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160 遺憾

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

12/14 12:20


「流石 わんころ だな はぁ、早過ぎだろ」

スティルは手慣れた様に木々を掻い潜る


前を飛ぶ様に移動するリュックと青年を目印に追っているのだがその速度は桁外れに速い

恐らく一匹での走行であったならとっくに見失っていただろう


それでも距離は一行に縮まらず、遠ざかっていく一方なのだが


(格好付けて追って来たってのによ  !?  しめた!)

前方向に族長を見つける


ラフィは剣の事を考え、被害が出ない様にと他の者達には近寄らずにいた

今も埋まっている残りの木の根を薙ぎ払い、、血を吸わせている所だ


「姫様! そいつらが元凶だ」


スティルの声に察したのかフェリスは速度を落とし直角に曲がる


「賢過ぎだろ!」


「!? 今のは あの時の」

ラフィの脳裏には旧王都が浮かぶ

「スティル、アレは危険だ私がお˝っ  私が追う!」

剣を鞘へと納め、背負ったと思ったら木と木の隙間に引っかかった、、ので地へと下ろし弓を持ち替え走り出す


「気を付けて下さいよ~ 姫様~!」


その声にふり返るでも手を振るでも反応がある訳では無いのだが



・・・



スティルは肩で息をしてから周りを見渡し、少し奥の仲間達を視野に入れると歯を食いしばる


そして、もう一度深く呼吸をしてから、、ゆっくりと歩き出す




仲の良かった



憧れだった



同い年の友人を近くで弔う為に












12/14 15:30


「あ~そういえばアルは良いんかの?」

一番後ろを走る赤毛がすぐ前に声をかける


「ぁ?いなきゃアホでも動きがあったんだと思うだろ」

銀髪の少女?はめんどくさそうに返事をする


「そうじゃが、置いてかれた~って後でわんわん言いそうじゃあないか?」


「知るか、ソイツ(ラフィ)の話だと実際にこっちのがヤバそうだろが」


「そうですね、一人で待ってたら心配ですけどあの子の足なら異形からでも逃げ切れるでしょうし」

巫女の前からも従者が返事をくれる


「ちゃ~んと帰ってれば良いんじゃが、お~?到着かの」


「あぁ、ここだ すまないが、巫女殿」

エルフが体力的では無い疲れの残る顔でシエルを見る


「とりあえず重傷者から診る、その他は一塊にでも集めとけ」



ギルド一行はラフィの案内でようやく例の場所へと辿り着いた

辺りは沈静化しているのだがしぼんだ異形のミイラやら血液を流している木の根が其処彼処そこかしこに散乱している、見ているだけでも気分が悪くなるだろう


「皆! 巫女殿を連れて来た、怪我人は集まってくれ  オルカ状況は?」


族長の帰還、一声に活気を取り戻す者もいたが多くは悲しみに暮れている

それ程の者が亡くなったのだ


「死者は、、バル王子のみで近くにいた数人が重軽傷」


!?


「それと、行方不明者が数人」

「待て待て待て」

体格の良いエルフと族長の間に小さな巫女が割って入る


「む? 巫女殿?」


「バル王子ってなんだ?」


色々な可能性、思惑が巫女の頭を駆け巡る


「なんだ?王国側のヤツが死んだのか? それともあの『バル』が王子だったとかってオチ、じゃないよな?」


「あ、あぁ   そう、か そう  だな」

「あ~あ~良い良い、すまん、すまなかったよ  一旦後にしよう、シフ!怪我人並ばせろ」

頭の中の引っ掛かりを抱えながらもエルフの心情を優先する事を選ぶ



のだが


すぐに一つ目の『心配事』は解消される



「シエル様!」


従者が肩を担ぎ一番最初の重傷者を連れて来る


「ぁ 巫˝女、様」


「はっ、声もさながらだがひでぇツラだな」

それと

(酷い怪我だ)



眼が腫れ、声の掠れたバルの腹部と両足、剥がれた爪に折れた指の確認を終え



巫女は発光を始める


アナザー版も書きたくなって来た

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