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第十三項 打算と陰謀。巧妙に仕掛けられた罠を攻略せよ!

 幸せの青い鳥を追いかけたら自分達の家に戻ってきた兄妹のようにスタート地点に強制送還されてしまった筆者。しかしこれは童話のように美しい話ではなかった。ここまでの考察が徒労に過ぎなかった事実を思い知らされただけである。十二回もやっといて、ここまでまったく意味がありませんでしたでは話にならない。徒労感に苛まれつつも新たなる一歩を踏み出す。これまでの経験もすべてが無駄なわけでなく、きっとどこかで生かされるだろうと自分に言い聞かせつつ。


 そもそも髪を両側で束ねることに一体全体どういうメリットがあるのだろうか? 

 いやまあ現実にはツインテール女子などほとんどいないんだからそんな疑問自体が成り立たないような気もするが、創作の世界で登場させるくらいなんだから当然天才的クリエイターたちはそこまでのバックグラウンドを用意しているはずである。

 まず単純に思いつくのは可愛いから説。

 ツインテール少女は自分の可愛さをアピールしまくりたいために毎朝あの面倒な髪形を作っていることになる。しかしこれはかなり無理のある設定だ。前提としてツインテールは勝気で活発という属性が付く。そこに可愛さアピールしたい女子という性格設定は矛盾してやしないか? だがそこに製作サイドの仕掛けた暗号が見え隠れしていると思えなくもない。つまり、大抵ツインテールはヒロイン、もしくはセカンドヒロインに対抗する立ち位置でありながら勝気で活発なのである。そこに可愛さアピールしまくりたい女子という属性を加えることにより差別化がなされる。ファースト、セカンドヒロインがあくまでも自然な流れで主人公とイイ雰囲気になっていくのに対し、ツインテールは登場時から主人公に媚を売り、他のヒロインの陰に隠れつつ肚の底では出し抜いてやろうと常日頃から画策しているのである。それくらいのバイタリティでもなければあんな面倒な髪型に毎日できるはずがない。

 しかしこれではツインテールがめちゃくちゃ嫌な女になってしまう。まさに女性雑誌の鉄板企画、女が嫌いな女アンケートでトップスリー入りを果たす要因すべてが入ってるではないか。媚を売る、腹黒い、粘着気質、そのまんまである。

 いくらなんでもこれはあんまりだ。では主人公がツインテールの場合、女が嫌いな女の代表格、媚を売る女は常にユーザーの前で大手を振って媚びまくり、同性のメンバーからヒンシュク買ってる事になる。ツインテールセーラー戦士は悪と戦う風を装い、常に仲間を思いやっていると見せかけて、肚の底ではあのいい声をしたタキシード様をオトそうと策略を張り巡らせているという事か。それを毎週応援していた少女達はサブリミナルよろしく媚を売る女として洗脳されてゆき、男にとって実に都合のいい媚を売る女が大量生産されてゆく……これじゃあ都市伝説のトンデモ陰謀論である。確かあのアニメは少女マンガが原作だった気がする。原作者も女性だったと思う。ならばこのツインテール都合のいい女量産説はスタートの時点で破綻している。ツインテール女子が可愛さアピールしているという説も却下すべきだろう。


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