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159 支配

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



「タイミングが良いのか悪いのか、大丈夫でしたか?」


「あぁ、目的は達成だ」


「それはそれは、、あわよくば戦姫も?」


「少し惜しいが、試してみるか」


「くれぐれもご無理なさらぬ程度に」


「『あの子』には怪我をさせない様に調整しなくてはな」



大事な



大事な










12/14 12:15


(何、何の  声?)


キーロはその嘆きの様な叫び声に鳥肌を立てた


(王子って、、言ったのか?)


嫌な汗が流れる


「キーロ!」


「え」


足元にいたフェリスが強引に抜け出しキーロが引っ繰り返る


「ルイ! ダメダ ガゥム」

即座に背負っていたリュックを噛み締めキーロごと後ろへ 2、3と跳ねる


「ちょ、フェ リ!?」

10mは離れた、ルイを心配し元の場に目を向けると



驚愕きょうがくした



パキパキ パキパキパキ



今の今まで居た場所、その周辺の木々が一気に枯れていく

それだけでは無い

ルイが目を見開きこちらを見ている


いや


ルイ、、であった者と言うべきか


腰から下には足と言う部位が見当たらず下半身が全て木の様に変わり、土と同化している

ルビーとサファイアの様だったオッドアイは両方が濃いアメシストの様な紫色に変色し、頭部からは枝?の様な物が角の形状でメキメキと成長を始める

その姿は正に





『魔物』





(なんだっけ 化物を倒して、、王子様を見つけたんだけど)



そんな魔物に


慈悲などは無く


「撃てぇ!」



ドス! ドス!! ドス!!!



駆けつけて来たエルフ達の矢がスティルの合図で魔物の頭部、喉、胸に深く刺さり



貫通する



「ルイイイ!!!」


モーズの嘆き同様にキーロの声が森中に響く


「フェリ! フェリス放して、ルイが!  ルイがぁ!!!」

地を這う様に魔物の方へと力を入れる


「ダメダ キーロ ダメダ ハナレルゾ」


狼は再びリュックを口に咥え直すとエルフ達の方向へと駆け出す


(あぁ、キーロが 離れて行く)



「な、なんだ!?」


「グゥルウウウ!」


「うわああ!」

「あああああ」


先頭付近にいた弓兵を体当たりで二人転倒させ、三人目を土台に使うと前に高く飛ぶ


「ちっ、そうだな兄ちゃんの方もいたんだった  っな!」

スティルは着地するであろう付近へと手持ちの剣を投げる


しかし、それはフェリス等に刺さる事は無い

身軽に飛んだ先の大木を前足で薙ぎ倒し新たな道を造ると三角飛びの要領で斜めに飛ぶ


「あぁ、ヤベ~のは『そっち』だったって訳かい  お前らここは任せるぞ、油断するなよ!?」

投げ損じた剣を素早く拾い直し、フェリスの後を追う



・・・



「いっつつつ」


「大丈夫か? 怪我、、は無さそうだな」


「あぁ、しかしスティルのやつ、意外に出来る奴だったんだな」


「確かに、オルカと二強で討伐隊やってるだけあるわ」


「さて、、王子さんの仇だ、息の根しっかり止めないと」


エルフ達は各自の武器を手に持ち




目の前に転がる魔物へと振りかぶる






【ねぇ、キーロは一緒に森には住めないの?】


【流石に全員帰って来ないってなると探されちゃうからね~】


【ダイジョウブダ キタヤツ コロシテヤル】


【それだと何も変わらないでしょ、ちゃんと遊びに来るから良い子で待っててよ】


【そっか、うん分かった待ってるから 必ずだよ】


【オウ オレタチ マッテルゾ】



「キー、、ロ」



ルイであった者は涙を流しながら




そっと微笑む



ドス!  ドスン!  ザク!  ザク!



枯れた木々の周辺が



足元の雪が



真っ赤に色を染める


書いてる側も辛いのです

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