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【雑談】最近の自分とベストミステリ【感想】

 大変ご無沙汰しておりますm(__)m

 あ、まだ生きてたんだ。羽野ゆずです。

 投稿自体久しぶりすぎて、場所見知りの子どもみたいな感覚です。どうか生暖かくご覧ください。

 『お久しぶり』――という文句のは何時までの期間で使えるものなのでしょうか。

 作品の更新も活動報告も今年三月末からぱったり途絶えているので、半年以上もの間、ご無沙汰してしまいました。


 この間、私は資格取得のため勉強していました。

 それがある程度ひと段落したので(まだ実技試験が控えていますが)、こちらにお邪魔した次第です。大人になってからの勉強、特に暗記科目。辛いっす…。

 

 年をくったといえば、ちょっとした心境の変化もありました。

 それは、自分の“多面性”を許せるようになったことです。


 私は昔――いや、つい最近まで、本格ミステリや漫画アニメBL好きでオタクな自分が恥ずかしい、と思っていたんです。周りに同類のオタクもいませんでしたしね。

 具体的に説明するのは難しいのですが、そのせいで、人付き合いにまで支障をきたしていた時期がありました。

 

 それが今は、「非オタの世界で生きる私」「オタクで気持ち悪い私」。

 どちらも存在していいじゃない、と思えるようになったんです。どちらも私でどちらも良いじゃない、と許せるようになったというか。


 年くったせい、かは分かりませんが、ようやくアイデンティティの模索(?)が落ち着いてよかったです。やっぱり人間いつまでも思春期じゃ苦しいです。



☆彡 ☆彡 ☆彡



 さて、筆記試験が終わり、それまで我慢していた読書を解禁しました。

 相当の推理小説ロスだったのか、すさまじい勢いで読んでいます。

 最近読んで特に面白かった作品をいくつか紹介したいと思います。


 ※ネタバレはしていないつもりですが、全く先入観なしに読みたい、という方はご覧にならないほうが良いかも※



『死と砂時計』鳥飼 否宇


 第16回本格ミステリ大賞受賞作

 探偵、犯人、被害者――全員が監獄の中。(文庫版の帯より引用)


 さすが、本格ミステリ大賞。ハズレなし、というところでしょうか。

 監獄、といってもただの刑務所ではありません。

 世界各国から集められた死刑囚を収容する、ジャリーミスタン終末監獄が舞台になっています。

 周囲を砂漠に囲まれている、というのも閉鎖感&密室感増し増し♪


 死が確定している死刑囚がなぜ殺されるのか――?

 この魅力的なホワイダニットは、『法月綸太郎の冒険』収録の「死刑囚パズル」や伊吹亜門の『監獄舎の殺人』など名作短編がありますが、

 こちらは収録されたすべてのエピソードが、探偵役、犯人、被害者、さらに目撃者などすべてが囚人(もしくは監獄職員)なのです。死刑囚ミステリ、というひとつのジャンルが成立しそう。


 探偵役は、“監獄の牢名主”と呼ばれる明晰なシュルツ老。

 助手役は親殺しの罪で収監されたアラン青年。


 密室の独房で斬殺された死刑囚、墓をあばく死刑囚、男子禁制の女子監獄で妊娠した女囚人など。

 ラストエピソードでは、死刑が数日後に迫るアラン青年の事件を扱っています。


 すべてが前代未聞というわけではないですが、終末監獄ならではの特殊設定がよく生かされています。

 個人的に好きなエピソードは、トリックが際立つ「英雄チェン・ウェイツの失踪」。そして、なんともいえない気分になる「女囚マリア・スコフィールドの懐胎」。


 ラストのエピローグは感動! と思いきや……。幕引き際の裏切り方もお見事でした。




『人魚とミノタウロス』 氷川 透


 病院を焼く業火に凄絶な推理がスパークする!

 人はみな壊れてる?“境界線”を問う本格!(本書帯より引用)


 もう超ロジック!

 もともとロジック精度が高い「氷川透シリーズ」ですが、こちらは個人的にベストといっても過言ではありません。

 

 病院内の面接室で焼け爛だれた死体が発見されます。その死体は、状況からして氷川の親友であると断定されかけていますが……はたして?

 

 事件捜査中、新たな被害者(しかも同じ焼死)が出てしまい……と、多少展開のめまぐるしさはありますが、状況は非常にシンプル。現場は閉鎖的な病院で目撃者も証拠も揃っています。


 焼死体だからこその、死体フーダニット!

 導かれる唯一無二の犯人!!

 変態的ともいえる(←褒めてます)鬼のような別解つぶし!!! 

 なんと美しい。ワンダホー!!!!


 唯一嫌な部分を述べれば……語り口がなんともですねぇ、いや、三人称なのですが。

 主人公の氷川透という作家志望の男が、エラリー・クイーンっぽいというかもっといえば法月綸太郎を彷彿させるというか……いっつもウジウジ悩んでいて読んでいるこっちが卑屈な気分になるんですよ。人生常にモラトリアム・透。頑張れよ!(謎の励まし)


 よくできたロジックは、綺麗で硬くて透明度が高い水晶のよう、と感じます。

 まさに水晶のごとき謎解きでした。




『千年図書館』北山猛邦


 表題作を読んでください。

 そして、どうか、これは絶対に守って欲しいお願いなのですが――読む前に本をパラパラめくったりしないでください。

 最後のページでどんでん返し、という売りの作品が結構ありますけど、こちらはまた違う次元の後味を残すであろうことを約束します。

 そうして読後に、とある「ワード」を検索することになると思います……私がそうでした。“千年”の意味に、鳥肌。



 千年図書館だけいい加減でスミマセン。

 いえ、名作に言葉はいらない、ということでしょうか。

たったこれだけ書くのに結構疲れてしまった……orz

年末までに短編をひとつ上げたいのですが、はたして間に合うのか。

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