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136 決意

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

12/8 22:00


「あ、ただ いま」


「うん、おかえり」


ルイが軽食を持って部屋に帰って来た所だ



「フェリス?」


部屋の隅で丸くなっている塊を見て心配そうに声をかける


「大丈夫、不貞腐れちゃっただけだから もう寝てるんじゃないかな?」

精一杯微笑むがキーロも今日はお疲れなのだろう、眼鏡を取り 少し老けた様な表情をしている


「怒ったの?」


「ううん? どうしてこうなったかは聞いたけど気持ちは分かるからさ」



「そっか、、良かった」

オッドアイをしたボブカットは少し満足そうな顔でキーロの隣に座る

「キーロも食べて?」


バタバタした後で何も口にしていない事は分かっていたので軽食と言っても三人前がトレイに乗っかっている

その中の少し大きなサンドイッチをキーロの手に持たせる


「あぁ、ありがとう ルイは? 何か嫌な思いしなかった?」


「あったけど、、フェリスがやっちゃったから大丈夫   あ!でもキドナとお話した後、王様から聞いたよ?」



!?



「ああああ そうだった、どう、何?聞いた?」


本気で忘れてしまっていたのと先に知られてしまった事

焦り?と言うか不安と言うかその様な感情が一気に来た


王と軍師はあくまで穏やかに、綺麗な言葉を並べていたがキーロの頭の中で直訳されている内容はこうだ


【フェリスとルイを使い王子を取り戻す】


そんなもの


下手をすれば国同士の争い、戦争を起こす様なものだ

キーロは眼鏡を外しルイの顔を上手く確認出来ない事もあり、、軽く困った表情をしてしまっていた



「王子様がさらわれちゃって困ってるからキーロと一緒に助けて欲しいって」



・・・



「え、、それだけ?」

サンドイッチを含んでいたのでタイミング良く、自然に間が空いた


「それだけだったけど?  凄く、目を見て?って言ってた」


「代表、あ~えっとキドナさんは?」


ルイはニ度程瞬きをすると腕を組む

「なんとなく分かるけど詳しく、アナタの覚えている範囲で何が起こったのか教えて欲しいのだけれど  って、、ぁ、えっと、どの人が最初に何って言ったのか~とかそういうのだった」


少し余裕が出て来たのか


いや


元気づけようとしてくれているのだろう

似ていないキドナの物真似をしつつ身振り手振りをした後に恥ずかしそうに顔を赤らめている




(本当に)




(こんなに良い子達が)




「ぷ、ふふ ふははは そっかそっか、分かった~ ありがと」

優しくその金色の髪を撫でる




(もう 十分だ)




(十分にデータは取ったはずだ)







二人は簡単にお腹を満たし

ルイは布団に入る前に小鳥の水を替え、着替えを始めている



「ルイは、どうしたい?」

キーロはテーブルを片し終わると順番に布団を敷いて行く


「王子様の話?  キーロと、役に立てるなら 助けたいけど  でも」

「いや」











「此処から出たい?」


















12/9 6:00


「昨日はご迷惑をおかけしました」


昨日のメンツと変わらず

代表のキドナ

大王ディーン

軍師レイ

その従者ニール


深夜に一度情報共有だけは行い、早朝ながらお呼びした所だ


そんな中、早々に王が口を開く

「元気があって良いじゃないか、そもそもキーロ君のせいではあるまい?  しかし、昨日の今日でその顔ならば、決まった様だね?」


「はい、僕が責任を持ってあの子達と協力し、、バル王子を救って見せます」


「そうか、本当に ありがたいよ  レイ、早急に兵達を集めよ」


「あ!あの」

キーロは王が話終わるタイミングですぐに声を出す

「お言葉の後にすぐ、失礼だとは思うのですが  すみません!その件なのですがボクに、いえ自分に策があります まずは聞いてもらえませんか?」






寝ずに考えた我ながら都合の良過ぎる策略



生ける伝説と言われる王と軍師  それと天才のいるこの場で





通す為の秘策はアレしか無い


ルイがちゃんと喋った会でした

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