第十一項 無限増殖の副作用、多様性という名のメビウス
ショートカットという思わぬ難敵の登場に苦戦を強いられる筆者。それも当然。実はここだけの話、筆者はショートカットが大好物なんである。ギャルゲーでもメインヒロインより、ショートカットのセカンドヒロインを真っ先に攻略したいタイプの人間なのである。そんな奴がツインテールについてどうたらこうたら言ってても、最終的にはショートがお好きなんでしょ? って話である。え? そんな筆者の趣味嗜好なんかどうでもいい? ううむ、ごもっとも。
話が逸れた。ヒロイン全員ショートカットとかいう頭のおか……もとい、カルトな作品ならいざ知らず、ショートカットなんてセカンドヒロインに一人いれば充分である。大体、ヒロインなんてどんなジャンルであれ、五人ないし三人前後登場させるのが限度であり、またそれが必要最低限ともいえる。それ以上だったり以下であるというのはそもそもメデイアミックス展開が控えたゴージャスな企画か、もしくはヒットの法則を無視した小規模作品のどちらかなのであろう。特撮戦隊モノでいえばストレートのロングヘアがレッドならショートカットはブルー。グリーンがポニーテールか三つ編みおさげというのがお約束というか、決まりごとのようなものなのである。そうすることによって、幅広くユーザーに訴求し、一人でも多くのファンを取り込むのである。それをわざわざ全員ショートカットなんぞにしてあえてユーザーを絞り込むなど、狂ってるとしか言いようがない。ちなみにこれも例えの話であり、実際にそんなゲームを出したソフトハウスとかがあったわけではない。いや、もしかするとあってたりするかも。筆者はサブカルとか十八禁ゲームとかにはあまり詳しくないのでよく分かりませぇん。
つまり、ショートカットはセカンドヒロインとしての要素を持ちつつ、ツインテール以上に勝気で活発というイメージを強く発信はできるものの、そんなキャラは一人いればもう充分なのである。そうなると、それ以降のキャラ設定もなんとなく決まってくる。サードヒロインはポニーテールでヒロイン以上に清楚で知的、でも控えめ。フォースヒロインが三つ編みおさげで気の置けない友人キャラ。もうそうなると五番目はやっぱりツインテールで性格も四番目までとかぶらないようにタカビーなお嬢様キャラにでもするかあ……って! うわあああっ! そのまんまじゃん! まさに自分が設定した安易なツインテール像そのまんまじゃん!




