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楽しいお家の作り方  作者: なっぱ(偽者)
9/10

忘れていたのは楽しいことだけではなく

 御朱印巡りをした翌日。私は筋肉痛で寝込んでいた。

 「自分の運動不足を舐めていました」

 幸い今日も休みなので好きなだけ寝ていられる。しかし痛い。起き上がるのがしんどい。ていうか多分無理。御朱印巡りの最中はテンションが上がっていて気付かなかったけれど、疲労もかなりたまっていたようで全身だるい。昨晩面倒だからと湯舟につからずシャワーだけで済ませたのも悪かったのかもしれない。なんにせよだるいし痛い。

 「でも楽しかったな」

 晴野さんにもらった御朱印帳はベッドの近くのローテーブルに置いてある。桜の刺繍はやっぱり可愛い。それを持って、またどこかへ行ってみたいと思った。思ってしまった。これでは晴野さんの思惑にまんまとはまってしまっているではないか。

 きっとそれでいいのだろう。私はベッドに突っ伏したままスマートフォンを操作して通販サイトのページを開く。いくつかの文字を入れて検索をかけたら先日晴野さんが貸してくれた雑誌とそれに類似した雑誌がたくさん出てきた。確認しながらいくつかをカートに放り込む。

 そのままスマートフォンを操作して近くの社寺を探してみる。思いがけず近所にもいくつかあるようで驚いた。もう少しして筋肉痛が和らいだらお昼ごはんを食べがてら行ってみようか? それはちょっと性急だろうか。

 悩んでいると晴野さんからメッセージが届いた。

 『筋肉痛とか大丈夫? 動けないようならお昼ごはん持っていくよ』

 人のことは言えないけど晴野さんのお人好しさに保保が緩んだ。

 『ありがとう、大丈夫です。もう少ししたら食べに出ようと思っていましたので一緒にどうですか?』

 返事はすぐに来たので御朱印帳を持ってくるようにだけ伝えてベッドから起き上がる。すぐに身だしなみを整えて家を出た。筋肉痛はまだ残っているけど、こんなに身軽に動くのはいつ以来だろうか。それこそ晴野さんのフットワークの軽さに影響されたのかもしれない。

 目的のレストランでメニューをめくっていると晴野さんが大きく手を振りながらやってきた。


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