第十二項 屍の山を踏み越えて、進め、孤独の頂に。
ショートカットの誘惑を振り払い、根性でツインテールのもとに舞い戻った筆者だったが、浮気の代償は大きかった。そこに待っていたのは、ツインテールはやはりステレオタイプな性格設定されがちな脇役キャラに過ぎないという残酷な現実である。この事実を突きつけられた筆者は激しく動揺。自身の心の闇と向き合う事を余儀なくされる……
なんてこった。ツインテールは見えざる意思の介在とか、自然発生的に生まれたとか無理がありまくるスピリチュアルなこじつけまでしておいて、まさか自分自身がやった安易な設定にループしてしまうとは。やはりこれは筆者のような凡人ではクリエイターの暗号など読み解けはしないということなのだろうか。
そう。筆者はツインテールのキャラ設定を何も考えずにやったとか、まるで神でも降りてきたかのような表現でごまかしたが、掘り下げればつまるところ、他のキャラとかぶらないよう配慮しただけなんである。勝気で活発というキャラ設定で四番手か五番手のヒロインを登場させるとなるとショートカットのセカンドヒロインとかぶってしまう。そこで最もビジュアル的に大きな要素である髪形をいじる。性格もかぶっていてはまずいので、お嬢様とか無表情とかいう属性も付与する。こうした余りもんを掻き集めて誕生したのがツインテールキャラだったのである。
こんなことでは作中にツインテールを登場させるクリエイター、とりわけツインテールを主役級にもってくる熱いツインテール愛をたぎらせる先人たちに申し訳が立たない。こんなど素人の思いつきは一旦リセットだ! 頭の中から追い出そう。ここは一度原点に立ち返り、ツインテール女子の設定からアプローチを試みるのだ。




