一気読み必至のエンタテインメント―貴志祐介
今回は貴志祐介先生です。
貴志先生というと、ホラーやファンタジーのイメージが強い方が多いのではないでしょうか。
かくいう私も、貴志先生は『黒い家』や『十三番目の人格』から読み始めました。
ホラーに欠かせないのはストーリーテラー能力だと思うのですが、貴志先生はその能力が飛びぬけている印象です。
寝食を忘れるほどの一気読み体験、というのは滅多にできませんが、貴志先生に限っては私はほぼ百発百中経験済みであります。この方のための言葉ではないか、と思えるほどです。
『黒い家』は一人暮らしのとき読み怖いのに手が止まらず、『悪の経典』は妊婦のくせに徹夜で一気読み、『新世界』は上巻を図書館で借りて、午後に慌てて下巻を借りにいく、という。(しかもコンマ数秒差で誰かに借りられていて、結局ネット注文したという! くやしー!)
『新世界より』は、アニメ化や漫画家もしているので知名度と人気が高そうですね。奇狼丸かっこいい!
最後の攻撃は、いかにもミステリーっぽい仕掛けでしたね。
推理小説では、『鍵のかかった部屋』がドラマ化されましたね。あのドラマで出てくる模型、すごかった。毎回欲しいと思ってました。本格推理ファンとして、一番におススメしたいのは、なんといっても『硝子のハンマー』でしょう。
セキュリティが万全の社長室で、社長が何者かに殺害されます。その部屋の中には介護ロボットがあって――この介護ロボットがいかにも如何わしいんですけど、本作ではその生かし方が非常に上手いんです。おススメ!
『悪の教典』は好みが分かれそうな作品ですが、私は大好きですこういうの。主人公が悪人すぎていっそ清々しいというか。続編が読みたい。次は、蓮見先生VS国際警察がいいな。
今アマゾ○で貴志先生の作品一覧を見てたら、『エンタテインメントの書き方』という本を出されていて、この本ぜひ読まねば! と思いました。
2015.12.18
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最近の貴志先生のベストは、『ミステリー・クロック』ですね。
去年の「このミス」ランキングで4位! でも、私はどうしてこの作品が1位じゃなかったのかと不思議でなりません。前代未聞のトリックの乱れ打ち! これぞ本格推理、とひれ伏しそうになりそうなほどの高貴さ漂う短編集であります。
『エンタテインメントの書き方』は、ミステリにかかわらず創作するかたは一読の価値あり。全ての基準は面白いかどうか。シンプルですが至言です。創作に詰まったとき、幻冬舎の『ミステリーの書き方』と並行してお世話になっております。
2018.11.7