表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/491

99 規範

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい

8/23 23:10


「ももは、本当に死ぬ寸前じゃったからなぁ  ソレを呼び戻したんじゃ代償も大きいじゃろ」

赤鬼が横たわる少女?の髪を優しく撫でる



甘かった



身体が怠い、酷く疲れるくらい、熱が出る程度


それくらいの認識だった



「シエルってさ、、その子とは 初対面 なんだよな」


「そうじゃろな~、知り合いの様には見えんかったのぉ」



「、、そっか」

血の気の無い真っ白な手を確認する様に握る


氷の様に冷たい


「ちっさい手だな~」


あまりにも


死体の様に見えた


皮肉にも、窓からの月明かりが照らす整った顔立ち、細い足腰が何かの美術品の様にも思わせる


(こんなにも、壊れてしまいそうな身体で)


口が悪くいつも飄々(ひょうひょう)とした態度の巫女シエル

何を思い何を考え、そして何を願いどれ程の人間を救っているのか喫茶店のマスターには想像もつかない



ただ



腹は決まった




「はぁ~、くっそ~ 飲み食いくらい好きにさせてやるか」

またも泣きそうになるところをぐっと堪える


「カカカ、それは喜びそうじゃの」


「潰れない様に少し利益の出るやり方考えないとな~」


「リッツに相談してみたらどうじゃ? 儲け話の一つや二つくらいあるじゃろ」

赤鬼は巫女のシーツを丁寧に直すと茶トラの猫娘が眠るベットへと向かう

「うんうん、傷口も綺麗さっぱりじゃ 明日には勝手に消えとるんじゃないかの?」


「え?そこは情報共有しないとじゃね? 礼も言いたいし」


「お~? 目~覚ますまで待っとるか?」


「それくらい別に良いけどさ、、あ~でも、え~と、またぶん殴らんないかな?」

誰にも腕力で勝てないせいか少し臆病になっている自分に気付く


「あっはっは、この状態じゃやられるかもしれんのぉ」

わざとなのか茶トラのシーツを一度思い切りまくってから綺麗に整える


「、、壁際で膝抱えて座ってるわ」


「あ~、それは でも ホラーとかでなく  気持ち悪いと思うがの?」


「うっせぇよ」

悪気の無い赤鬼の言葉を軽口で返し、茶トラ娘の顔を覗く



・・・



「この娘はなんで俺を守ったんだろ」


「起きたら聞いてみたらどうじゃ?」


「え、え? それは殴られるの前提で?」


「くふふ、そうじゃの」


「いや腹は決めたつもりだけどさ、、一発で意識無くすレベルのパンチは回避するに越した事ね~よ?」

猫娘の額に手を当て熱等が無いかを確かめる



「しかし、ジンはアレじゃの~」


「ん?」


「慣れとるのかの?」


「え? 何に?」


「裸体に」


「、、あ~」



ベットへ横になっている二人

ももは傷の具合を見るのもあり上半身は羽織り一枚


シエルに関してはシーツ一枚である



「いやいやいや!意識して無かったし 見てないしぃ?いや、見たけど ロリコンでも無いし!?  そんなん言ったらお前シフもめっちゃ見てるや~つ~じゃん」


「え~、いや、、軽くからかっただけじゃろ 急な言い訳が酷いのぉ」

舌を出し、赤鬼が本当に引いたかの様な顔をする


「ぅ、ぅ~」

病人達には迷惑なやり取りで茶トラが寝がえりをうつ


「あああ、ごめん 寝て~寝たら良いよ~」


「ジンの声が煩かったんじゃろ」


「お、おま!」

カセンを軽く睨みながら、もものシーツをかけ直すと何やら下から声が聞こえる


「ち」


「   ち?」

恐る恐る茶トラの顔を振り返るが

、、しっかりまだ眠っている様に見える


(あぶね~! マンガで言う所の「痴漢~」だもんな)


大きく一息吐き


ゆっくり方向を変える



のだが



「ちくわ~」

ジンの尻をももの張り手が襲う



スパァアン!



謎の寝言と共に良い音をさせたジンは部屋の入口へと大きく飛ぶ



そこに


「シエル様~、白湯とジンさんの作ってくれたお粥で、、!?」




従者が絶妙のタイミングで扉を開ける


エロネタで〆ると思った? 残念!ちくわでした!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ