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130 魔法

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

12/1 12:10


ガチャリと音を立てながら暗い表情の二人が部屋へと入って来る

その音に眼鏡の青年は飾り付けていた手を止め、足早に駆け寄り、二人の頭を愛でる


「お疲れ様、頑張ったね  お昼ご飯持って来てあるけどすぐに食べれそう?」


テーブルには食べ物が並び、その周りには様々なモノが並んでいる

サプライズという類の物では無いがそれでも、曇っていた表情は一気に明るさを取り戻す


「ゴハン クウ!」

フェリスは大きな尻尾をブンブンと振り瞳を大きくしながらながらキーロの顔を見上げる


「良かった、ルイも 食べれる?」


もう一人もあからさまに喜びはしないものの二回程頷いた








「ソレデナ アイツラナ」

犬耳は口からポロポロとこぼしながら感情のままに身振り手振りを始めている


「うん、うんそっかぁ」


「ゼッタイ コロシテヤル」


「物騒だな~、訓練は二人の為でもあるんだから」


「デモ・・・」

まだまだ何か言いたげだが懸命に我慢をしている様子が見て取れる



「あ! そうだ、ほらこれ やっぱり今の時期は大きな花無かったからさ、小さいけどお花と大きな花の絵なんだけど」


「エ! デッカイナ」


「すぐには渡せないけどもっと大きな花を近いうちに見せてあげるからね、で~ ルイにはこっちね」

先程から部屋の隅からチチチチと聞こえていた籠を前に置く


「大丈夫、かな?」


『首輪』をしていても全ての力が出ない訳では無い、、その事は本人達も分かっている


「僕は魔法が使えないから分からないんだけど、その力って言うのも広く見れば魔法だって言ってたよ? だから本当はもう二人共『首輪』は要らないはずなんだって  問題は、、いや、大丈夫  大丈夫だよ」


キーロは小鳥の入った籠を開ける







【キーロ、アナタは賢いからしっかりと段階を追って説明していくわね?】

キドナはキーロを助手に付けてから毎日様々な事を丁寧に教えていた


【虫食いで教えてしまうとその探求心ではどちらにしても知ろうとしてしまうでしょうし、、まずは、そうねぇ  魔法と言う力の事なのだけれど】




魔法と言う力


万に一の者が持つ才能


親からの遺伝が大きい上、才能があり努力をした者が得られる能力




【そんなモノでは無いの】




【親からの遺伝が大きいと言うのは正しいのだけれど、才能なんて物は要らないの】




魔の法と言う禁忌の力




【ソレを備えて生まれて来る子達には皆共通点がある】




【まぁココの王様の様に字の如く、特殊なケースもあるのだけれど】




【キーロ、アナタは優しいから  もう陰で調べてしまっているのでしょう? フェリスとルイのデータ、、】




【別に隠す事だとは思っていないのよ? だけれど、検証や結果が完成していないと普通の人達には理解が出来ない物なのよ】




【話が反れてしまうわね、、『魔法使い』と言うのはね言えば化学反応と一緒】








【皆、混血種なのよ】








混血種

例えるならば人間とエルフのハーフエルフ、獣人族とは別の獣に近いワーウルフ等がそう呼ばれている




【万に一と呼ばれる理由はきっとそこからね、それと少ないデータ上でだけれど かけ離れた種別な程強力な魔力を持つ傾向にあるわ  だから、、ソレの研究対象、大事な被験者が今はフェリスとルイなの】




頭では分かっている


ルイの能力は使い方次第で恐ろしい事になるだろう

だが、しっかりと解明し上手く使えば、、例えば害のある生物や病気、そうウイルスだけを吸い出す事も可能となるのだ


二人の意志は二の次


分かってはいる




【もう一つ、あの子達が魔法を使いこなせない、、いえ、暴走させてしまう一番の理由  それは】








【感情】








その大事な感情を






僕は






弄んでいるのではないだろうか


仕事ってこういうトコありますよね

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