第十四項 それはあたかも天使の両翼のように
ツインテールの化けの皮を容赦なく剥いでゆく筆者。世間一般の常識という名のフィルターをとことん排除しなければ対象の実像は掴めないからであって、別にツインテールを公然とディスりたい意図があるわけでは断じてない事をここに明記しておく。むしろ逆なのである。筆者はツインテールの実像をあぶりだし、そこに新たな魅力を発見するべく苦闘しているのであり、その歩みを止めるつもりは毛頭ない。だが、その先にはとんでもない伏兵が潜んでいたのである。
では他にツインテールにしなければならない蓋然性はどのようなものなのだろうか。
一番ありそうだが、少々無理があるのがツインテールは実用的説。例えばスポーツや勉強の時、あの髪形なら邪魔にならないという理屈だ。だがこれはちょっと考えても無理がある。それならポニーテールとか、後頭部でアップにまとめるとか、ずっと手軽で実用的な束ね方がある。なんならバッサリ切ってショートカットにしてしまえばいい。現実にショートカットが多いのもそういう理由だろう。なにしろ可愛いし。大体、仕事場とかでお目にかかるのは後頭部で一本に束ねた髪型だ。ツインテールで仕事してる女性など見たことがない。というか、仕事してるってことは社会人なわけで、イイ歳した大人があんな髪型してたら可愛いというより痛々しくて仕方がない。
……いま、大変なことを思い出したが、日本を代表する体操選手の親御さんがツインテールだったような気がする。いかんいかん。勢いに任せて言いたい放題言うものではない。前言撤回。いい歳した大人がツインテールにするっていうのは逆に結構可愛いんじゃないかな? いつまでも少女のトキメキを忘れないっていうか、周囲の目なんか気にしない奔放さっていうか。僕は個人的にイケてると思うな。
これでよし。ツインテールは腹黒で粘着気質の疑いがあるからな。迂闊に恨みを買ったらどんな報復に出るか分かったものではない。フォローはやっておいてやり過ぎということはあるまい。
日本全国のツインテール美魔女を敵に回しかけた危機を回避したところで、筆者は完全な思い込みからツインテールは面倒くさい髪型と断じたが、実際はどんなものなのだろう?
馴れてしまえば実はそんなに難しくなかったりして。結ぶのは二ヶ所だけど、案外後ろに手を回して結ぶポニーテールとかよりずっと簡単だったりして。もしそうならツインテール実用的説は以外とイケそうな気がする。
大体がして、ツインテール女子が見受けられそうなのは中学生くらいまでである。高校生でも探せばどうにか見つかりそうだ。ただ社会人になるとあの髪型はちょっと……という女性が大多数なんじゃなかろうか。職場でツインテールなんかにしてたら上司からお小言でも貰いそうだし。つまり、ツインテールにできるのは中高生までの特権なのである。ならば、多感な少女時代、ちょっとイメチェンかオシャレの感覚でツインテールにするっていうのは大いにアリな気がする。ゴリ押しすれば結構押し切れそうな気もしてきた。しかしこの説はツインテールが簡単にできるというのが大前提だ。ホントに面倒くさい髪型だったらこの説は根底から覆る。実際に女性の生の意見でも聞かない限り、これは検証のしようがないが、こんな恥ずかしいことを聞ける知り合いなど筆者にはいない。




