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第1話 追放

「スバル、お前はクビだ!お前みたいなザコは俺様のパーティーにはふさわしくない」


 僕が所属しているSランクパーティー『鉄火の牙』のリーダーで前衛の魔法剣士を務めているグリスにそんなことを突然告げられた。


 僕たちは今日、『鉄火(てっか)(キバ)』『白銀(はくぎん)乙女(おとめ)』『星屑(スターダスト)』『オリオンハート』『微風の四重奏(そよかぜカルテット)』の5つのSランクパーティーで、魔王軍幹部で魔王や四天王と呼ばれるもの達の次に強いとされている十二魔将の1人《鬼神》ドアルゴをようやく倒すことができ

 今夜僕たちは十二魔将を倒すことが出来た祝いとし居酒屋を貸し切り宴をすることになっていた。


 そして僕ももちろん『鉄火の牙』のメンバーとしてその宴に参加予定だったが集合時間の1時間前にグリスに呼び出され何事だと思い居酒屋に行くと想像していなかったことを告げられた。


「ちょっと待ってくれ、ようやく十二魔将を倒しこれからってときに。

 僕が何か失敗でもしたか?僕に非があるなら謝るよ…」


「あ!?聞こえなかったのか、お前みたいなザコが俺様のパーティーにいる時点で足を引っ張てるんだよ!

 お前がシズカの幼馴染だからパーティーに入れてやってたが今回他のSランクパーティーたちと協力して改めて思ったがお前は回復魔術師(ヒーラー)としてあきらかに劣ってるんだよ

 だ、か、ら、ほかのパーティーメンバーたちともちろんシズカとも相談しお前を鉄火の牙から追放することに決めた」


 グリスの言っていることは一理ある。確かに僕は他の回復魔術師(ヒーラー)と比べ回復系の魔法は苦手で劣っている。でも僕の本当の専門は強化(バフ)弱化(デバフ)をかけること、そして武器や防具への付与(エンチャント)だ。


 自分自身には強化(バフ)をかけることが出来ないため戦闘には役に立たないかもしれないが、僕は足手まといにならないように使える下級魔法などを使い相手の気を引いたり、アイテムをタイミングよく使ったりとサポートとしては十分やっていると思っているし、戦闘時以外でも料理や洗濯、掃除などの家事はもちろん武器や装備への付与(エンチャント)はこまめにしないと効果がないためみんなの武器や装備のメンテナンスがてら付与(エンチャント)したり、みんながスムーズに攻略できるよう魔物や魔族などの相手の情報を色々なところから調べたり、必要なアイテムや道具などを調達したりとみんなのために頑張ってきた。


 でも今一番大切なのは僕が『鉄火の牙』にどれだけ尽くしてるとかじゃない


「本当にシズカも僕がいらないって言ったのか?」


 僕自身もともとシズカと共に冒険者を初めその時僕たちは駆け出しだったこともあり2人だけでは限界を感じていたとき仮パーティーとしてでもいいから組んでみないか?と声をかけてくれたのが当時Dランクパーティーだったグリスだった。

 その後は成り行きで正式な『鉄火の牙』のメンバーとなったが正直僕はシズカがいるからこのパーティーに居座った。シズカがいるからパーティーのために僕はできることを精一杯やり続けた。

 僕はシズカを信頼していた。それと同時でシズカも僕のことは信頼していると思っていた、いや思っている。

 だからシズカは僕の味方をしてくれていると思っている。


「最後だから教えてやる。シズカは今や俺様の女だ。

 お前のことはいらないどころか、俺様と共にいるにあたりお前の存在はむしろ邪魔だって言ってたぜ!」


 そんな僕の期待を裏切るかのようにグリスは笑いながら僕にそのようなことを伝えてきた。


 別に僕はシズカと恋仲になりたいとかそういうのじゃない。でも小さい頃から共に育ってきた家族のような存在のシズカに僕はいらないと、邪魔だと言われた。それが本当の事なのかどうかは分からない、でも本当に言われたかもしれないと思うだけで今の僕にはショックが大きく頭が真っ白になっていた。


 その後グリスはシズカの身体は最高だの、これで俺様もシズカも邪魔者が消え今以上に愛し合えるだの色々なことを言っていたような気がするがいまいち頭には入ってこない。


 そして僕は何も考えることが出来ないくらい頭が真っ白になっていることもありグリスに金と装備を置いて行けという言葉にも従いその場を後にしていた。


『Sランクパーティーを追放された回復魔術師は魔王軍として生きていく』を読んでいただきありがとうございます。


ブクマ、評価コメントをしていただけると私のやる気につながります(*'ω'*)


どうぞ今後もよろしくお願いします!

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