第五項 歴史紐解くとき。それは明日を切り拓く指標か。
自身の過去と向き合い、自身の抱くツインテールのあるべき姿を探るべく歩み始めた筆者。これは自身のためのみならず、今後の世の創作においても有用な財産になるはずだという強い信念からの行動でもあった。その長い旅路の果てに、筆者は一体なにを見るのか?
いつの頃からそう呼ばれていたかは定かではないが、ツインテールというのはあくまで俗称であり、正式名称ではないらしい。昭和の終わりごろにツーテールと呼ばれていたらしいが、現在ではツインテールでほぼ定着してしまっている。これもあくまで孫引きなのだが、三分しか戦えないヒーローの特撮番組にツインテールという名前の怪獣が登場しており、尻尾の巨大なハサミが印象的だったことから、髪を二本束ねた髪型をツインテールと呼ぶようになった……という都市伝説はあまりにも有名である。しかしこの説にも確たる根拠はないらしく、正確なところは分からない。いや、知らないのは筆者だけであり、案外ググってみたら明確な回答が載ってたりして。今度ネットカフェに行ったときにでも調べてみよう。
それはさておき、ツインテールという呼び方をするのも一部男子に限られる、という説もある。いわゆるツインテールを見て、「あ、ツインテールだ」などと心の中で思った奴は、大抵サブカル好きなオタクに限定されるのだという。確かに、ギャルゲーをプレイするようなオタクでさえツインテール好きがどれほど存在するかは微妙なくらいなのである。これがサブカルに興味のない、体育会系男子ならツインテールという呼び方さえ知らないというのも頷ける。また女子に対しても然りである。たまーに女学生でツインテールの女の子が存在してても、その呼び方になんか頓着しない。オタクが勇気を振り絞って「今日はツインテールなんだ」などと声をかけても、言われた本人は「ツインテールってなに?」と聞き返したという笑い話まである。とはいえ、ここではそんな名称まで議論するつもりはない。そんなことやってたら日本語圏に英語が流入してきた時代まで調べなければならなくなる。そんなのは文化人類学とか言語学やらを専攻するセンセイの領分だ。素人が手を出していい分野ではない。ここはそういう誤訳もあるであろうという事実も踏まえたうえで、便宜上ツインテールという呼称で話を進めてゆく。