1つのあったかい缶コーヒーを二人で。
僕は今から付き合っている彼女に会いに行く。
でも家を出て来る時に、時間ぎりぎりまでバタバタ
していたセイもあっていろんなモノを忘れて来ていた。
先ず、カバンを忘れた、靴下も片方履いていないし......。
普段かけているメガネも家のテーブルに置いてきてしまった。
ズボンも、ジーパンを穿いて来たつもりだったけど......?
ジャージの下だった。
上はしっかりと決まっている格好なのに、下はジャージの下。
しかも色は、緑色に白のライン2本入っている。
頭も寝ぐせで爆発しているし、これはマズイと思い公園の水で
濡らして寝ぐせを直したが、まあまあヒドイ。
そしてギリギリ時間に間に合って待ち合わせ場所に着くと?
彼女が既に待っていてくれて僕は彼女に向かって言った。
『ごめん。待った!』
『別にいいよ。じゃ~行こう!』
と笑顔で答えてくれた。
先ず映画を二人でみに行く予定だったけど......?
僕は、財布を家に忘れてきている事に気づいて。
彼女にその事を、正直に言えば良かったのだが、
何故か? その時の僕は彼女に......。
『今日は、映画の気分じゃないから? 今から公園に行かない?』
と言ってしまった。
彼女は、僕に合わせて答えてくれた。
『そうなんだ~ じゃ、公園に行こう!』
『うう.うん。』
僕は、彼女に心の中で何回も謝った。
彼女がずっとみたいと言っていた映画だったからだ。
なんて! 僕はアホなんだ! 彼女の気持ちも考えず、正直に言えばいい
モノを言えなかった僕は、何なんだぁ~!!!
結局夕方までずっと公園にいた。何もしないままただ二人でいただけだった。
彼女は不満も漏らさず、愚痴を言う訳でもなく、僕の隣でニコニコしている。
でも夕方になると寒くなって来て僕はポケットを探ったらチャリンと音がした。
小銭だ! 見ると150円あった。
僕は近くの自動販売機に缶コーヒーを買いに行った。
寒いから、せめて彼女の為に何かしてあげたいと思ったからだ。
そして買って来た、あたたかい缶コーヒーを彼女に渡すと......?
彼女は首を左右に振った。
僕がどうしてと聞いたら......?
『お金持ってないんでしょ? 二人で飲もう』
って言ってくれた。
彼女は何も言わなかったけど......?
きっと、僕の格好を見て慌てて家を出て来たんだろうと知っていたのかも
しれない。財布も忘れている事も彼女は僕の事をお見通しだったのかな?
だから、僕たち二人は、公園のベンチにふたり座って1本のあたたかな
缶コーヒーを二人で手を温め合いながら握っていた。
僕の彼女がキミで良かった。
どんな時でもキミは僕の大切な人だよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。




