和製エラリークイーンは絶対―有栖川有栖
はい。有栖川有栖先生です。
作家アリスシリーズがドラマ化したので、一気にお名前が広がったのではないでしょうか。(インパクトがあるPNって良いよね)
新本格推理というジャンルに足を踏み入れたきっかけは綾辻行人先生でしたが、その手を引き続けてくれているのが、有栖川有栖先生の作品です。
きっかけは、友人のおススメでした。
友人は趣味で漫画を描いたりしてる人だったんですけど、「これ面白いよ」と火村シリーズの第一作『46番目の密室』をプレゼントしてくれたんです。
マンガ描きの友人がハマってるミステリーって……? と不審がりながら、読み始めたんですけど、これが面白いこと面白いこと!
あっという間に販売されている限りの国名シリーズを読み尽くしました。読みしゃぶりました。
ええ、有栖川先生の国名シリーズから、エラリー・クイーンの国名シリーズを知ったクチですとも。(威張るところではない)
火村シリーズは、人間の心理の歪みだったり盲点をつく作品が多いですね。
一番びっくりしたのは、『モロッコ水晶の謎』。いや斬新です。トリックでは、『マレー鉄道の謎』の密室がベスト。『乱鴉の島』の動機は唯一無二で良かったですなぁ。
キャラクター面では火村シリーズが好きですが、
作品的に好みなのは、学生アリスシリーズの方かもしれません――というのも、私が一番好きなミステリが『双頭の悪魔』でして。
学生アリスシリーズは、探偵役の江神二郎から「江神シリーズ」と称され、短編集以外はいずれもクローズド・サークルが舞台になっています。
『月光ゲーム』『孤島パズル』『女王国の城』も素晴らしいですが、なんといっても『双頭の悪魔』!!
なんと「読者への挑戦」が三度も挟まれているのです――! しかもいずれも超一級品!! これは凄まじいことです。
論理で犯人を追いつめるパズル的なミステリにハマるきっかけになった作品であります。
(※他にマニアックな論理ミステリが読みたければ、鮎川哲也編の本格推理(公募アンソロジーの文庫雑誌)と鮎川哲也賞を受賞された青崎有吾先生の作品がおススメです。どちらも鮎川先生つながりですね。)
有栖川作品の裏ベストは、『作家小説』。ミステリ以外の魅力も満載です。
今はとりあえず『鍵のかかった男』を読みたい……。
(2016.1.6)
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『鍵のかかった男』と『狩人の悪夢』を読みました。
どちらも良かったけど、個人的には、後者に軍配が挙がりました。死体切断の新しい論理が提示されていたからです。
趣味を語れる友達0と言いながら、友人から火村シリーズをオススメされている私。(←嘘つき!)
まあ、その友達は火村先生のファンで、ミステリというより腐った趣味(失礼)に傾いていたのですね。(私も大概腐ってますが…)
国名シリーズ後、ご本家のエラリークイーンを読まれたという方も結構いるようですね。ちなみに本家では、『オランダ靴の謎』と『ギリシア棺の謎』がお気に入り。
アリス先生のサイン会があったら、絶対に『双頭の悪魔』を持参します。
(2017.6.15)