この世界の事 >>1
ここは。異世界だ。
世界にそんな名前はなかった。
という事はこれは、やはり異世界転生というやつだろう。
昔に小説かなんかで読んだ気がする。こうゆう時は冒険者ギルドに行って、冒険者になっちゃたり……するのかな。
楽しみだな……
でも。取り敢えずは今日泊めてもらうところを探さなくちゃなんないのか……
「ただいまー。帰ってきたよ。服買ってきたから、そこで着替えなよ。いいよね、ララちゃん」
「はい!ちゃんと手入れしてますから、大丈夫ですよ!あかりは、そこの壁のランプ持っていっちゃってくださいね。」
「わかった。ありがとう。」
壁にかかってるやつを持って俺は隣の部屋に入る。
洋服は、七分丈の灰色のシャツと黒いズボンだった。
記事が薄くて少し肌寒い。下着まで買ってきてくれたらしく、きちんと入っていた。
俺は着替えを終えて、元いた部屋に戻った。
「あ。似合うね。さすが僕が見立てただけはあるね。」
「似合いますね!灰色のシャツが黒色の髪の毛と瞳を引き立たせますね!」
「ありがとう。そんなに言われると少し照れくさいな……」
「よし!じゃあ着替え終わったなら僕の家に行くよ!」
「え?」
そんなこと誰が……。
「まあまあ。取り敢えずついてきてくれる?」
「エルさんの家にとまれるなんて光栄なことなんですよ!楽しんできてください!あ。私はこのお店シュエット・スィエルにいますので、いつでもいらっしゃってください。」
「わかった!またお礼に来るな。」
「はい。あの……すみません、結局名前をお聞きしてなかったので……お伺いしてもいいでしょうか?」
「ああ。そういえば自己紹介してなかったな。俺の名前は渡邉だ。よろしくな!」
「はい。ララ・エラノーゼです。お願いしますね」
「おう。」
「じゃあそろそろいいかな?行くよ!バイバイララちゃん。またなんかあったら呼んでね!」
「はい。ありがとうございます!」
「よし。じゃあ渡邉行くよ!」
「はい。」
カランカランという可愛い音がして、店のドアが閉まる。
道はくらいと思っていたが、屋台がたくさん出来ていたからか、すごく賑わっていて、暗くはなかった。
店からまっすぐ歩いて行くと、大きな広場について、大きなステージがあった。何が行われるのかはわからないが、モデルさんが歩くような、細い道から丸いステージにいくようになっていた。
「ここでは、僕は嫌いなんだけど、奴隷の売り買いがされてるんだ。毎日。」
「奴隷!?」
「うん。できるだけ救えるように、僕の家で雇ってるんだけど……もうそろそろ屋敷の人数にも限界が来ちゃって、あと数人雇えるかどうかなんだよ……。」
「そう。なのか……」
そう言って俺たちは沈黙したまま、まっすぐ広場を突っ切って進んでいった。