな声だけしか出なかった


だがそれはジンだけでは無い

腕を抱える連中も同じ感覚らしい


少しだけ力が抜けるのが分かる


「な、なんだ?あれは」


「魔、物?か?、、まさか、吸血鬼に聞いていた例の?」


目の前、正確には足下の地上部分


確かここ最近

しばらく雪は降っていない筈だ


なのに


白く、切り取られたかの様にその周辺だけが枯れている


ソコには大きな一本の大樹  もしくは





『魔物』





それはおどろおどろしく恐ろしそうな、異様


だがどこか美しく    悲しそうな




「ィ   ロ˝  」




動いているのか止まっているのかも分からない

ゆっくりとしたゾリゾリ、ズルズルと言う這いずる様な音

そしてこちらを見た? そんな気がした後にボボボボかゴゴゴゴ

例えるのなら遠くで飛行機が飛ぶ様な低い音

それか

何かの唸り声


そんな音がしてからすぐ、何かが向かって来る気配がした



寒気がしたのは強い風が吹いたから?




ボンとかボッ と勢いの良い破裂音が近くで聞こえた




それと同時に




暖かく


心地の良い飛沫を両脇から浴びた






「わあああああああああああああ」


シャワーの様に噴射され、降り注ぐ液体で直ぐに全身が真っ赤に染まった


「いやあああああああああああああ」


高い声を出したのジンだけでは無い


そちらに目を向けたいのだが一番にドコを見たら良いのか分からず、落下が始まる



二つの


既に事切れている残骸と共に


ちょっとグロすぎたので削りました

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