第十項 立ちはだかる伏兵。数と短さは正義なのか
性格設定の原因についてはとりあえず妥協して確たる証明もできぬまま棚上げにした。こんな安易な結論しか出せないのなら最初からやらなくてもいいような気がすると共に、この前書きすらも本当に必要なのかと疑問を抱き始めたのは内緒である。
現実にはツインテール女性などほとんど存在しないので、そこはまあフィクションでも構わないとは思う。だがそれではあまりにも安易ではないか? 愛でる男性視点からすればそれでいいとしても、わざわざあんな髪型にする女子とは本当に勝気で活発なものなのかという疑いもある。そうなると製作サイドは厄介である。ツインテール女子を作中に登場させたとして、その女子が毎朝わざわざ髪を両側に束ねるバックグラウンドを構成しなければならなくなる。そこにはどんな製作側の意図が仕込まれているのだろうか?
いま気付いたが、勝気で活発女子だからツインテールというのはナンセンスである。活発な女子ならばショートカットという記号が厳然と存在する。こらもうツインテールが逆立ちしたって敵わない。手入れが簡単、描くのも簡単。ボーイッシュとか男勝りとか、メインヒロインに対抗できそうな属性を自由に付加する事が可能だ。なんといっても、現実にはショートカットの女性が圧倒的に多い。いくらでも設定として盛り込めるのである。
だが、ここで筆者は大変な事実に気付いてしまった。それはショートカットが抱える致命的な弱点である。
ショートカットはその汎用性の高さゆえ、一人でいいのに何人でも作中に登場させることが可能になってしまう。メインヒロインはストレートのロングヘア。これが定石なのだからいいとして、セカンドヒロイン以下、全員似たり寄ったりのショートカットでは到底ユーザーは納得すまい。多分筆者も納得しない。そんなゲームを掴まされたら「いくら納期が厳しいからって、カツカツの予算だからって、キャラデザまで手ぇ抜いてんじゃねえよッ!」と、青筋立てて抗議のハガキを投函するのではあるまいか。確かにリアルを追求すればそうならざるを得ないような気がする。だが娯楽作品でリアルを追求するほどアホらしいことはない。みんな夢を見たいのである。嘘でもいいからサブカル世界では十人十色の美少女に囲まれたくて金を払って時間も割いたのに、「いーじゃん。リアルを追求してみた結果なんだしよー」などと製作サイドに開き直られてはたまったものではない。確認するまでもないと思うが、これはあくまでも仮定の話である。筆者はそんな地雷を踏んだうえ、抗議のハガキなど送った経験などないし、そんな意識の低いメーカーが実在していたわけでもない。念のため。




