22 鬼人
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
8/13 19:30
「アレは本当に人間か?」
銀髪ロリがゆっくりと地上へと足を着けながら呟く
「人間ではないですけど、鬼が全部あ~って訳では無いですよね?きっと、、どちらにせよ絶対敵にはしたくないですが」
くせ毛の従者も少女?を降ろし終え、呆気に取られている
それもそのはず
シエル達が確認出来た20体程の怪物は1分もしないうちに肉塊とバラバラになった金属へと変化したのだ
「お~ はぁはぁ ロリ巫女じゃないか 奇遇じゃの?」
服も真っ赤に染まったその姿はまさに 『鬼』 である
「きったねぇな 死にかけが」
「カカカカ、可愛い顔して口の減らない奴じゃの はぁ、つい最近お前さんもこんなじゃったろ?」
「はっ、そこまでにはなってねっつの 治さねぇぞ?」
と言いながらも真っ赤な鬼に駆け寄り
詠唱を始めた
その姿は見るも無残で
服は機能を果たせていない程に千切れ
上から
肩と呼べる箇所は齧られたのか酷く抉れており
腹部と太腿部分には小さな穴が数カ所
両の手は表も裏も赤黒くて見ただけでは確認が取れない程に損傷している
「喉乾いたけど気持ち悪いのぅ あ~酒飲みたい」
「、、もう何言ってんのか分かんねぇけど無駄に喋んな、殺すぞ?」
口の悪い巫女の手が発光を始める
8/13 20:30
従者が町全体と近くの森まで視察し終わった所
「大丈夫そうですね、周りには被害も出てません 森の方が若干騒がしかったのでもしかしたらエルフと化け物がやりあってるのかもです」
(どれだけの数がいたのか分からない、けど東門からほぼ町には入って来ていないって事か)
「ん、了解 しかし お前は何者なんだ?普通死んでるぞ? なるほどそうか化け物か?」
勝手に一人会話を完結させると巫女の身体から光が消える
「あっはっは、どうなんじゃろうな? ちなみに眠いのじゃが寝たら死ぬぞ~ってヤツか?これは?」
「中身と皮膚は治ってるからあとは知らん、くそ 頭痛ぇし寝るわ」
大量の魔力を消費した為、近場の石壁へともたれ
すぐに眼を瞑った
「流石巫女様じゃの! ふふ、助かったよ あ~ 酒 飲みに 行かない、と 」
流石の鬼もそのまま眠りにつく
「・・・」
(え、しれっと道端で寝てますけど これは二人共俺が持って歩く感じになるんですよね?)
シフは口には出さず、カセンに自分の上着を着せると肩に担ぎ
小さな方を小脇に抱え
休めそうな所を探す
(しかし 今回もタイミングが良すぎる気がするな 、、ん?)
「だ、だいじょうぶですか?」
怯えた様な声が聞こえ
三人の若者が近寄って来た
「えぇ、町を救った英雄を運んでるだけですよ 貴方達は?」
「私はその人と依頼を受けたしがない商人でリッツと言います、音が止んだので出て来ちゃったんですけど」
茶髪の青年は大量の包帯や傷薬を両手に抱えている
「あれ?もしかして夜盗除けの仕事出してた方ですか?」
「そうですそうです!この状況ですし夜盗なんて関係無くなっちゃったんですけどね、窓から見てましたけど、、そのお姉さんには酒奢るどころの借りではすまなくなっちゃいましたよ」
「はは まぁ、寝ちゃってるのでなんですけど多分この人はお酒で良いと思いますよ?」
決してシフは適当に話している訳では無い
「それはそうと? そっちのお二人は」
後ろの二人を従者が睨み付ける
「あ、酒場で一緒に様子を見てまして 魔法を扱えるそうなので一緒に来てもらったのですが」
商人リッツは少し横にずれながら紹介を始める
「あなた達、確か討伐隊にいましたよね?」
珍しくシフの口調は強めだ
「はい、あの時は世話になりました」
「まさかあんな感じになるとは」
『あの日』に同行していた魔法使いの二人である
「お知り合いだったのですか?」
「えぇ、まぁ」
シフはゆっくりと壁際に寄り
両腕に抱える美女達を降ろそうとする
「そんな怖い顔しないで下さいよ」
「そうですよ」
「『火を少し扱えるくらい』なんですから」
二人の魔法使いの両手から炎が放たれる
絵が書ければな~




