96 死闘
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
8/23 17:45
どこか昔
たしか映画か何かで見た気がした
ワニだかエイリアンだかの口
ソレが開いたまま閉じれない様になって助かった、、そんな映像
(突っ張り棒として縦に、短くなった鉄の棒をはめ込めれば)
震える右腕の関節を左腕で強く掴む
(上手く はまるか? 怖い 怖い)
目を見開き飛び出すタイミングを伺う
「ゴロロォア」
魔物がジンの喉元目掛け飛び掛かる
(来た! 今だ!!)
「それだと腕を持ってかれる」
すぐ後ろ、足元から甲高い声が聞こえると同時
両足を横に払われ目線が変わる
「え?」
ジンの身体が真横に回転するタイミングで自分の下を影の様な何かが動いた気がした
ゴガン!
大きな音が聞こえた
ジンの身体が次に半回転に入ると逆立ちの様な体制の金眼の女の子と目が合う
(え? え?)
ジンはそのまま綺麗な横一回転を決め何も無かったかの様に地面に着地する
(え? ナニコレ)
瞬時の出来事に少し呆気に取られたが空高くから降って来る魔物が目に入る
「うおぉ」
ドズウウン
落下して来たソレはビクンビクンと痙攣の様な動きをしている
彼女は躊躇せずに魔物の頭部へ近づき
容赦無くとどめを刺した
何をしたのか一般人のマスターにはしっかりとした理解は出来ない
恐らくは自分の足を払った後に滑り込み 海老蹴りの様な形で魔物を蹴り上げたのだろう
「獣 族?」
頭部の少し大きめな猫耳が目に入った
(もう何回目だろうか、女の子に救われるのは)
くノ一の様な格好をしたスラッとした女の子は衣類を払うとジンに近寄って来る
「いや~、マジで死ぬかと思っ」
「どんくさ」
茶トラ柄の横髪と共に口元を口当てで覆いながら、どこかの巫女の様な台詞が聞こえる
「あ、、あっはっは! あ~、その! ありが」
「うるさい」
・・・・・・
(またこういう子デスカー)
ジンはマンガに書いた様に手を額に当て遠くを見る、、と
カツ カツ カツ カツ
一人の男が子供を肩に抱え歩いて来る
「え~、今度は何?怪我人? どうしましたか~?」
ジンが駆け出す
!?
横から勢いよく先程の茶トラ柄がジンを突き飛ばす
「うっぶ」
地面に肩から行き、そのまま地を転がる
「いっつぅ、いてぇよ! なに、な、、、」
尻を着き
擦った肩を擦りながら突き飛ばした張本人を見るが
目の前の情景に言葉を失う
「フー!シャー!」
威嚇をする猫の身の毛が逆立つ
「ま~た失敗ですよ 最近 ついてないんですよね~」
「フー! フー!! あ の犬の ぐ、、ぷ 飼い主か!?」
目の前の男を険しい形相で睨み牙を剝く
その腹部には
鋭利な刃物が刺さったままだ
「、、、ふぅ、こっちにも一匹いらっしゃるとは」
「ギシヤアァー」
剣を自らの腹から引き抜き
男へと思い切りに投げつけると その速さと同じ速度
いや、それ以上のスピードで 剣をも追い越し
「死ねぇ」
爪を立て飛び掛かる
のだが
「流石と言ったところでしょうか」
挨拶を交わすかの様
「ライア隊のもも」
男の頭部へと手を伸ばす猫の右腕が、、すんでの所でピタリと止まる
「く、ぐっ? ガァ!」
動かない右腕を諦め、左手を瞬時に喉元へと伸ばすが
不思議とその手もすぐに動きが止まり、届かない
「その心意気、非常にもったいないですね~」
「うぅ、フー! ウウルゥゥウ!」
ブヅ、ブヂン
喉を鳴らし、身動きの取れる首を使い男に喰らい付き
肩を噛み千切った
「っっ ぐ! 魔族共よりもよっぽど使い物になりそうじゃないですか、やる気が見えて嫌いではありません が時間がありませんですので」
「死んで下さい」
男に向かって飛んでいた筈の剣が方向を変え
ももの胸を貫く
本当に中々活躍出来ない三十路の主人公




