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156 奮闘

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

12/14 11:30



はぁ はぁ はぁ



ぜぇ はぁ



「二人共  だ、大丈夫?」

義足の青年は肩で息をすると小声で呟く


足下の雪は森の中と言う事もあり2〜3cm程それでも彼からしたら、いや、義足で無くても常人には厳しい筈だ

足の速さ、体力共に一番足手まといになっているのだが彼の優しい性格が見て取れる


「オレハ、、」

「喋っちゃダメだから」

狼の口をオッドアイが咄嗟に塞ぐ


杞憂きゆうである

恐らく今の状況、多少喋った所で他の者には聞こえはしないのだから




「っ!」


「今だ」


「おぉおお!」


ビュンと矢が飛び、刺さった者が怯んだ隙を見て脅威きょういになる腕を斧で飛ばす


「キヤアアア  ああぁ ああ˝」


その鎌の取れた切り口からは真っ赤な飛沫が噴射する


「あ  ああ? ぎゃああ!」


「そっちにもいるぞ下がれ!」


別の木の陰からも無表情な顔が覗く


「止めはいい あまり出過ぎるな、動きは遅いんだ 慎重に狙え」


オルカと呼ばれていた体格の良いエルフを中心に数人のエルフが異形と戦っている


「固まって動け! くそ、きりがないな」


数が多い為、殲滅ざんめつではない

後退しながら徐々に数を減らしていく方法を選んだのだが矢の消耗が激しい

いや、それどころか、時が経つ程に数が増している様にも思えて来る


「どうするオルカ、撤退か?」


「いや、ダメだ援軍を待つ」


「こっち! もう矢が無いぞ! 矢無しは危険だ」

弓兵が最後の一本を引く


「見失った場合の方が厄介だ、殿しんがりは俺が務める、石でも何でも投げて気を引いてくれ!  おおおおぉ!」


最後の一本が刺さったソレにオルカの一撃が決まる





残りその数





約200





「ハナセ アンナノ」


「ダメだってば」


「まだ、ぜぇ 大丈夫そうだから! 逆にエルフの人達に狙われちゃうよ」


加勢しようとしたフェリスをルイとキーロで地に押し潰す


「デモ」

「だから喋っちゃダメだってば、、ちょっと、その、魔法、使ってみるから」


「ルイ?」


「木が沢山あるし、きっと  大丈夫、と思う」

性質上?なのか自由と言う物を目の前にしてなのか、森に入った時からルイは少しポジティブになった様にも見える


ルイの能力

それは他の生物から栄養 すなわち体力、命を奪い自分のモノにするもの


そして同時に、キドナの言葉が脳裏に浮かんだ



【もう一つ、あの子達が魔法を使いこなせない、、いえ、暴走させてしまう一番の理由  それは】



【感情】



キーロは額の汗を袖で拭い、生唾を飲む


(王の宝玉を此処で異形に使っちゃってもそれはそれで怪しく思われる、、大丈夫、首輪もしてる 失敗しても被害は大きくはならな、、)





(いや)





(そうじゃない)





瞳を閉じ詠唱を始めるルイの後ろへと回り込み、優しく身体を支える


「うん、大丈夫 大丈夫だから落ち着いてやってごらん」


一度頷いた、その口元が少しだけにやけてくる


「ソウダ ダイジョウブダ」


下敷きになっている狼も大きな尻尾を振り回す




メキメキと身近な木々が音を鳴らし


所々の地面が盛り上がり始める


それは徐々に、ゆっくりとエルフ達の足元を越え異形の元へと辿り着いた




ルイの足元に衝撃が走る




キーロやフェリスは震度5程の揺れを感じた



と同時に



ドン!  ボジュ!


ボゴ!  ボゴン!  ドスッ! ドス!


ドン!! ドゴン!! ドン! ドン!  ドン!!



次々と地面から木の根が飛び出し異形を貫く



「ギィイイイ」


「キィャぁぁあああああ」


「キー  キイー  キー」



気味の悪い悲鳴と


台風の様な赤いシャワーが降り注ぐ


擬音部分もうちょっとどうにかならんもんかな

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