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今日の悪役令嬢は一味違います!


こんにちは皆さん私です。そう、悪役令嬢のリリアです。現在17歳です。

今日は皆さんに私の秘密をお教えしますわ。


実は私、転生者なのです。この世界に生まれ落ちる前、つまり前世は日本人でした。


しかも筋金入りのオタク。


漫画、小説、アニメ、ゲームが大好きな中学3年生。


死因についてはあまりはっきりとは覚えていないのですが、私は15歳で死んでしまったのです。


前世の記憶が戻ったのは、15歳の誕生日。前世の性格と今世の性格があまり変わらないせいか割とすんなり2つ分の人生を受け入れることが出来た私は、思いました。


(令嬢転生きたぁぁぁぁあ!!)


残念ながらこの世界は私の知っている物語ではありませんでしたが、

・金髪イケメン王子(レオン王子)

・王子の婚約者である令嬢(私)

・そしてめちゃくちゃ可愛い、王子の幼なじみ!(ルイス)

これだけの要素があれば、様々な作品を見てきた私にならわかりますよ!!


私は悪役令嬢であると!


てか、そうであってほしい!何故かって?

それは2人が私の推しカプ(推しているカップリング)なのだから!

だってだってだって!

いつも冷静で頭も良くて金髪イケメンのレオンと女子力全開でそれでいて母性の溢れる、桃色の髪のふわふわ系のルイス。

クール×ふわふわ。大好物です。ありがとうございます。

ちなみに(リリア)は、自分だと萌えないのでパス。


おっと申し訳ありません。前世の性格が全面に出てしまいました。


元々婚約も6歳の時に親同士というかお家が勝手決めたもので、お互い全く相手に興味がなかったので交流もなかったのですが、ある日を境にレオンとその幼なじみであるというルイスがうちを度々訪れるようになり、よく3人で遊んでいました。前世の記憶を取り戻してからは悪役令嬢になるべくルイスをいびり倒しましたが。


そして17歳の今、私は婚約破棄まで至らずにいます。これはまずいですわ。非常にまずい。約1年後の18歳に、ついにレオンと結婚しなくてはいけないのです。


なんとかしなくてはと昨晩前世の記憶を必死に呼び起こし、私は完璧な作戦を思いついたのです!!


そう!題して重くて嫉妬深い女になろう!ですわ。

今までルイスをどういじめるかばかりを考えていましたが、レオンの方をどうかしようとまでは考えが至りませんでしたが、これならきっと鬱陶しくなったレオンが婚約破棄を私に言い渡すはず!


今日はレオンは自室にて仕事中とのことなので、今レオンの部屋の前にいます。いざ、突撃!


ばん!と大きな音をたてて扉を開けると、レオンがこちらに目をやりました。


「リリア?珍しいな自分からここにくるなんて、どうした?」


「でん…いえ、レオン様!」


殿下と呼びそうになったのを言い直し馴れ馴れしい女アピールに名前で呼んでみた。


「!」


びっくりしたようにレオンが、目を見開く。かと思うと口に手をあてて、私から顔を逸らす。


あまりの馴れ馴れしさに吐き気でも催したんだろうか。いつも体裁的な意味で名前で呼ぶよう促されるけど、実際呼ぶと大変なことになるんだなぁ。


「な、なんだ?」


珍しく声が上擦っているレオンに言葉を続ける。


「私以外の女性とお話をしないで下さい!!特にルイスとは!私だけを見て私だけを大切にしてください!」


ついでに椅子に座っているレオンの胸に勢いよく飛び込んで頭でグリグリしてみた。痛いくらいに。


「ちょっ……え?!リリア?!どどどどどうしたんだ突然!!?」


顔は見えないがかなり動揺しているようだ。それならこのまま畳み掛けてみよう。


「レオン様は私だけのものなんです!他の女性とは一切の関係をたって下さい!!」


「……リリア」


我ながらヘビー級な女を演じられたわ!グッジョブ私!


「……もしかして最近ルイス嬢にやけに絡んでたのは……嫉妬してたのか…?」


「はい!それはそれは醜い嫉妬です!」


「…………」


そこから少し黙り込んだレオンに勝利を確信していると。


「……醜くなんかない。」


「へ?」


レオンの予想外の言葉に顔を上げようをするが、いつの間にか頭を両腕でがっちり抱え込まれていて動けない。


「すまなかった。お前がそんなことを想ってくれていたのに、ルイス嬢の味方をするようなことを言って。」

「え?いえ、あの……」

「仕事関係はさすがに無理だがプライベートではお前以外とは話さない。」

「そうではなく……」

「だから、お前も俺だけとしか話すなよ?」


腕から解放されたかと思うと、右手で顎を掴まれ何故かレオンの顔が近づいてくる。


え?え?あれ?レオンもヘビー級?え?


「……リリア」

「か」

「ん?」




「解釈違いですぅぅううー!」

「ぶっ!?」


ゴチっ!と凄まじい音と共に私の石頭がレオンの顔にクリーンヒットした。


突然の頭突きにくらくらしているレオンの腕から逃れローカを走る。


どうしてあんなことに!?勘弁してよー!オタクは3次元には免疫ないんだからー!!



明日からどう婚約破棄に持っていけば?とか、何がどういけなかったのかとか、考えることはきっと山ほどあるのに、全く頭が回らない。



あぁ明日レオンにどんな顔で会えばいいのー!?


レオン……不憫なやつなんですよ。

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