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169 調理

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

2/10 12:15


「別に教えるのは良いんだけどさ、今はもう手~つけちゃってるから、っほい!とりあえずアルも運んで運んで」

亭主はガタついたキジ柄をチラリと見てからフライパンごと鍋敷きの上に置く


「おぉすっごい、美味しそうじゃ~ん、このまま持ってくの~?」


「持ってったら混ぜてから分けてやって、重いから両手で持ってけよ?」


「はいは~い」

決して非力と言う訳では無いのだがそこは女子、しっかりとミトンを装着しテーブルの方へと運ぶ

「はいよ~真ん中場所空けて~熱々だから気を付けてね~」


「、、まぁ、猫忍達にはアレでもいっか」

言葉遣いを言おうか迷ったが気にする様な仲でも無い

(しかし言われてすぐに練習したいとかメンタル強いなおい、やっぱ若さか?)


次の品用にと新しい鍋を置き、火に掛けておいた寸胴から湯を移す


「うんうん、おっけ~おっけ~コレも~後でスープにするから~」

軽く小皿にすくい上げ味をみる

(ってかあいつらなら骨も食えると思うけど、、一応猫だし取り除いてやるか?)


ざっくりと切った鶏肉と白菜、根菜を大雑把にぶち込み蓋をする


「あ!そうだシエル~猫らは葱ダメだからコレは『お客さん』に食べさせ」

「ざけんな」

「反応はえ~よ!シエル用には別で作ってやるから、肉もらえんだから良いだろよ、あ エバ取り皿も持ってってやって」

出来るだけ巫女の目を見ない様にしながらドールに指示を出す


「最初に持って行ったのだけれど?」


「えっと、アルが持ってったビビンバ用 卵も入ってるからちょっと深いやつ、お米用って言えば良いか」


「、、そう、お米用、分かったわ」


「おん、頼むわ~」

(よし!一発で伝わった)



・・・・・・



その後も大皿、もとい鍋ごと3品追加で出したがにゃんこ達はペロリと残さず平らげた

普段ジンを見る顔が仏頂面の茶トラもニコニコ顔である


こういうのはやっぱり作ってる側からすると嬉しい限りだ



「んで~?アルは何が作りたいの? 見ててやるから自分の昼飯用に作ってみれば?」

残った材料で晩の仕込みを始めながら少しスペースを空けてやる


「え、それは~嫌かな」


「なんでだよ!」


「美味しいの、食べたいです」

目線を逸らしながら似てない声真似をする


(なにそれ、ちょっと可愛いじゃん  まぁ~あ?美味しいって言われて悪い気はしませんよ?)

「そんなんじゃ上手くなんないぞ?」


「う~でも~、えっとまぁその~料理もなんだけどさ」


「え、何?」

ハッキリしない少女に素直に疑問形が出る


「ジンが~ほら、この前言ってたじゃん?」

少女は何故かモジモジとはにかんで見せる


(何その顔 恥じらってるの?)

「俺なんか言ったっけか?」


「なんか~、もうちょいで~、、甘い物をあげる日なんでしょ?」



!?



頬が勝手に緩む


「あぁ~はいはい、そっちね ふっ、あぁそういえば言ったな!」

髪を弄り出すアルを見てついついにやけ、息が漏れてしまう



そう、この世界にはバレンタインなんぞいう風習は無い

起源を辿ればローマのほにゃららとかだったか?それともメーカーの策略だったか?

そもそもローマが無いんだからそりゃそうだ、ついでに言うなら女性陣に着せてはいるが『サンタ』と言う存在だってこっちの世界にはいない

だからこそ分からずに「可愛いじゃん!」って着てくれている訳なのだが


まぁ要するにだ


「キーロに送んの?」

へへへとした顔で少女を見る三十路の表情をきっと世間ではセクハラと呼ぶのだろう


アルはイラっとした様子を見せるが立場上、黙ってニ、三度頷いている


「はっは~そっかそっか~、しっかしな~」


「ん?」


「俺さ、お菓子は作った事無いんだよね」




「へぁ!?」

期待外れと不意を突かれたのもあり、依頼中で此処にはいないエルフの様な声が出る




そして急に恥ずかしくなったのか


弄られた感を一気に解放し亭主の腕をバシバシと叩き出す


息抜き会を挟んで行きます

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