好きもの語り(1)―ちょいと小説の勉強&HUNTER×HUNTER
おはこんにちばんは。羽野ゆずです。
脱力モードです。BGMを聞き流す感覚でお読みただければ幸いです。
もう、やりたいことは山ほどあるわけです。構想だけは……。
絵画ミステリーを書いてみたいとか、読破済みの『少年少女のためのミステリ超入門』のレビューとか。
でも、今回はあえて気楽に好きなもの語りをしたいと思います。
冨樫義博先生の『HUNTER×HUNTER』。
なぜこの作品かといえばですね、本棚整理のとき、つい手に取った本を読み耽ってしまい、全然作業が進まないよってこと、よくあるじゃないですか? ありますよね?
私の場合、そうなってしまう確率が一番高い作品がHUNTER×HUNTERです。
途中のどの巻でも、一度開けば一冊丸ごと読み、さらにその周りの巻からたどって全巻を一気読み。アリ地獄のごとく時間が消費されてしまいます。まるで罠です。
どうして、もうなぜこんなに惹かれてしまうのでしょう……?
あ、ちなみにこれ以後、HUNTER×HUNTERのネタバレをする可能性があるので、「いつか読みたいと思っていた」なんてかたはブラウザバックでお願いします。
あまり好きじゃないんだよね、ってかたもそうされた方が良いかもしれません。逆に崇拝するレベルで好きって方もこれ以後進まれないほうがいいかも。どれにも属さないかた、どうぞお付き合い願います。
☆彡☆彡☆彡
またちょっと話題が逸れて。
去年の終わりから今年の初めにかけて、私は少しだけ小説の勉強をしていました。
自由に好きなように描くのも楽しいけど、せっかくだからハウツーを学んでみるのも悪くないよね、と思ったからです。
で、購入したのが、大塚英志『キャラクター小説の作り方』、ニール・D・ヒックス『ハリウッド脚本術』です。ハリウッド~の方は、大塚先生(多重人格探偵サイコの原作者さんです)の御本にぜひ読むべし、と薦めがあったからです。『キャラクター小説~』が非常にわかりやすくて面白かったので、『ハリウッド~』も購入した次第です。
得た教訓は色々とありますが、そのひとつを紹介すると、よく出来た作品、いわゆる名作といわれる物語には流れに「パターン」があるということです。
(以下私なりに解釈した内容で記述しています)
1、何かが欠けた状態(誘引)
2、欠けた状態を解消するため奔走(期待)
3、欠けていたものを得る(満足)
ちなみに()内の記述は、『ハリウッド~』で解説されていた“観客”の視点をそのまま引用させていただきました。
これをHUNTER×HUNTERに当てはめてみると、
1、何かが欠けた状態
→主人公のゴンは父親に会ったことがない。
2、欠けた状態を解消するため奔走
→プロのハンターであるジンに会うため、ハンター試験を受け、ライセンスを得る。ジンが手掛かりとして残したゲーム(正確にはメモリーカード)G.Iを入手、クリア。その他、最強のライバル(ヒソカ)との出会い、様々な戦いを経る。(アント・キメラ編など)
3、欠けていたものを得る
→ついにジンと対面する。
私の理解としてはここまでが物語の第1部です。
ゴンばかりに焦点を当てていますが、主要登場人物は他に3人いて、
・ゴンと同い年の少年で暗殺一家であるゾルディック家の出身・キルア
・クルタ族を滅ぼした幻影旅団への復讐のためハンターとなった・クラピカ
・医師を目指すためハンターの優遇を欲してハンターとなった・レオリオ
ヒソカ、幻影旅団やハンター十二支んなど、そのほかの人物(団体)の多視点で物語は進んでいきます。モブキャラの視点を大事にしているのも、この作品の魅力でしょう。
好きなキャラクターはですねぇ、それこそ数えきれないほど沢山いますが、序盤で読者をその魅力で引っ張りまくっていたのは、なんといってもキルアでしょう。
普通の少年の顔と、暗殺者としての顔。このギャップ(※1)にやられた読者は多いに違いありません!(たしか第1回人気投票でも彼が1位だったはず)
(※変態的注釈1~キャラを魅力的に描く上でギャップは欠かせないもの。
『物語シリーズ』の忍野忍はロリキャラの外見に老女みたいな喋り方がギャップ萌えでしたが、それって『幽遊白書』のコエンマのパターンじゃん!?と思ったのは私だけでしょうか。私だけですね。)
キルアは第1部の準主人公でありました。以下のとおり、パターンに当てはめることもできます。
1、何かが欠けた状態
→暗殺一家の跡取りであるキルアは、暗殺稼業を嫌って家出をした。家の呪縛から解き放たれたい、友達が欲しい。
2、欠けた状態を解消するため奔走
→気まぐれで受けたハンター試験で、同い年の少年・ゴンと出会う。ゴンと普通の友達になりたいのに、暗殺一家として育てられた性をあらゆる場面で自覚してしまい苦しむ。
3、欠けていたものを得る
→兄の束縛の念がこもった針(マジで針)を頭から抜き、本来の自分を取り戻し、晴れてゴンの親友となる。また、厳重に閉じ込められていた妹アルカを助け出し、ゾルディック家を出る。
第2部(暗黒大陸編)は、クラピカがメインになるのだと思います。
彼の目的は当初から一貫して、一族の復讐・眼球の回収です。重いです。目的を遂げた彼がどうなるのか、今後の展開が楽しみです。首をながーくして続きを待ちたいと思います。
上記3名と比べて、レオリオのバッググラウンド(抱えている背景)が弱い気がしますが、きっと今後に明らかになるのでしょう。
最後に。一番好きなシーンです。
ヒソカVSクロロの戦闘シーンも捨てがたいのですが、№1はアントキメラ編の、シュート&ナックルVSユピーですねぇ。
シュートを侮辱した敵ユピーに、無謀にも一矢報いようとするナックルを、作戦遂行のため止めるのが己の役目、とシュートは十分にわかっているのですが、謙虚で冷静なはずの彼が、次のコマでですよ、
「頼む…ッ ナックル!!! 畜生ッ!!! あの野郎… オレを…ゴミみたいに見やがった。あの糞野郎にオレの分も…ッ!!!」(一部抜粋)
涙ながらに叫ぶんです。どうですか。羽野は感極まって泣いちゃいました。
アントキメラ編は少年誌っぽくない、という評判で実際そうなんですが、ダークな世界にこうした「ゆずれない信念」「友情」という、いかにもジャンプらしい要素が絶妙に絡んでいて私はこのエピソード、ラストも含めて好きです。
ではでは。
だらだらと好きもの語りをさせていただきました。
ここまでお付き合いいただいた方は本当にありがとうございます。
いや違うよ間違ってるよ、こういう見方もできるよ、などご意見のあるかたはぜひ教えてください。
今後も気ままに好きなもの、読書記録などを綴っていきたいと思います。乱文失礼しました。